【犬と暮らす家(3)】どんな家〜建売、売建って何?

【犬と暮らす家(3)】どんな家〜建売、売建って何?

一戸建てというものについて、色々と調べはじめました。妻は賃貸でもいいと言っていたのですが、実際に不動産屋に言ってみると、ペット可の戸建賃貸は正直とても少ないというのが現実でした。

今回は今がマンションなので、今の時点でマンションを選ぶ事は考えていません。やはり夢は犬と暮らすなら庭のある戸建住宅。となると中古住宅やいわゆる新築に視点を向けて、相場調査も含めてみてまわる事にしました。

ではどのあたり、住む場所はどこがよいか。当然ですが、相場を踏まえて高級住宅街はまっ先に除外しています。これは性に合わないというよりも、経済的に無理だからです。という事で、最初に常々くーとの散歩で気に入っていた東京都と埼玉県の境にある広い雑木林と芝生のある公園の周辺で、かつ通勤可能で日本全国へ出かけやすい場所を起点にしてみようと思いました。

そこは外環が途切れているあたりで、唯一アクセスがしにくい中央・東名方面へは現在計画は白紙になりかけていました。また通勤場所へのアクセスについては、有楽町線や副都心線が乗り入れしている東武東上線や西武池袋線、大江戸線沿線があります。とりあえずこのあたりをターゲットに探してみようと思うのでした。

調査としてまず自分の目で見て、体験する事。毎週末車で現地視察にでかけました。ちょうど時期的に梅雨前だったので、くーも一緒に連れていきましたが、エアコンの効いた車の中で待機する事が多くなってしまう始末。危険を感じる暑さの日は当然お留守番です。仕方ありません、新築の室内には入れませんから。

私達が見に行くという事は、その時に公開されている戸建は完成して売出中の物件ばかりです。きっと殆どが新聞の折込広告などでスーパーの特売と同じように同じ地域にばらまかれ、それを目にした人が見学に訪れたり、そのまま購入してしまったりしているのではないかと思います。もしくは現在の住宅情報雑誌やネットワークで検索して出てきた結果、データを頼りに私達のように見学に来る人ぐらいではないでしょうか。既に数件は売約済になっているというような状態で、当然よい条件の家は先に売れてしまっていました。

売出中の建売住宅は片っ端から色々見学させてもらいました。不動産屋は大抵若い人がひとり、現場に椅子を出して座って番をしているか、電話番号が書かれている看板があって見学希望者が電話をして不動産屋を呼ぶようになっているようです。話をして中をみせてもらうと、新築のよい香りがします。やはり新しい家は気持ちがよく、ちょっと興奮気味に妻も私もうろうろと見てまわります。

当然ですがどこも圧倒的に今の我が家より広く、値段的には何とかローンを組める金額の所ばかりでした。しかし売り出し価格から既に500万、800万と値引きしている物件もあり、販売価格の曖昧さを、初日にして感じはじめていました。

また見学させてもらった物件全てが、キッチンやバスは全て住設メーカーの既製品でした。それはそれで使い易そうで、悪いものではありません。カウンターキッチンやアイランド型など見ていて楽しいものでした。

しかし、よくみると建具は今のマンションと殆ど同じ。木目のシールが貼られたペラペラのスチール製の折れ戸だったり、圧倒的に収納スペース自体が少ないようで、不満を感じました。

こうして数日見てまわる間に、建売住宅の品質や設備、相場などがある程度見えてきました。また全てにおいて共通なのは、この家はどういう手順でつくられたのかという部分は判らないという事。そう、いわゆる手抜き工事だったり断熱材や柱などの建材の品質、壁の中はどうなっているのかは、壁を剥がしたり何か事故が起きない限りわからないという事も感じてきました。

新築建売住宅の調査と同時に中古住宅を選択し、いわゆるビフォーアフターのようにリモデルをするという事も視野に入れていました。中古住宅も実は結構いい値段をしています。本来なら20年も経てば上物は評価対象外の額になるのですが、実際はちゃんとした建物価格も含んで流通しています。これはある意味しっかりした建物の場合の、一戸建の優位性を証明している事にも思えました。

しかし建売住宅以上に、昔建てられた家の基礎や構造は正直な所、信用できません。建築基準も今とは比べものにならないレベルなのは当然です。布基礎は当然、白蟻に食われていたり、殆ど新築を建てるぐらいのコストがリモデルにかかる事も充分想定されました。また構造がなぜか気に入らないというか、建ぺい率を無視した違法建築や、庭の上に鉄骨が追加され、いきなりその上が部屋として増築されていたり、接道の関係で再建築不可も多数、間取りも部屋数だけ多ければよいような、4LDKや5LDKというのを強調するものが目立ち、正直これはという家は殆どないというのが実感でした。

とはいえ逆に魅力を感じるものもあります。それは古民家再生です。リモデルしがいがある古来からの日本建築の物件は、当然通勤圏内にはめったにありません。そういう観点からあっさりと諦め、安心して暮らすにはやはりできれば新築が安心である事が見えてきました。

もうひとつ、建売住宅ではなく、売建住宅といわれる建築条件付土地というのもあるのを知りました。これは土地の販売なのですが、決まった工務店の決まったプランで、上物はいくらで建てるという契約も同時にするものです。事実上宣伝に書かれている標準プランで建てる場合は、建売に近い品質とも言えます。

土地が比較的安く提供されているので、その分は上物の工事から利益を得る事もあるようです。間取りや壁紙などの自由度はありますが、ちょっと希望を入れると標準プランから費用がオーバーしてしまうのもあるようなので、注意が必要です。自分が評価した腕のよい工務店に施工を頼むなんて事もできません。それでもこれから建てるという意味では、工事内容を観察し、手抜き工事はもちろん、ある程度は納得して購入する事ができると思います。

こうしてみると中古住宅、建売、売建と、コストも踏まえてずば抜けてこれが理想の家だと言える感じはしませんでした。ひょっとしたらよい立地であれば、まず安い建売を買い、10年後あたりに建て替えるというのも手かもしれませんが、そんなお金がその時にあるかというと、難しい気がします。

私達はこれらを選択する事を放棄せず選択権のひとつとして保留し、次に注文建築はどういうものかを調べはじめたのでした。まったく手がでないものであれば諦めますが、いろいろ調べていくうちに、1000万円代でも建てられるという事例も多く目にするようになっていたからでした。

サブコンテンツ

カテゴリー

このページの先頭へ