交通事故にあった犬を助けた人達
交通事故にあった犬を助けた人達(続報)
人の温かな善意を受け助けられた犬に、飼い主さんが現れました。幸せなワンです。世の中には捨てられてそのまま交通事故死の犬もいるのに、なんと強運なんでしょう。老犬とありますがまだ8才です。これからは一人で遊びに行ってはいけませんよ。動物愛護と言う言葉が身近に感じられた出来事ではないでしょうか。来年はもっともっと動物に優しい年となれば良いですね。(LIVING WITH DOGS)
善意後押し 飼い主発見 救助の老犬は食堂の「看板犬」 事故報じるラジオ聴き
福岡市中央区の交差点で十五日夜、車にはねられ、うずくまっているところを通行人に救われた老犬は、同区西公園にある食堂「荒津亭」の看板犬・タローだった。「寒かったろう、家に帰ろう」。十七日深夜、入院先の動物医療センター春日(福岡県春日市)で再会した食堂経営の永野富江さん(64)は、タローの頭を優しくなでながら、多くの人の善意に感謝した。タローを囲む病院の一室に、ぬくもりがともった。
タローはオスの雑種犬、八歳。昨年十月、亡くなった常連客の家族から、永野さんが譲り受けた。独り暮らしの永野さんにとっては家族のような存在だ。「潤んだ目が愛らしく、めったにほえなかった」(永野さん)。
放し飼いにすることもあったが、人なつっこく、愛きょうのあるタローはみんなに好かれた。
特に、福岡県志摩町のタクシー運転手、北島清さん(54)は毎日、鳥肉の煮付けを持参して食べさせるほどのかわいがりようだった。
いつも食堂前で客を迎えるタローの姿が消えたのは、十五日午後八時ごろ。タローはその約一時間後、福岡市中央区荒戸の明治通り交差点で車にはねられ、左後ろ足の脱臼などで動けなくなっていた。駆け付けた警察官が渋滞した車の交通整理をする中、通行人が安全な場所に移動させ、治療費を出し合い、福岡中央署のワゴン車で春日市の動物病院に運んだ。
そのころ、永野さんは付近を捜し回ったが見当たらず、福岡市の動物管理センターに問い合わせたが手掛かりはなし。北島さんら常連客にも協力を呼び掛けた。
十六日夕、気にかけながらタクシーを運転する北島さんの耳に、車にはねられた老犬が、市民の協力で助けられたことを紹介するラジオの声が飛び込んだ。白く年老いた犬、青い首輪…。すぐに永野さんに電話した。
「絶対にタローだ」
永野さんは十七日深夜、病院を訪れた。「タロー」。呼び掛けに立ち上がり、歩み寄る。「キャンキャン」。左後ろ足の脱臼は治っていないが、鳴き声には力があった。抱き寄せた永野さんは言葉を詰まらせた。「本当に、みなさんのおかげで…」
事故当日、救出現場に立ち会い、治療費をカンパした人たちも駆けつけた。同市中央区の会社員秋吉美香さん(47)と娘の聖子さん(23)は「よかった。飼い主の元に戻るのが一番の幸せです」。治療・入院費は、カンパで集まった六万二千円では足りなかったが、不足分は佐藤良治院長(54)ら病院側が負担した。
四十人の友人に、引き取り手を募るメールを送った同市南区の競艇選手、鳥飼周平さん(21)も「会いたくなったら、食堂へ行きます」。タローはけがが治ったら再び、食堂前で常連客を迎える。(2003/12/18)(西日本新聞より)
交通事故にあった犬を助けた人達
師走というと何かせわしく、人も車も走っています。そんなときに素敵な話題がありました。犬を愛する人達のあたたかさが伝わってきます。交通事故にあってしまったワンが元気に回復することを祈りましょう。そして飼い主さんに探してもらえることを祈りましょう! (LIVING WITH DOGS)
ワンちゃん救出大作戦 はねられ放置 市民ら見かね 6万円集め病院搬送 中央区の明治通り
十五日夜、福岡市中央区の路上で、車にはねられたオスの雑種犬がうずくまっていた。居合わせた市民や駆け付けた警察官ら十数人が、治療費を出し合い、福岡県春日市の動物病院へ搬送した。景気の低迷など、寒い師走の夜に温かい人の心がつながった。
犬は午後九時ごろ、同市中央区荒戸の明治通り交差点で車にはねられ、そのままうずくまり、かすかに「クーン」と鳴いていた。犬を避けるため一帯は渋滞したが、車を降りて助ける人はいなかった。
「あのままじゃ、かわいそう」。九時半ごろ、通りかかった女性が、現場近くの荒戸交番に駆け込んだ。警察官四人が交通整理をする中、通行人が数人がかりで犬を抱き、歩道上に運び出した。犬は口から血を流し、寒さ、恐怖のためか、ぶるぶる震えていた。年齢は十歳くらいの老犬で、青い首輪を付けていた。
「これで暖めてあげて」。異変に気付いた乗用車の女性が車を止め、トランクにあった毛布を差し出した。
その間、ほかの通行人が携帯電話で治療してくれる病院を探し、五カ所目でようやく「動物医療センター春日」(春日市)に診断してもらえることになった。治療費が五万円ほどかかるといわれた。
「みんなで、出せるだけ出そう」。その場にいた人たちからそんな声が上がり、千円、二千円…。十数人で六万二千円が集まった。交通整理に当たった警察官の一人、三村徹巡査部長(58)も、ポケットから二千円を出した。「私も、十四年間飼っていた犬を亡くした。助けたいという気持ちは分かる」
犬は福岡中央署のワゴン車で病院に運ばれた。付き添った同市南区の鳥飼周平さん(21)は「見ず知らずの人たちがどこの犬かも分からないのに、こうして力を合わせてくれて…。世の中捨てたもんじゃない」
診断は、左後ろ足の股(こ)関節脱臼とすり傷。二日間病院で安静にさせるという。引き取り先は見つかっていない。診察した佐藤良治院長(54)は「飼い犬が逃げ出したのか、捨てられたのか、はっきり分からない。いるのであれば、飼い主は早く名乗り出てほしい」と話している。(2003/12/17)(西日本新聞より)