ドッグラン設営の課題と問題点について
ドッグラン設営の課題と問題点について
みなさん、こんにちわ!
1996年にLIVING WITH DOGSのホームページを立ち上げた時から、早くも3年が経過しました。その間、ドッグランについての様々な情報や、考察がされました。そのご報告と今後のドッグラン設営について課題と問題点をまとめておきたいと思います。今後、各地域での独自のドッグラン計画立案の際に是非ご参考にしていただきたいと思います。
[1] ドッグラン設営に配慮すべき基本的な事柄と姿勢
・しつけレベルの同じでない犬達の集まる場所である事
1.利用者のおおよそは、呼びの効かない犬達や、しつけ途上の犬の飼い主さんがまずは利用したいと考えているでしょう。
2.また、飼い主さんが犬の運動を楽をしてさせたいと思われて要望するケースがこれまでの経過から伺われます。
・飼い主の基本的なマナーが求められる
1.ふんの後始末の問題
2.施設内で利用する危険な遊具の問題: 例えばゴルフボールなどは、犬が飲み込んでしまう恐れがあります。
3.当然ではありますが、ヒート中の雌犬の利用は問題外です。
4.一番肝心な事ですが、他の飼い主さんと上手に付き合える飼い主であり、犬同士も仲良くできなければなりません。
・衛生面の配慮
不特定多数の犬達が集まる場所ですから、病気には最善の注意が必要です。
1.狂犬病予防接種は当然ですが、ワクチンを摂取している犬に限る事
2.検便を年に1回は必ず受ける犬に限る事
・地域の方に理解していただくためには催し物をドッグラン内で実施する事や、メンバーがボランティア活動を行うことが、地域の犬飼いではない一般市民から理解を得るために必要
1.地域の子供たちと犬のふれあいイベントの開催
2.犬の飼い主による近隣の公園のゴミ拾い実施
3.犬飼初心者のためのしつけ教室の開催
4.ドッグスポーツの草大会の開催
5.ワーキングドッグのデモンストレーション等
これらの最低限のマナーや、地域への貢献を考えしっかりルール化する必要があります。
[2] 日本での地域的なドッグラン要望
さてドッグランの要望は、地域によって様々です。そこで、企画立案する際に下記について考慮して欲しいと考えます。作ったことで、犬の行動範囲がかえって狭くなってしまうような事がないよう、じっくりとお考え下さい。
・ドッグランは都会だけのものではない。
LIVING WITH DOGSでは都会での必要性を問うて来ましたが、実際には郊外の飼い主さんの中に要望する方が多いというご指摘を頂いております。たくさんある緑地ですが、除草剤散布による危険性、放置ウンチの問題、しつけの問題、放し飼い?が依然としてあるという実態等、郊外の現状は、都会の必要性とはまた違った意味でドッグランを要望しているようです。飼い主が安心して愛犬を遊ばせられる場が欲しいと言うのは郊外の飼い主さんも同様なのですね。
・都会でドッグランをもし作ったら?
東京都内の公園は、犬の入園禁止という立て札がどんどん増えています。もしも都内で自治体のドッグランが運営された場合(現在はありませんが)、一般の公園への犬の立ち入りはもっと規制されるのでは?という危惧が生まれます。
現状では都会でのドッグランは時期尚早ではと感じる今日この頃なのです。早朝や夜間の公園は、子供たちの利用もなく、犬の利用が可能です。子供たちと犬とが共有できる公園を維持していくには、マナー意識の高い飼い主さん達によって、利用意識を高め維持していく必要があるのではと思います。
[3] どのようなドッグランが望ましいか
・不特定多数の犬達が集まるドッグランである必要があるか?
現在の日本では、このような不特定多数の犬が自由に何の規則もないドッグランを利用する事は大変難しいと思います。そこで、現状では、
1.会員制ドッグラン
地域の有志が数人集まり、また個人が土地を提供し、会員が会費を納め運営していくドッグラン。上の条件をすべて可能にします。
2.有料ドッグラン
ビジネスとして運営されている有料のドッグランを利用する。
以上の2つの方法が飼い主の意識を高めつつ、事故のないドッグランとなるのではないでしょうか。将来、大方の飼い主の意識が高まって各地域に一つずつのドッグランがあるような社会になっていく事を期待しつつです。
[4] 運営上注意する点
ここではもし、会員制ドッグランが作られた場合を想定して考察してみました。
・責任者の選定
責任者は会員の総意を持ち、安全なドッグラン運営の為、公平に判断できる人を任じます。ドッグラン入出の鍵の保管者でもある。
・委員会を作る
月1回の委員会を開催、問題点は即刻改善するよう図る。
・誓約書の発行(毎年誓約書を更新)
誓約書は、危険と思われる事項があったら追記し、常に現状に則した内容とする。
・新規会員の厳選な審査
・違反会員の脱会宣告の行使
(1999/11/09)(LIVING WITH DOGS)