動物愛護国として汚名返上するには

動物愛護国として汚名返上するには

あの大地震から既に2ヶ月半がたちました。月日のたつのは早いですね。だけど被災地での暮らしの改善はというとまだまだ避難所暮らしの方々が多数いらっしゃいます。
我慢強い東北人だから文句も言わず今を生きていられるのでしょう。
本来ならば、真っ先に快適な住環境を用意するべき政府が何も決断できずに今があります。残念ですね。国民が選んだ政党でしたが期待はずれでした。

東日本大震災が起きる前の日本は、動物愛護国として少しづつでも進化していました。
地方ではいまだに家の外に繋がれている犬が多い状態でしたが、東京、神奈川では外飼いの犬は少なくなりました。狂犬病ワクチンの接種、フィラリアの予防薬、ジステンバーなどのワクチンの接種、等の健康の為の実行も実施率が高くなっていました。

そのような状況下で東北3県に押し寄せた地震と津波被害でした。岩手県、宮城県については地震、津波の被害で愛犬愛猫は家族として一緒に避難していました。
ところが、福島の原発地域では、ペットは家族と言われながら避難所には犬猫は同伴できませんでした。ましてや産業動物については遺棄も同然でした。

原発爆発後の現状において、ペットと称される犬や猫については保護の範疇で考慮されてはいますが、産業動物についての認識は低く、「食べられる命ではあってもせめても安らかな死」を願う、そんな思いが政府や福島行政に通じず、産業動物の大部分が餓死となっています。

本来ならば、すべての動物を避難させる手段をとらなければならなかった政府、地方自治体ですが、すべてに後手後手で、やっと2ヶ月以上を経て避難が可能になりました。しかし、時、既に遅し、畜産農家は我が財産である牛や豚を守れずに退去せざるを得ませんでした。

政府の責任?地方自治体の責任?どちらも責任をなすりつけ合い、結局は時間が経ち、死因は餓死という、最悪な死に至りました。残念ですね。

夏堀獣医師、植松獣医師の切実な思いでたてたサンクチュアリー構想を、少しでも生き残っている牛、馬、豚に当てはめて救えたらとは思いますが、どれだけの頭数が餓死を免れ生き延びているのやら。おそらく全滅に近い数の動物が亡くなってしまっているのでしょう。

世界中ユーチューブで流れた情報、原発周辺地域に残された産業動物、犬猫の画像をみて、日本が最悪な動物虐待国として世界中に知らしめた事になったと思います。

日本は第二次世界大戦後、エリザベス女王を日本に迎える直前に狂犬病予防法を設置、たくさんの野良犬達の犠牲のもとに、狂犬病非発症国となりました。

しかし、その狂犬病予防法を履行をするために、捕獲した野良犬、持ち込まれる不要犬の殺処分が実行されています。現代は、野犬や不要犬は狂犬病を発症しているわけもなく、ただ、飼い主に見放されていることで殺処分されています。

まずは生まれ出る犬猫の数を減らしていくことが必要です。
過剰な犬猫の繁殖を促しているような現在の法律です。生体販売を行うペットショップを営業禁止し、乱繁殖を止めさせる。破綻する悪徳ブリーダーを撲滅する。そのような法律を改正することで、日本での、不要犬猫の殺処分をなくせることでしょう。

動物虐待国の日本国ではありますが、せめても犬猫の殺処分をしない国に変わっていくことですこしでも面目が立つと考えるのですがどうでしょうかね。

震災後、50年以上前に戻ってしまった、日本の動物愛護運動。

あっと言う間に50年以上も前に戻ってしまって情けないと思いますが、これまでの50年間日本は本当の動物愛護精神を考えていなかったと言うことが露呈したのだと言うことでしょう。

今、日本がしなければならないことは、本当の動物愛護精神を理解しすべての国民に常に問いかけ、地球の生命体を尊重する、産業動物もペット動物も、命ある動物であること認め尊重することが必要です。動物の命を尊重することで多くの世界から援助も頂けることでしょう。この大震災の後、ツイッターで交わされた動物愛護運動は市民レベルでの認知はかなり高いと思われました。政府や地方自治体がそこに気づいてくれれば良いのですが。(2011/5/23)(LIVING WITH DOGS)

 

 

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