犬通プログラム第3回(DINGOセミナー)

第3回は、言わば「犬語」の勉強です。

人間は、言語という便利なミニュニケーションの手段を持っているわけですが(どうして人間だけがこんなに発達した言語を持つことができたのでしょうね?いつもとても不思議に思います。)犬は、もちろん言葉を話すことができないわけで、でも、言葉を持たなくても犬同士または人間とでも上手くコミュニーケーションをとっているわけで、その犬のコミュニケーションを学ぶのが今回のテーマでした。

まず、犬はとても社会性に富んだ生き物であって集団で生活をしているので、当然その中で「お互い上手くやっていく」ためのコミュニケーション能力を身につけています。

それが、
・身体
・表情
・姿勢
・しっぽ
・声
などということで、人間で言うところのボディランゲージのようなものでしょうか。

確かに、私たち人間も仮に言葉は通じなかったとしても、表情や態度で相手が怒っているのか喜んでいるのかくらいは判断できますから、言葉以外のコミュニケーションの方法もそれなりに身につけているようです。

そしてその中で、とくに犬のコミュニケーションを理解するのに大切「カーミングシグナル」と言われる「身体のシグナル」だそうです。

「カーミングシグナル」とは、ノルウェイのテゥリーッド・ルーガスが研究し発見したもので、約28種類があり基本的に犬の平和主義に基づいた「不要な争いを避けるためのシグナル」とのことです。

本も出版されています。
カーミング シグナル
著者:TURID RUGAAS(テゥーリッド・ルーガス )
出版社:エー・ディー・サマーズ

セミナーでは、大型モニターに映し出された犬たちの写真を見ながらひとつずつ、これはどういったカーミングシグナルを出しているのかを解説してもらいました。

頭の向きを変える、目をそらす、立ち止まる、距離をとって歩くといった、比較的わかりやすく理解しやすいものから、あくびをする地面の匂いを嗅ぐ、からだを振るうといった一見ちょっと勘違いしそうなものまで、実に様々なシグナルを犬は日々使っているようです。これらの行為はすべて「ケンカしないで上手くやろうよ。」という平和を望むサインです。

モニターの犬たちの写真を見ていると、なにが言いたいのか意外にすぐにわかるものもあります。
長い間犬と一緒に暮らして毎日散歩でいろんな犬と出会っていると、それなりに自然に犬語を理解する力を身につけているのかもしれません。

話の流れの中で、アニマルコミュニケーターのことが話題に出ました。
最近、日本でもテレビなどに登場して少しずつ知られて来ていて、私の周りでもうちの子と話をしてもらったという知り合いも何人かいます。
動物と話ができるアニマルコミュニケーター、私もまったく信じないわけではなく、そういった力を持った人もいてもいいと思っています。
ですが、中には犬の出すシグナルを敏感に読み取れる人が、自分は犬と話ができるんだと思い込んでいるだけと言う人もいるかもしれませんよね、という話にもなりました。

さて、前回の第2回でも話が出た「ストレス」について、今回もう少し掘り下げて勉強することができました。
ストレスとは意外にも、好きなことをしているときにもかかるそうです。
ストレスがかかる場面として

・緊張したとき
・驚いたとき
・怖かったとき
ここまではすんなりわかるのですが、これ以外にも
・食べるとき
・遊ぶとき
・トレーニングしているとき

など、楽しいときにもストレスはかかっているのだそうです。(トレーニングについては、好きか嫌いかでとらえ方は変わるとは思いますが。)

ではそのストレスがかかるとどうなるかと言うと、脳内に「アドレナリン」が放出されるそうです。
そしてアドレナリンが出ると「心拍数や血圧を上げ、瞳孔を開きブドウ糖の血中濃度(血糖値)を上げる。」ということに。
つまり、アドレナリンがでると体は活動的になっている状態になるわけです。

こう科学的に見ていくと、ストレスというのは確かに一概に悪いものとは言えないことが理解できます。
ですが、もちろんなにごとも過ぎるのはよくないことで、アドレナリンが出ているときには免疫機能を低下させるコチゾールといったものが一緒に分泌されたり、必要異常の胃液が出て下痢の原因になったりもするそうですから、やはりストレスのかけすぎはよくないということになります。

ちなみに、我が家の犬は外で遊ぶとよく下痢をします。
嬉しくてストレスがかかっているのが、原因のひとつかもしれません。

かかり過ぎたストレスを消すのに一番いいのは「静かに過ごす」ことだそうです。
ストレスが消えるには早くても3日から6日かかるというから、驚きです。

わかれば犬とのコミュニケーションにとても役立つ「犬語」
理解するための一番の近道は「観察すること」とのこと。
些細な動作も見逃さないように、よーく見ているといろいろなことが見えてくるようになりそうでした。

人間は言語というコミュニケーションツールを持ってしまったがために、忘れてしまった別の言葉もあるようです。(2010/9/13)(東京都 Y.Mさん)

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