【犬と暮らす家(6)】土地探し〜どこに住むか

【犬と暮らす家(6)】土地探し〜どこに住むか

2009年6月〜8月。土地の情報を毎日必ずチェックするようになりました。

エリアは具体的に当初からかわらず、埼玉県の都内にほど近いA駅を起点にしたものです。理由は通勤に比較的便利で、かつ始発電車があるというものでした。また日本各地へのアクセスがしやすい、外環がほど近い事。いずれ中央・東名高速への接続を期待しつつ、都心に入らずに車でドッグスポーツの会場や旅に出かけられるというのも重要なポイントでした。

そして何よりも大好きな雑木林や芝生のある公園がある事。今度の家は「犬と暮らす家」なのですから、とても重要です。これまでよりも広く、そして雑木林があって管理され過ぎておらず、のんびりと静かに散歩ができる環境を私達は求めていました。

それは犬種にもよるかもしれません。我が家のように小型犬の部類なのに大型犬なみに運動量が多く、犬に対してそれほどフレンドリーではない場合など、犬同士のトラブルを避けるために安全な距離を確保できる環境というのは、都心では難しいというのも感じていました。トラブルを未然に防ぐというのも平和な生活の重要な要素となります。

大好きなフリスビー。競技へも出るようになり、関東近郊で行われる会場へ毎週のように高速道路を使いました。そのため車での生活がしやすければ、私たちの生活はより行動範囲が広がるのでは、という考えでした。

しかし都心へのアクセスも重要です。特に私はまだしばらくは通勤しなければなりません。そのため、地下鉄有楽町線に乗り入れをしている路線へ自転車かバスで駅まで行けるエリアというのも条件でした。

まずターゲットにしたのはA市南地区、そして隣接する東京都のD区の地区です。できる事なら区は違っても慣れ親しんだ東京都の方がよいと私も思っていましたが、あきらかに東京都と埼玉県の行政格差のせいなのか、価格相場は大きく違いました。ただどちらも生活環境としては大きな差は感じられず、電車の駅へのアクセスは少々不便で、バスがそれを補完している地区です。

A市駅の南側は研修施設などで居住地区が極めて少ないのも理想でした。静かでかつ広々した雰囲気がある大好きなZ公園へほど近く、まだ畑も多く残るのどかなエリアです。反面求めている一種低層地区ではなく、中高層地区なので、一部で大きなマンションなんかも建っているのが気になったりしました。

不動産は基本的に交通至便な所がよく流通しています。電車の駅まで歩ける範囲なら地価は高くなり、そうでない場合は比較的安くなっていきます。A駅のある東武東上線沿線では、他にB駅、C駅というのが連なり、またD区を走る西武池袋線沿線であれば、E駅、F駅、G駅などがよさそうでした。基本的には始発電車のあるA市の東武東上線をターゲットに調べていく事にしました。

アジリティやエクストリームにも参加しました。特にアジリティはその奥深さと犬との一体感に魅力が尽きる事なく続けてきました。

B市、C市は比較的コンスタントに住宅や土地取引が行なわれています。埼玉県に入った所ですが都心のベッドタウンというほど遠くなく、実はとてもアクセスに恵まれているエリアだという感じを持っていました。不動産を探す時は、大抵が沿線や駅から探す事になる訳で、A市も北側の物件は結構頻繁に動きがあるようです。

実際に足を運んでみると、東武東上線沿線の南側と北側は随分雰囲気が違いました。もともと米軍のキャンプ地や住宅だった南側のエリアと、昔ながらの農家や民家が時代を経てきた北側というのが影響しているようでした。沿線から北側は道も狭く、くねくねと曲がって歩道も狭いエリアです。反面南側は区画整理がされ、道も比較的広い所も多い事から、歴史の違いを感じさせられました。

それらの地域では、更地の土地物件は殆どなく、古家有となっている土地や中古住宅として売られている評価の物件をあわせてまめに探しました。そして平日に物件をチェックし、よさそうな所をリストアップし、週末になると現地へおもむき自分の目で見る、という日々が続きました。

くーが年をとっても一緒に楽しめるようにと、ドッグダンスもはじめてみました。これはK-9という団体競技に以前お世話になったしつけ教室の友人たちと参加した時のものです。

