オレゴンの動物一時預かりボランティアOFOSAの飛躍
オレゴンの動物一時預かりボランティアOFOSAの飛躍
アメリカ合衆国の動物愛護は各州によって異なります。オレゴン州は全米の中でも最も動物愛護運動が進んでいる州です。その代表となるシェルターはオレゴン・ヒューメイン・ソサエティです。
オレゴン州には、そのようなシェルターから請け出してリトレーニングし里親さんを探すボランティアグループがいくつかあります。
その一つ、Oregon Friends of Shelter Animals (OFOSA)は、LWDにいつも記事を書いてくださっているM.Yさんが、4年前からボランティアで犬達に暖かい家を探しています。今日は、OFOSAについてYさんからすばらしいご報告ありましたので掲載いたします。
日本は遺棄される犬、保健所に持ち込まれる犬、そして3月11日以降、東北大震災の被災動物がたくさんいます。福島の原発で警戒区域に取り残された多くの犬や猫もいます。
動物愛護ボランティアのあり方について、そしてシェルターの作り方の参考になるかもしれません。悲しい犬猫を少しでも助けようとする、人と人とのつながり、心優しさと勇気が今求められています。(2012/1/4)(LIVING WITH DOGS)
私が4年前から犬の一時預かりボランティアをしているOregon Friends of Shelter Animals (OFOSA)は2002年に発足しました。その当時シェルターでボランティアをしていたCathyとその友人の女性が、シェルターに連れてこられたBeautyという名の黒いコッカースパニエルが、必要な治療も受けられずに安楽死させられてしまうのを見て、この仔のように再出発の可能なシェルターの犬達を少しでも救おうとCathyのガレージを改造し、シェルターの犬を引き取り里親を探すボランティアを始めたのです。
そして8年後の2010年の夏、集まった資金をもとにローンを組み、手狭になったガレージから古い一軒家にOFOSAは移転しました。それからはボランティアたちの努力と、地域の企業からの寄付金のおかげで、その家を改装・増築し、OFOSAの施設はどんどん整備されてきました。そして2011年にOpen House(お披露目のパーティ)が開かれました。是非皆さんにも見ていただきたいと今回この施設の写真を撮ってきました。
まずは家の外観です。外壁はクリーム色に塗り替えました。そしてオフィスにはクリスマスツリーが飾られています。次は裏庭に作ったデッキです。天気の良い日には庭で犬達を遊ばせることができます。 |
オフィスに隣接して、キッチンがあります。ここではフォスターファミリーに引き取られるまで一時的にここで暮す犬や、怪我や病気で治療の必要な犬達の食事の準備をしたり、もちろんボランティアたちのコーヒーやランチなども作れるようになっています。 |
そしてその隣にあるのが、アダプションを決める前に犬と遊んだりできる部屋Meet and Greetルームです。またここには洗濯機と乾燥機があり、犬のおもちゃやブランケット、タオルなどを常時洗濯しています。その横には、猫専用室もあります。 |
さて、裏庭に出ると右手には暖かい日の日中だけ使われる屋外のケネルが並び、そして左手にはトレーラーがあります。 |
Skanskaという地元の建設会社が買えば10,000ドルはする中古の建設現場用トレーラーを寄付してくれたのです。おかげで手術室、準備室と回復室をこの中に作ることができました。手術室には手術台を2台設置し、ボランティアの獣医師が二人で同時に去勢・避妊手術を施すことができるようになりました。 |
またCostcoから購入してあった倉庫をコンクリートスラブの上に立ち上げることができたのは、地元の大企業Intelのボランティアたちの助力のおかげです。Intelは寄付金のほかにこのように従業員の労働力をも提供してくれています。 また別棟で、かなり古びて水はけの悪い建物があったのですが、ボランティアたちの手によりハエやネズミの駆除はもとよりすっかり改装され、、コンクリートの床にコーティングを施した洗浄の簡単なパピー用プレイルームのほか、大型犬や母犬とそのパピーたちが一緒に入れる大型ケネルも4つほど設置しました。このステンレス製のケネルは、店じまいした獣医さんから安く譲り受けることができました。PGEという地域の電力会社がこの建物用に電柱を無料で設置してくれたため、照明や暖房設備も整えることができました。 このように2011年はOFOSAにとって大きな飛躍の年となりました。犬のアダプションも年間700匹を超え(猫は481匹)、これは前年の約20%増を記録しました。私達一人一人の力は小さくても、皆が同じ目的に向って力を併せれば、これからもシェルターの命を繋ぐ架け橋としてより多くの犬や猫達を救うことができるという確信をもって、2011年の締めくくることができました。(2012/1/4)(アメリカ M.Yさん) |