フォスターファミリー体験記 – 3本足のJake(3)
フォスターファミリー体験記 – 3本足のJake(3)
後ろ足の切除手術の5日後の(土)、Jakeをアダプション会に連れていきました。
私が住むオレゴン州ポートランド近辺にはPetco(http://www.petco.com/)とPetsmart(http://www.petsmart.com/)というアメリカでは2つの大手ペットショップチェーンのストアが数店あります。いずれも犬や猫のアダプションを奨励しており、賞味期限切れのペットフードや売れ残りのリード、首輪などをOFOSAのような保護団体に寄付してくれるほか、毎週末店内でアダプション会を開くスペースも提供してくれています。また一匹アダプションが成立するごとにその保護団体に35ドルを寄付金を、アダプトしてくれた飼い主にはストアのクーポン券のほか簡単な講習を無料で提供してもくれます。ペットフードやペット用品を買いにくるお客さんたちはもちろん動物好きですから、今日はどんな仔がいるのかと毎週立ち寄ってくれる人たちもいます。
さて、この日私はOFOSAのPetcoのアダプション会(正午から午後4時まで)の犬の部のリーダーでした。Jakeのほかに、生後3ヶ月から1年までの小型犬のパピー5匹たちが新しい飼い主を待っています。
ところがJakeはなぜかこの日は朝から元気がなく、Petcoでも毛布の上に横になったままです。それでもトリートを見せるとカパッと起き上がって目の色が変わるのは体調がそれほど悪いのではない証拠ですが。。。結局一時間後に主人に家に連れ帰ってもらいました。おそらく(木)の夜にPain Patchを剥がしたので、鎮痛効果が失せてしまったのだと思います。鎮痛剤のおかげで夕方にはだいぶ元気になりました。結局この日のアダプション会では残念ながら6匹のうち2匹だけにしか新しい家族を見つけることができませんでした。
この毎週末のアダプション会のほかに、OFOSAではPetfinder(www.petfinder.com)に里親募集中の犬や猫の写真と説明を載せています(http://www.petfinder.com/petdetail/19741041)。ですからJake宛にも何通かのメールが私のもとに届きました。Jakeにはなるべく普通の犬のような生活をさせてあげたいと思ってはいるのですが、ある家族は4人の男の子がおり「大草原の小さな家」さながら8エーカーもの広い土地でホームスクーリング(自宅で教育)しているそうで、森の中をJakeも男の子達と一緒に走り回れるようになるかと聞いてきました。今までに犬を飼ったことが一度もない彼らの頭の中は「名犬ラッシー」のイメージでいっぱいなのでしょう(笑)。もう少し経験のある飼い主を探したかったので別の犬を勧めました。
また別の家族は、男の子が二人おり3階建ての家というので、こちらはお断りしました。Jakeはうちの裏庭の階段は段差が低いし、段の奥行きも室内の階段より長いので上り下りできていますが、できれば平屋あるいは2階建てでもワンフロアで生活できる家のほうがよいと思っています。そのうち後ろ足の筋肉がもっと発達すれば上り下りも今より楽になると期待していますが、何しろ彼は足の大きさからして60ポンド以上の大型犬になりそうなので、抱いて上り下りするわけにもいきませんしね。すでにうちに来た当初よりはずいぶん大きくなりました。
そのほかにも3件の問い合わせがありましたが、いまのところJakeにふさわしいと思えるファミリーは現れていません。こうしてうちで暮らしているうちに、上手にバランスを取れるような強い足腰を鍛えて欲しいものです。Jakeのご飯には毎回特別に卵やターキーの茹でたものをいれています。
またPetsmartのパピークラスにも出席し、人や犬との社会化もすすめています。3本足でも「お座り」や「伏せ」をマスターしたJakeは先生はじめクラスの人気者です。「お預け」と「待て」も練習中です。
7月4日はアメリカの独立記念日で、オレゴン州でも普段は禁止されている花火が解禁になる数少ない祝日です。我が家の近くでもパンパンとチャイニーズクラッカーが鳴り、ボーンと打ち上げ花火があがっています。幸いなことに、うちの3匹は雷や花火を怖がりません。Jakeもそんなお兄さん、お姉さんに囲まれて安心したのでしょう。無事に過ごすことができました。繊細で臆病な犬と飼い主にとっては、独立記念日は頭の痛い祝日です。現にグランマの昔飼っていたLillyは精神安定剤なしでは過ごせませんでした。アメリカでもっとも迷い犬の出る時期でもあります。
ほかにパピーがいないので、遊びたくて仕方ないJakeはみんなにチョッカイを出しては怒られています。もう9歳近いHollyお姉ちゃんだけがJakeの子守を引き受けてくれています。というわけで、Jakeの新しい飼い主はまだ現れていませんが、彼は持ち前の明るく物怖じしない性格と我が家で犬猫に囲まれて暮らすうちに身についた処世術(笑)のおかげで、のびのびと社会化のよくできたパピーに成長しています。