おしゃれな服を着た幸せな犬達
おしゃれな服を着た幸せな犬達
先日、博報堂生活総合研究所が行った「犬に服を着せる人が増えている」という調査記事を様々なメディアで取り上げています。 |
どうぶつナビ:犬に服を着せる人が増えています。
◆犬に服を着せる人が増えています。
◇「わが子」おしゃれに 毛が飛ばず、寒さや汚れ防ぐ効果も
東京都江戸川区の下町にある季節料理店「まち田」。看板娘の「あんず」(パグ、11歳)は年に1度の夏祭りに浴衣を着る。「嫌な顔一つしないし、お客さんには好評。でも、あんずはどう思っているのかな」と飼い主のM.Mさん。
●42%が着用
博報堂生活総合研究所が2月に首都圏と阪神圏の犬を連れた1093人(1226匹)に実施した調査によると、42%の犬が服を着ていた。タートルネックのセーターにジーパン、フリルのスカート、2匹おそろいの服……。中には飼い主はジャージー姿なのに、犬は妙におしゃれだったという例も。飼い主からは「犬が注目されることで、見知らぬ人との会話が生まれる」という意見もあった。
動物観学を専門とする帝京科学大学アニマルサイエンス学科長の石田教授は「初めは違和感を持ったが、人と犬の関係が変わり、子どものように扱われるようになっている背景を考えれば自然な流れ。今後さらに増えるのでは」と分析する。
●2000〜1万円程度
日本橋三越本店(東京都中央区)のペットショップでは、店舗面積の4分の1を犬用の洋服が占めている。現在は夏物の約80種があり、価格は2000円から1万円程度。速乾性に優れたクール素材が人気で、オーガニックコットンを使った商品もある。店員のSさん(27)は「室内飼いが主流になったこともあり、毛が飛ばない、体が汚れないという理由で、洋服の需要が上がったようです。5年ほど前から爆発的に種類が増えました」と話す。
寒さに弱い犬種や、老化で体温調節ができない犬を飼う人にとって、洋服は助かる存在でもある。短毛のイタリアングレーハウンド「ステラ」(メス、7歳)を飼っているNMさんは獣医師の勧めで洋服を着せている。寒い日は震えてばかりのステラだったが、洋服のおかげで散歩に出かけられるようになった。「どうせ着せるなら、質がよくてかわいいものを。厳選して楽しんでいます」
服を着るようになり、犬に変化はあるのだろうか。獣医学博士で動物行動学にも詳しい日本獣医生命科学大学講師の水越美奈さんは「診療の際に体を触られても嫌がらない犬が増えた」と話す。飼い主が脱ぎ着させることで、全身を触られることに自然と慣れ、包帯や手術後の保護服への抵抗も減ったという。
●押し付け禁物
一方、デザインを追求するあまり袖口が狭いなど、着せにくい服もあり、犬が関節を痛めてしまうケースもあるという。素材によっては静電気が発生したり、熱がこもって熱射病の原因になることも。見た目だけではなく、素材や着心地も重要だ。水越さんは「一度嫌な思いをすると、洋服を着ること自体がストレスになる。犬の発するサインを見逃さず、押し付けにならないように配慮を」と呼び掛けている。(2009/6/3)(毎日新聞記事より)