地域もありますが、条件もある程度は定めていました。例えば最低でも30坪以上であり、車が停められるスペースを確保できる事。近隣に高い建物が建たない、できれば一種低層地域。散歩できる公園までは毎日歩ける距離なので1km弱。自転車かバスでA市駅に通える事。ライフラインとなるスーパー等の店舗なども段階的にチェック項目となりました。

風致地区とか、防火地区なんていうのはこの時は気にもしていませんでした。そういう制限があるという事を後日始めて知りました。

目的とするエリアに強い地元の不動産業者数カ所に連絡を取り、上記の条件で土地を探して貰う事としました。殆どがウェブサイトからユーザ登録を行い、情報提供を受けるという感じでしたが、業者によってはまったく連絡をくれなかったり、まめにメールや電話で連絡をくれる所もあり、この時点では不動産業者の出方を伺いつつ物件を探していました。

また建築家の方がこれまでの作品を一緒に建ててきた工務店がA市にある事から、地主さんからこれから分譲する土地の情報も頂いたりしました。

しかし、なかなかここだという土地は見つかりません。まだ探しはじめたばかりなのだから当然です。何年も土地を探したという人もいるわけですから。

土地探しで現地を確認しつつ、帰りにはくーとお気に入りの雑木林のあるZ公園を散歩しました。そして家族でこんな散歩ライフが毎日おくれるようになるといいね、と歩きながら話をしていました。

大好きなZ公園。春には桜が。雑木林の中をお散歩は何より楽しい時間です。アスリート犬でも、こういう時間は大事です。

土地として売られている物件の中には、結構多くの割合で古家ありというものがあります。これは資産評価価値がゼロというものが残っており、基本的に撤去費用は買い主側が行なわなければなりません。この費用もばかにならず、およそ100万以上は余分にかかる事になります。

敷地内に擁壁といわれる土留めや、高台や斜面にあったりする場合は、その強度によっても地盤にかけなければならない費用が加わります。地盤はいろいろで、家を建てるにあたり地盤が強度不足のために、地盤強化が必要になる事も少なくありません。土地の値段がそのままという事は極めて稀とも言えるのでした。

古い地図をみて、その場所が昔田んぼであったり、川があったりすると、高い確立で地盤強化が必要になります。ここでまた100〜300万違ってきます。その地域の地震や水害のハザードマップも同時にチェック。安心して住める土地というものを探すというのは大変な事なのだなと、あらためて思い知らされました。

広々した芝生の広場も。この写真の十数倍広い所もあるZ公園は、決して混み合う事のない気持ちのよい場所です。

土地を探しはじめて、1ヶ月、2ヶ月とすぎていく間に、ある不動産業者の担当と親しくなっていきました。それはD区にある不動産業者の方で、とにかく動きが素早く、誠実で気配りが滲み出てくる人でした。また黒パグを飼われているというのも大きなポイントでした。

私達がどのような土地を求めているかをよくわかってくださり、ある日などは5件ほどの物件を、くーも一緒に連れてまわってくださったのですが、最後に「今日まわった中ではどこもおすすめできません。時間が許す限り、絶対によい物件が出てきますから、気長に探しましょう」と言ってくれたのでした。忙しい時間の中でまる1日我が家とつきあってくれたにも関わらず、その言葉はなかなかでないものではないでしょうか。

また反面、押しの強い不動産業者とも遇いました。こちらが見てみたいと言った1件でイマイチという評価を出した私たちをみるや否や、次々とこれはどうか、あれはどうかと提案してきて結論を求めようとするのです。それがもっとよい物件ならいいのですが、私たちの希望は無視したものばかり。こちらには申し訳ないですがその後の連絡は遠慮させていただきました。

土地探しがどのぐらいかかるのか、まったく先が見えない状況でした。そして私はうっすらとですが、自民党政権から民主党政権になった今、いろいろな制度が変わってきている事もあり、少なくとも来年2010年中に竣工したいという目標をもっていました。それはやはり大きく影響する過去最大と言われる住宅ローン減税制度にあやかるためであり、少しでも早く今支払っている駐車場代を終わらせたいという気持ちがあったからです。

通勤や仕事の合間に、とにかくネットで土地を探し、その情報からGoogleMapsやストリートビューでどこの土地なのかを探しあてるという日々が始まったのでした。

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