【犬と暮らす家(16)】現在建築中〜フローリングの施工

【犬と暮らす家(16)】現在建築中〜フローリングの施工

季節は真夏に入り、現場では養生されているシートで蒸し風呂状態でした。職人さんは汗だくで頑張ってくださっています。時おり風が抜け、その時はほっとできます。基本的には風が通る場所らしく、空ける窓によっては換気はたやすそうですが、今は養生シートやネットのせいで厳しい現場環境になっています。

基礎のコンクリートから強靱なホールダウン金物とアンカーボルトでしっかりと土台や柱を固定しています。根太が張られ、少しづつ土間と寝室、パウダーの場所がわかっていきますが、不思議と基礎だけの頃に小さいと感じた各スペースも、その大きさも妥当ではないかと感じられるようになってきました。

既に排水・給水系の配管が次々と仕上がっていきます。ホースには青と赤の干渉材が巻かれ、温水・冷水のルートがわかるようになっています。ほどなくシステムバスのユニットやサッシが搬入されるとの事で、それらに向けて準備が進んでいました。

平行して電気の工事も進み、照明器具やフローリング材の選定が進められていきます。工事契約時、およその価格で見積もりは取っていますが、その中でも照明器具はもっともコストダウンをした所です。階段においては照明器具となるスポットライトはすべて施主支給となり、その他はE26ソケットに電球を差し込むタイプになっていました。しかしどうしても一部は埋め込み型のダウンライトにしたいと思い、それならば早い段階で選ばなければなりません。当初立案時よりも安い製品を数点候補を探してきて、建築家の米村さんや電気担当の中村さんに相談を現場でしつつ、色々と決めていきました。

今回は平日には基本的にメールでやりとりし、週末にそれを実際に顔をあわせつつ確認する、という進ませ方をしていきました。最も難しかった部分はやはりコストアップ対策で、ダウンライト化一つとってもコストがあがってしまう事でした。

フローリングについてはまさに私たちが探すという感じでした。兄に安い所を探して貰っても、結局それほど安い出物なんていうものはタイミングよくありません。たまにフローリングを扱う業者が返品などで倉庫に寝ているものがあればそれは安くなりますが、必要な量がきっちりあるわけでもなく、現実は甘くありません。

新宿のOZONEという建材メーカーが集まっているビルにも出向き、種類を勉強しました。高級なフローリングが多く飾られていましたが、参考にだけさせて頂き、ネットを片っ端から探しまくります。見積もりで出していた基準となる金額の品物が見つからない中、過去米村さんも何度か問い合わせをしましたが、すべて欠品で手に入らなかったという輸入フローリング材を扱う業者があり、そこに問い合わせをすると今回は在庫がありとの返事。早速検討に入りました。

元々はこれまでの米村さんの作品にもあった通り、最も安く木目が好みだったのはカバ桜でした。バーチとも言い、それもキャラクターグレードともアンティークグレードとも呼ばれる、木目が整っていない荒い感じのものです。杉のような節がどうしても私は好きになれず、安くかつ好みのカバ桜が最有力候補でした。その上、ユニ材という長さがバラバラのものがつぎはぎになっているものでした。

またもっと高いものですが、この業者には同じようにアンティークグレードのメープルが在庫でありました。こちらを希望したい所ですが、価格にして1平米600円以上違ってきます。なのでアドバイスを貰いつつ、2Fリビングをメープルとし、1Fから階段をカバ桜にしようという事になりました。少々のコストアップで、メープルの空間が手に入るのは嬉しい事でした。

早速米村さんから工務店側に発注を出して頂き、とりあえず我が家の分は確保したという嬉しい連絡を頂きました。一安心でしたがどんな材が搬入されるかは賭けのようなものです。不安は残っていました。でもあとは祈るしかありません。

フローリングは無垢だとしても、当然それだけでは犬の足にとって滑りやすいものです。人間の素足にとっては気持ちのよい感触なのですが、生活する上で水をこぼしたり汚してしまう事から、オイルを塗る事に決めていました。

過去の米村さんの物件のほとんどは、蜜ロウワックスです。確かに適度に塗りやすく、塗ったあとも滑りにくいいい感じです。竣工前の現場で塗られていたフローリングの上を歩いてみて、くーもこれなら全力疾走さえしなければ大丈夫ではと思える感触でした。

ただそれだけではつまらないと、妻が手作り石鹸を作っている関係で色々な植物性オイルを持っているため、それを試してみる事も考えました。サンプルのフローリングをもらい、1度塗り、2度塗りと感じを調べてみます。そんな中でウォールナットやホホバなどが候補にあがり試してみる事にしました。

これらのワックスであれば、くーが床をなめても安心です。どうしても滑るなら、また必要に応じて交換がしやすいタイル型のコルクシートや、カーペットも考えられます。これならあとからでも対応できます。

