聴導犬は全国でまだたったの20頭
聴導犬は全国でまだたったの20頭
盲導犬、介助犬、聴導犬といわゆる障害者の社会への参加を奨めるために補佐する補助犬は、身体障害者補助犬法が出来てどうにか認知されては来ましたが、盲導犬でさえもまだ少なく、ましてや聴導犬はというと日本全国でたったの20頭だそうです。そんな中で、殺処分を免れて聴導犬になった犬がいます。
介助犬や聴導犬はシェルターから候補生を捜しますが、シェルターにいる不要犬として捨てられた犬達の全てが候補生になれるわけではありません。幸運の神様に見初められて生き延びた命なのです。その幸運な犬は長崎県にいます。
九州は殺処分の多い地域ですが、小さな犬にも貴重な命があることをたくさんの人に知って欲しいですね。
聴導犬「武」ちゃんのことを。九州の人たちに、もっともっと知ってもらいましょう。(2009/6/7)(LIVING WITH DOGS)
救われて理髪店の「耳」に
長崎県大村市の理髪店「ヘアーサロン輝」を経営するMさん(50)宅で、聴導犬「武(たけ)」が活躍している。Mさんは聴覚障害者で、武は今年4月からMさんの「耳」代わりを務める。厚生労働省によると、聴導犬は全国で20頭(6月1日現在)いるが、武は九州初の聴導犬だ。
武は2歳の雄で一般民家に飼われていた。事情があり、飼い主は処分を考えていた。そんな時、大村市のNPO「聴導犬育成協会」が聴導犬に育成する犬を募集しているのを知り、「殺処分されるのはつらい。ぜひ採用を」と応募。07年9月に協会が「見込みあり」として武を引き取った。
NPO理事長で訓練士のHさん(34)が1年半、徹底指導した。武は通常の3倍の訓練をして、目覚まし時計や火災報知機などの音を聞き分けるようになったという。萩原さんは「武は不器用ですが、一度動作を覚えたら、絶対忘れない子なんです」と目を細める。武は兵庫県での4月の認定試験に見事合格し、先日、聴導犬認定証の授与式に臨んだ。
武は理髪店の予約受け付けファクスの受信音に素早く反応し、Mさんを導く。目覚まし時計の音が鳴ると、Mさんを起こすのは武の役目だ。Mさんは「武に助けられる日々です」。武はうれしそうにMさんを見つめ返した。(2009/6/7)(毎日新聞記事より)