寝たきりの老犬を捨てたのは誰?
寝たきりの老犬を捨てたのは誰?
老いた愛犬の介護を頑張っている飼い主さんは増えてきました。フィラリア予防薬のおかげで長生きする犬が増えてきたからです。しかし介護できずに捨てる飼い主もいる。あの英国でさえも老いて捨てられる犬がいると聞きます。
日本では「人の介護も大変なのに、たかが犬、生活が大変なのに犬ごときの介護なんて出来ない」と捨てるのでしょうかね。長年共に暮らし、喜びも悲しみも分かち合ってきた愛犬です。読者の方から以下のようなご投稿がありました。
「マスコミなんてこんなもの」と言って嘆いての投稿ですが、飼い主は、衆目の面前で堂々と老いた犬を放置しました。この飼い主の心情は一体何? この場に置き去りにすることは誰かの善意を期待して? もうただあきれるばかりです。話題性だけを追求するマスコミの姿勢にはがっかりさせられることが多いのですが、それにしてもマスコミはこのような記事を扱わずして、動物愛護の報道、公正な報道の姿勢を示せるのか? と疑問に思うわけです。(LIVING WITH DOGS)
先週の話。友人のAさんがあせりながらやってきた。Aさんの娘さんは、私の大学の後輩で獣医の卵である。手にしているのはデジカメで撮った犬の姿だが、それが異様な光景だった。片目はつぶれ、毛はもしゃもしゃ、お尻には床ずれで傷ができている。つまり半分寝たきりの状態。
実はこの犬、娘さんが保護した、という。彼女はGWに有名なY神社へ「お花見」に行ったのだ。急にクルマが止まり、夫婦らしい二人組がクルマから動けない状態の犬を引きずり出し、そのまま「捨てていった」という。
当日は良い天気で花見客もたくさんおり、「皆あっけにとられてしまった」。真昼間の出来事で見てる人も大勢いた、というのに。場内騒然となり警察まで呼ばれたが、犬を捨てていった飼主夫婦は行方を素早くくらましている。
見かねた娘さん「自分が引き取るから」と警察に申し出て、自宅までパトカーで犬ごと送ってもらった、という。(親に内緒にして自分ひとりで何とかしようと思ったらしい、とAさん)で、治療の相談&指導をすることとなった。
Aさんひとりでは…と思った私はよせば良いのに某有名新聞社の支局に連絡し、「こう言う事件があった、再発防止のためにも取材して新聞に掲載できないか」と打診した。
支局の答えが凄かった。曰く「で、これは何をどう訴えたらいいのか?(飼主側を)どう扱えばいいのか?」
「???!!! 飼犬を捨てる行為は犯罪ではないのか?? そういう飼主を擁護しろ、とでも??」と私が言っても余り乗り気ではない。
「こう言う事件は多いですしねえ」と支局。(ほう、白昼堂々、観光地へ犬を捨てに来た、なんてのは初耳だなあ)…で、一度保護した方に電話があった、というが娘さんが不在だったのでそのまま今に至る。
あんまり言いたくないが去年、「時価ン十万のイタグレ」が迷い犬で保護された時はずいぶんマスコミで取上げて騒いだんでないの?
「お安い犬(保護されたのはシベリアンハスキーの老犬)」だとずいぶん扱いが違いますねえ。どこかのタレントが保護活動してると一所懸命報道するくせに。
そ〜か、一般人は今更取上げても新鮮味が無いんだと思ってしまう私。
この犬、体が痛いらしく夜泣きするから、鎮痛剤の使用も考慮中。どこまで体が回復することか。保護した家族は「うちで最後まで看取ります」と言っている…。
(2004/05/10)(東京都 X.Yさん)