フォスターファミリー体験記 – BENI(6)

「はじめまして、私はCatieと言います。26歳で薬剤師をしています。夫はJustinといい、現在フルタイムの学生です。私達の犬のモリーというドーベルマンは昨年6月にひき逃げされて4歳で命を落としました。モリーは私のセラピードッグでした。一緒に飛行機に乗り、買い物に行き、一緒に寝ていました。今年4月にオレゴンに引越し、やっと新しい犬を迎えようという気持ちになりました。今はアパートに住んでいるので、新しい仔はもちろん家の中で暮らし、散歩には必ずリードをつけます。うちにはグルーという2歳半の猫とルーシーという1歳の猫がいます。2匹とも犬と仲良くできます。WebsiteでBeniを見つけ、是非会ってみたいと思いました。連絡をいただけますか」

この丁寧なメールにまず好感をもちました。ほとんど問い合わせのメールは「Beniはまだもらわれてませんか?(Is Beni still available?) まだだったら彼女のこと詳しく教えてください」というもので、Catieのように自己紹介から始まるのは珍しいのです。先方がこちらの犬のことを知りたいのと同様、いえ、それ以上に、私たちは先方についてできるだけ情報が欲しいのです。

私はCatieにすぐに返事を書きました。Catieは自分から26歳と言っています。一番大事なこと、それは子供がいないこと、これからも生まれないことを確認しなければなりません。でもそれはかなり個人的質問なので、とりあえず「Beniは特別な扱いが必要で、小さい子供のいるうちにはアダプトするわけにはいきません」と書きました。すると彼女の答えは私を驚かせました。「私達には子供はいません。そしてこれからも(不妊のため)子供をもつことはありません。」と。

そして以前飼っていた犬のモリーについて次のように話してくれました。「モリーは放浪犬でした。そして不安障害と奇行だらけの犬でした。彼女に自信をもたせるためにたくさんのパピークラスやトレーニングクラスに通い時間をかけて訓練しました。Beniも同じかどうか分かりませんが、私達は犬のトレーニングと行動修正には経験があります。Beniの必要とする飼い主に私たちがマッチしていて、考慮に入れていただければと願っています。」

私はこの人なら時間をかけてBeniが人間の世界でハッピーに生きていけるように導いてくれるのではと感じました。数ヶ月前Beniを初めて私のフォスター仲間のうちに預けたとき彼女が私に言った言葉を思い出しました。「あなたが帰ってしまったあと、Beniはあなたが出て行った庭のゲートのところにうずくまって、ガタガタ震えていたの。人間の世界でこんな風に生きていって、果たしてこの仔幸せなのかと思ってしまったわ。」と。あのときから比べれば、Beniはだいぶよくなってきています。ハッピーに振舞うことも多くなりました。私が帰宅するとうちの3匹と一緒に玄関に出迎えて尻尾を振って喜び、散歩の支度をするとヒャオーというような歓声をあげて興奮します。でもまだまだ普通の犬のように普通の出来事や普通の人間を自然に受け入れることができません。

翌8月30日は火曜日でした。BeniをOFOSAに預ける日です。私はいつものように朝彼女を落っことしてから出社。帰りは少し早退し、CatieとJustin夫妻と4時半にOFOSAで待ち合わせました。Beniは私を見ていつものように大喜び。庭に出して、Catieたちと立ち話する間もつかず離れずでかなり落ち着いていられました。二人にはBeniが近づいてくるまで待ってと言ってあります。Beniがだんだん近づいてきて、彼らの匂いを嗅いだところで、Beniと目を合わせずにトリートを差し出してもらいました。Beniは恐る恐るですが、彼らの手からトリートを取ることができました。これは、彼女が繋がれていないことと、勝手知ったるOFOSAの庭だったことも大きな助けだったかも知れません。この日はこの程度にして、二人にはよく考えて連絡をくれるようにお願いしました。私がその週の(金)から(日)まで旅行で留守にするので、もしお試しお泊りをさせたいのなら来週ということで了解してもらいました。

ところがその晩Catieからのメールで、もしできれば(金)にBeniを自宅に連れてきて自分達の猫2匹と会って欲しいと言われました。そしてもし大丈夫そうで自分達を信用してもらえるのなら、そのまま私が(日)に戻るまで彼女の世話をさせて欲しいという申し出を受けたのです。

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