フォスターファミリー体験記 – BENI(5)

Beniが我が家へやってきて丸5ヶ月が過ぎた6月初め、RescueMeというペット探しのウェブサイトにBeniを載せてみました。Beniの犬種がその妹のChloeのDNAテストでAmerican Staffordshire TerrierとRat Terrierのミックスと分かったので、BeniをPitbullの犬種別リスティングに出してみました。というのは、貸家の場合飼い犬の犬種が限定されることがあり、Pitbullが入っていると聞いただけでアダプションを取りやめる人もいるため前もってPitbullでもよい、あるいはPitbullを探しているという人達向けにBeniを紹介したかったのです。

問い合わせが何件かありましたが、Beniの問題点を正直に話すとほとんどの人が引いてしまいました。
その中で、Peteという独身で庭付きの家をもっている青年がBeniに是非会ってみたいと、7月6日お姉さんのAmyと一緒に我が家を訪れました。ところがこれは大間違いでした。Beniは彼らを怖がって隠れる代わりに、彼らを追い返そうと攻撃的に吠えまくってしまいました。うちにいるときのリラックスしたBeniを見てもらえればとの思いが裏目に出でしまったのです。こんな仔を欲しがる人がいるわけがありません。私のほうから謝って、また別の犬を紹介することであきらめてもらいました。彼にはその後メキシコからきたMartiという、マーキングがBeniと同じBrindleの仔をアダプトしてもらい、とても可愛がってもらっています。

2回目はこの経験を生かし、BethanyとJohnという若夫婦によく晴れた7月24日の午後我が家ではなくドッグパークで会ってもらいました。わざわざ1時間もかけてSalemから来てくれたのですが、これも失敗。というか、またしても私からお断りしてしまいました。小学校の先生というBethanyさんは夏休み中時間がたっぷりあるからBeniに慣れてもらえると思っていたようですが、この夫婦には今子供がいなくても将来子供が生まれる可能性が充分にあります。Beniは子供のいる家庭には無理。また別のパピーを探してあげることで納得してもらいました。

さて、3回目ともなると「やはりどのような場所でBeniが過ごすことになるのか見極めたい」と思うようになり、今度はTim という37歳で一人住まいの男性とメールでの情報交換を重ね、8月19日(金)彼のアパートを主人と一緒にたずねました。Timは自宅勤務で静かな生活を送っており、子供のころから動物と通じ合える感性をもっているから、是非Beniに会ってみたいと言って楽しみに待っていてくれました。彼の狭いStudioタイプの半地下のアパートの中でBeniはとてもいい仔にしていてくれました。大きな身体ですが、不思議とBeniはTimを受け入れてくれてようで、彼の手からトリートも食べました。Beniが知らない人からトリートを取ったのは初めてです!外の空き地を散歩し、Beniができるいろんなコマンドを見せるとTimはびっくりしてくれました。これは上出来!と思い、帰途につきました。Timには一晩考えてから返事をくださいと頼んで。。。ところが翌日断りの返事をもらったのです。

その理由として、
1)Beniは女性を好むように見受けた(主人にはあまり懐いていないので、仕方ないと思った)
2)Beniにはピットブルが入っているのでアパートの管理人に嘘をつきたくない、と。
でも、私も主人もさほどがっかりしませんでした。というのは、彼の狭いアパートで彼と二人きりでこれからBeniが暮らすのかと思ったらなんだか気の毒になっていたのです。

Beniのお見合いは3回とも失敗しましたが、私はまだ望みを捨てたわけではありませんでした。それでも、いつかはこんなBeniを理解し、時間をかけてこの不安だらけの彼女を自信のある成犬へと育てていってくれる人が現れることを願っていました。そして8月29日、主人の誕生日の翌日、メールが私のもとに届きました。私は直感で、「この人ならBeniを託せるかもしれない」と感じました。

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