被災地からの声

被災地からの声

宮城県の友人から1ヶ月ぶりの電話がありました。震災後2ヶ月半以上が経過していますが、毎日のように犬連れで避難されている方々の元に行き、様々な相談に乗っているそうです。

東京で見るTVのニュースでは大きな避難所には物資があふれており、もう十分に行き渡っているというイメージがありますが、彼女が通っている避難所には、物資は不足しているそうです。
そして避難したその翌日から、朝晩、ご飯とおみそ汁だけ、お昼は無し、という悲惨な避難所もあるそうです。彼女が持参するドッグフードは「人は食べれないのかね。」という話まで出るそうです。その避難所に入るときは、彼女はカップラーメンとかを購入して持参するそうです。

被災地が広域であることから、なかなか物資が広まっていかないのでしょう。

なので、TVのニュースでもう十分なんだと安心しないで下さい。まだまだ物資が必要な避難所もたくさんあることを知って下さい。

彼女は、ドッグフードを持って避難所廻りをしていますが、このところ、フードが合わないのかお腹を壊す犬達が増えているそうです。ボランティアで一緒に行動して下さっている獣医師が診察し薬を渡して下さっているようですが、すべて獣医師の懐から出ているそうです。

緊急災害時動物救援本部に集まった募金はいったいどのように使われているんでしょうかね。

せめてものこのような獣医師に配分して下さればと思うのですが。彼女も手弁当でガソリン代も自費です。

当初は、フードも様々な種類が送られて来ていたそうです。しかし、近頃はお腹を壊し血便になってしまうようなフードしか送られてこないそうです。
元気な犬達であれば、どんなフードでも良いかも知れませんが、避難している犬達も長期間の避難所での暮らしです。ストレスがたまっており、血便になってしまうようです。
せめてもおなかに優しいフードを送ってもらえればと嘆いていました。

また、産業動物のサンクチュアリ構想があることを友人に伝えましたが、被災地には、そのような情報も届かず、乳牛、肉牛飼育者のほとんどが、今後の暮らしのために、手放してお金に換えるしかないと考えているようです。

これは、原発爆発という事故が起因していますが、産業動物を救おうという都会の方々の気持ちは、被災地の農家の人たちとは気持ちの面で大きく乖離していると感じました。

牛を助けたとしても、場所は?餌代は?そこまで都会の動物愛護を語る人たちがすべての費用を見てくれるのであれば、もちろん助けたい。これが真実なんです。と語っていました。

愛犬と避難している飼い主さん達は、一時預かりの申し出も知りません。せっかく一緒に避難したのに、仮設住宅が出来れば一緒に入居できると頑張っているそうです。

東北人はほんとうに我慢強いのですね。

今や動物愛護団体や個人のボランティアは福島の警戒区域の犬達の保護を注目しています。20キロ圏内の犬達は、随時保護されているようです。

実際には、飼い主さん達は、夜な夜な、自宅に戻って飼い犬にフードを与えていたそうです。しかし避難所に連れて行けず、致し方なくおいて避難しました。
警戒地域に入ったレスキューの人たちにすれば、すべての犬や猫をその場から連れ出したいと言う思いで入ったのでしょう。
しかし、彼女が強く言っていたことは、「私の犬を返して欲しい!」その言葉がたくさんの避難者からの声だそうです。(2011/5/27)(LIVING WITH DOGS)

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