犬や猫を見かけない街・アメリカの都市

犬や猫を見かけない街・アメリカの都市

日本の震災や原発事故を少しだけ忘れてアメリカでコンサート三昧を5日間しました。

昨年は、アナポリス、アメリカ海軍兵学校の地を訪問しました。海軍と海の幸が豊富な街、そしてアメリカで初めてアメリカ合衆国という国ができた場所でした。
安全なのんびりした街でした。海軍兵学校に訪問しましたが、あまりにも広すぎて私の足ではすべてを観光するには無理な行程でした。チェサピークベイ・リトリバーという名の犬種が生まれた土地でもあります。

2011年、今年はと言うと、シカゴから1時間のフライトの街、トレドという都市を訪問しました。
トレドと言うと、スペインの田舎町を思い出しますが、同じ呼び名ですが、アメリカの五大湖のひとつエリー湖の側にある街です。かつては近代的に栄えた街でした。

この町、元々は、ガラス産業で栄えた街だそうです。アメリカのBIG3、車産業が盛んだった頃、フォード社のフロントグラスなどを一手に引き受けていたそうです。
なので街全体はかなり大型のCityそのものなのですが、残念ながら、アメリカの車産業の衰退から、街の大きな工場は閉鎖、オフィスビルも空き室だらけと言う、廃墟のような都市でした。
ガラス工業で大儲けしたご夫妻が、世界の美術品コレクターとなり、トレド美術館にすべてを寄付して、見事な収蔵品となっています。田舎のそれも小さな美術館ですが、これほどまでのビッグネームの収蔵品があるとは思っても見ませんでした。すばらしい美術館です。

ダウンタウンには必ずと言ってあるショッピングセンターは閉鎖、アメリカン・フットボールのプロチームのホームでしたが、競技場も閉鎖、試合が行われなくなりました。小さなコンビニエンスストアでさえも数ブロック歩かないとないような街です。

唯一、コンベンションホールが雨にぬれずに行けるホテルが私たちの泊まったホテルでした。

400名以上のファンシャーを集めたイベントでしたから、ここ数日はかつての栄えたホテル時代を思いだして迎えてくださったのでしょう。

この町には、若い人の就業者は少なくて、だけど、年配者もあまり見かけません。
働く場所があるのかしらと心配してしまいます。

さびれた街を目の当たりにして、日本もいつかこのような街になってしまうのかと愕然としました。

とにかく、街の中で歩いている人影も少なく、早朝、ホテルの窓から見える景色も、人の姿はなく、週末に湖に浮かぶボート、芝生広場に白い鳥の群れ、そんな景色しか見られませんでした。

衰退しているこの街で、不思議なことにペットの犬や猫の姿が見られないことに気がつきました。
5日間滞在して、早朝、やっと散歩している中型犬と飼い主さんを見ました。幸せそうな犬と一人が遊んでいました。

私が宿泊していたホテルはどうも犬連れ宿泊が可能だったようで、だっこされた小型犬と飼い主さんの姿が見られましたが。しかし大型犬は宿泊可能かどうか確認できませんでしたけど。

街で犬や猫の姿が少ないことが何でなのかと疑問に思ったのでした。

これって不思議でも何でもなく、よくよく考えれば当然なことなのですが、「犬や猫と共に暮らすことって、財政的にも豊かな人達でなければ出来ない」と言うことなのだと改めて感じました。

トレドの住人達は、これまではおそらくたくさんの犬や猫と暮らしてきたでしょう。だけど、仕事は減り、収入も減っては家族を養うだけで精一杯、ペットの犬や猫にまでかまってられないと言うのが本音でしょうから。

これまで、このトレドと言う街で、かわいがられて暮らした犬や猫たちが、今はどうしているのだろうかと余計なお世話かもしれませんが、気になってしまいます。
(2011/9/23)(LIVING WITH DOGS)

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