新宿区の動物愛護の取り組み
新宿区の動物愛護の取り組み
新宿に住み、動物愛護推進員をしている友人から貴重な資料が届きました。
新宿区というと都庁のある区です。287千人の日本人の区民、外国人を含むと319千人の住民がいます。
あの歓楽街の歌舞伎町を抱え、乗降者の最も多い新宿駅があり、たくさんのホテルやデパート、オフィスビルが林立する新宿区です。
日本の犬の殺処分数は、H20年度は昭和49年に比べ10分の1と劇的に減っています。それでもまだまだ多い殺処分数ですが、猫の殺処分数は日本全国で見ると横ばい状況が続いています。
ところがです。新宿のびっくりするような数字がありました。
H22年度の新宿区が助成する、猫の避妊去勢手術の数が年間1000頭を超えています。そして驚くべきことは大部分が野良猫たちでした。また動物管理センターへの引き取り数はなんと29頭でした。この引き取り数は飼い主がいらないとして持ち込んだ個体だと思いますが。新宿区では平成22年度の猫の殺処分は年間29匹であったということです。
猫の引き取り数は、年々減少に努め、H13年は315匹でしたが、ここ5年の間に100匹以内に押さえ、とうとう29匹という成果を上げています。なおも引き取り数0を目指しています。もちろん犬の殺処分数は猫の数より下であることは言うまでもありません。
この事実は、やれば出来ると言うことの証明でしょう。地道な活動が実を結んだと言うことです。猫の殺処分数減の成果を上げた一番の理由は、地域猫の活動を応援する新宿区の方針と、殺処分数0を目指す目標がぴったりマッチしたんですね。
あの歌舞伎町の中でも地域猫保護活動が始まるそうです。素晴らしいの一言ですね。
「新宿区すごいぞ!」
さて、その新宿区ですが、災害から動物を守るための対応も考えられているようです。
飼い主と共に避難出来る避難所や防災用品の準備、救護マニュアルなどが考えられています。
避難所にペット同行避難をしたあとは、飼い主が中心になってペットの救護所を設置します。この動物救護部は、給水、餌やり、ケージやトイレの清掃、散歩を協力して行います。
また飼い主と共に避難してきた動物だけではなく、飼い主が不明な動物も受け入れ世話することも必要です。なんとも頼もしい新宿区ですね。
都会のど真ん中、それも大震災が起きたら、ペットの犬や猫とどうしたら安全を保てるか不安な住民はたくさんいます。
今回の震災でも宮城県、岩手県のペットと暮らして避難した方々は、初動は一緒に逃げれても、避難所では遠慮して愛犬を手放さざるを得なかった事実もありました。
新宿区の場合、もうそんな心配は必要ありません。
他の地方自治体でも殺処分数を0にしようと、おそらく少しづつ成果を上げている地域があるのでしょう。どんどん皆さんの地域の動物愛護運動の成果をお知らせ下さい!
そして、日本の動物愛護法が殺処分0と決定するまで、日本のあらゆる地域で少しづつ捨てない飼い主を増やして行きましょう。(2012/9/11)(LIVING WITH DOGS)
●東京新宿区では平成17年から被災動物対策のパンフレットを用意しています。
「いざというときに災害からペットを守るために」平成20年4月改訂増刷 .pdf書類 386k A4サイズ カラー4頁