現場には備え付けの棚や配膳台、ワークスペースのテーブルやAVボードなどを担当する家具職人、家具工房草間の草間さんや、塗装の清水さん、竣工前後にインテリアをコーディネイトして頂く新村さんも打ち合わせや事前確認で現場にやってきました。それぞれもう少し先のフェイズにこの現場に入って頂く職人さんたちです。

現場には早くもシステムバスが取り付けられました。日本人は風呂にこだわりを持っている人が多いようで、米村さんの作品の中にもシステムバスはあまり使わず、ハーフユニット+タイルという造作が多いようでした。

我が家は構造上のコストから大幅にコストダウンが必要となり、最も削りやすい所のひとつとして、標準的な1616サイズのシステムバスを選びました。浴槽だけはメンテナンスも考えて、人造大理石を採用しました。その他は最もローコストな構成です。実際機能上まったく問題はありません。

妻が前のマンションでとてもストレスだったという点に、タイルの汚れがありました。風呂の壁部分がタイルであり、またリビングがガラスブロックが使われており、目地のカビの除去がどうしても大変だったという事です。犬がいるので強力な洗剤は使いたくないという気持ちもあり、できるだけ洗剤も体に優しいものしか使わない事も、汚れが落ちにくい理由だったのかもしれません。

サッシもこちらの指定通りに妻でも開け閉めできる場所に配置し、一部エコキュートのタンクで隠れてしまうのでオフセットしてみました。入浴時には防水のMP3プレーヤーをサッシ部分の棚に置き、リラックスできるように考えました。床は標準の水はけのよいタイプで、くーを洗う場所としても充分のサイズです。

電気については一応こだわりのようなものがあり、光回線の取り込み場所が2Fのワークスペースというのは決めていました。ここにインターネットや電話回線、アンテナ回線などを集中させます。

イメージ的には外から2Fのワークスペース横に光回線が取り込まれ、そこの光コンセントからONU経由ルータと接続されます。ここが我が家の情報インフラのゲートウェイです。

そこから壁まで短いLANケーブルでリビングと寝室とガレージの3箇所に伸びます。その中でもガレージに向かうケーブルはPoEというLANケーブル経由で電源供給をするWEBカメラに繋げ、監視カメラとして運用する事になります。

各部屋にはこのワークスペースを経由してLANが繋がれます。LANがあればDLNAで録画した動画もNAS経由でどの部屋でも見られるようになります。また監視カメラや集中管理用の省電力ノートPCが常時稼働し、各種コントロール用にサーバの役割を担わせます。

テレビについてはLANとは別のインターフェースですが、同軸ケーブルの配線パネルは共通となります。一応将来も見越して地デジとBSはリビング、寝室、ワークスペースに配置し、どこでも見られるように。またリビングには以前から使っているスカパーの口を1ヶ所つけて貰う事にしています。

前のマンションでもホームテレホンの無駄な配線はいらないので、その分配管を太くしてLANケーブルを通してもらいました。これで無線を使わずとも高速で安定したインターネット回線がどの部屋でも使えました。今後10年、20年と暮らす家には必須の設備だと思っています。

これ以外に今後ネット家電といわれるものが増えた場合は、無線LANも使おうと思っています。たとえばキッチンでCookPadのレシピを今はわざわざ印刷していますが、無線のノートを1台おけば、オンラインで見る事ができるという事を考えています。

これらの考えを電気の中村さんはよく理解してくださりました。これから細かい配線に入っていただきますが、主に基幹系の配線を今は進めています。

この頃偶然、前に一旦購入の契約をした土地の上に、建て売り住宅が建てられ売り出しになっている事に気づきました。広告を見ると現在基礎工事完了状態なので、私が契約を破棄してから3〜5カ月のうちに建築開始になったようです。

ある意味あと3〜5カ月待てば、あの土地は契約通り私たちが購入したのかもしれませんが、今の土地の方が広々としてまた視界も開け、地盤もよさそうです。違いはちょっとだけ都心から遠いだけ。それでも2〜3km程度です。あとは行政の差もあるでしょう。

内容的には4LDK、車庫スペース付きの真四角な家です。普通の建て売りですが、土地の値段が任意売却で決まっていた事から、上物の値段が見事にわかってしまいました。正直考えられない値段でした。工事が手を抜いているとかそういうのではなく、下受け、孫受けなどの会社がいかに薄利で工事を請け負っているというのが感じられます。

8月に入り現場の暑さも相当です。職人さんもタフさが要求され、過酷な現場となっていきました。現場は骨組から屋根が張られ、壁が張られ、床が張られていきます。仕上げはまだまだ先ですが、階段部分にははしごがかけられ、今はしっかりと躯体をくみ上げている最中という所です。

今後施工されていく断熱材がどれだけこの暑さを守ってくれるのか、ちょっと不安ですが、冬暖かく夏涼しい家というのは限度があります。東京近郊ではどうしても夏の暑さは避けられず、あとはいかに高気密高断熱で生活する時の室温を効率よくコントロールできるかという所になります。

建築家と工務店と各分野のプロ、そして私の持っているノウハウを結集して、くーと住むための家の建築は進んでいくのでした。

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