孤独な子ブタに“家族”?
孤独な子ブタに“家族”?
レストランに売りに出されたが、小さすぎて売れず、孤独な暮らしをしていたとか。
現在はこの子ブタ、近所の犬の家族としてお母さん犬に育てられている。この母犬と子犬たち、どうも外飼いのようです。
スペインの犬事情は、ヨーロッパとは言え、ドイツやオーストリアのように動物愛護が進んでいるわけではありません。
外飼い当たり前ですし、放置糞はひどいし、野良犬なのか飼い犬なのか判らないような放し飼いの犬までいます。まあおおらかと言えばそうなんですけど。
そんな飼い方の犬の家族と一緒に育つブタ、一体どうなんでしょうかね。
スペインの市場(メルカトール)では、お肉やさんには、ブタや羊がそのままぶら下がっていたりします。どうも、私は直視できなかったりなんですけど。
いわゆる人の口に入る産業動物とペットとしての動物の境目と言うのでしょうか、一度心を通わせてしまったら、絶対に殺せないし、ましてや食べることは出来ないと思うのです。
我が家の知人で動物好きのある人の話なんですけど、学校で保護された野良犬を引き取って育て始めたら、なんとお腹には赤ちゃんが、と言うことで1頭引き取ってそのまま子犬まで育てたという優しい人でした。
ある時、近所の農家のブタが子供を産みました。乳首の数だけしか育てられないと、里親をとその人が引き受けたのです。
子ブタはかわいくて家の中でまるで猫や子犬のように育ちました。子ブタも甘え上手だったそうです。ちょっと大きくなると家の中は無理なので、囲われたブタ小屋を作って暮らしてました。
ところがどんどん大きくなり、いかんせんこれまでのように可愛がることが出来なくなりました。
結局、まるで「ドンナドンナ」の歌のように、泣きながら、大きな子ブタと別れることになったのです。
その人は、もう2度と、子ブタを引き取ることはしてはならないと学んだそうです。
スペインの子ブタちゃん、一生犬の家族でいられるでしょうかね。
(2010/11/7)(LIVING WITH DOGS)