編集後記

出会い

4年前のことです。 我が家にくるゴールデンの小犬は女の子で、名前はトレー シーと半年も前から決めていました。空気のトレーシー相手にシミュレーション したりして出会えるのを楽しみにする毎日でした。
トレーシーが、我が家に来たのは生後48日。たった1頭だけの面接でこの子に決めましたが、私の膝の上でペトッとして、もう手放せなくて「この子をお願いします」と言ってしまったのです。
トレーシーはゴールデンにしては、珍しく食が細く、食べさせるのに ほんとに苦労の連続で、トレーシーの育てかたで今まで一度もしたことがない夫婦喧嘩をしたり、三ヶ月間は夫婦共々ヘトヘトでした。

目が変な感じだね
五ヶ月に入った頃の夕方の散歩の時です。ショーウィンドウの光がトレーシーの目にあたり、光の具合がおかしいと感じたのです。夫婦ともにトレーシーの異変に気づいていながら、 言い出すのが恐くてそのまま一週間が過ぎました。
「やっぱり、おかしいよね」と夫婦で世の中が真っ暗になったような気分で話し合ったのです。 それからは、人間の眼科と同じように検査してもらい、結局、先天性の白内障と診断されました。手術は犬なので無理とのこと、この子と暮らし初めてまだ4ケ月足らず でしたが、その間手塩にかけて育てた子を、とても邪険にはできません。この子 は我が家に選ばれてきたのだから、これからずっと私達と楽しく暮らしていこう と決心しました。 その後、トレーシーは 卵巣肥大で不妊手術と、トレーシーの 子孫を残すことは先天性白内障を持つことで既に諦めていましたが、決定的とな りました。でもそれから、訓練士の先生の所でお勉強をして、CD?を取ることができました。

すばらしいファミリードッグ

トレーシーが我が家に召され、我が家でこそ犬生をまっとうできる のではないか、心ないブリーダーや、簡単に手放してしまうようなオーナーの手に渡らなくて良かったと思っています。トレーシーは我が家の、すばらしいファミリードッグです。もっともっといい子になって、「トレーシーはおりこうさんね」って言われるように私たちも頑張らなくっちゃ!
「だってトレーシーは私たちの宝ものなんだもの!」

そして今…

4年の月日が流れました。トレーシーは今なお元気です。私たちはトレーシーと過ごすことによって、多くのことに気づき、また、多くの新しいお 友達ができました。お友達のおかげで、いろいろと役立つことやすばらしい経験 を得ることができました。 仔犬の可愛さは、それこそ掛け値なしの可愛さです。この愛くるしい程可愛い仔に先天的な 障害があったとは想像もしていませんでした。3ケ月を過ぎるまでこのような症状は判らないのです。このような仔が今ゴールデンだけではなく増えていることをご存知ですか? もしも、縁があって先天性の障害を持った犬を飼うことになったオーナーはブリーディングをしないようにするべきでしょう。これは、飼い主の責任です。そして健康な犬を広げていきましょう。 (1996年9月)

サブコンテンツ

カテゴリー

このページの先頭へ