犬と赤ちゃんのいる暮らし – 老犬ホーム?
私の実家には今、15歳を迎える老犬(シェルティー: 室内犬)がおります。
現在世話をしてくれているのは兄夫婦です。兄夫婦には生後半年の赤ん坊がおり、老犬の世話が行き届かなくなってきております。私が引き取って世話をできればよいのですが地方の社宅住まいであり、転勤が多いため不可能です。
今まで家族同様に暮らしてきた犬なので余生を幸せに送らせたいのですが、このままでは兄夫婦への負担ばかりが大きくなり、犬自身も一緒に生活しづらくなる可能性があります。ついては犬の老人ホームのようなところがあればお教え頂きたく存じます。(決して安易に老人ホームへ入居させるつもりはありません。最終手段として検討の一項目として考えたいのです。)
老犬ホームの情報提供をよろしくお願いいたします。
また、同様な境遇の方で解決策をお持ちの方のご意見も合わせて頂戴できれば幸いです。
質問させて下さい。お兄さまご夫妻はシェルティーの面倒を見れないとおっしゃっているのですか?
犬の老犬ホームと言うのは、北海道にある盲導犬協会だけです。それもこの盲導犬協会を卒業した盲導犬がリタイアした犬だけが利用できます。
日本では老犬の介護を専門に行う施設はありません。
また、年老いた犬が、今まで過ごした家でなく、施設に入れられたりしたら、どうでしょうか?
犬は落ち込んでそれこそ食事もしなくなるでしょう。
家庭犬は人との絆で生きているのです。たとえあったとしても老犬ホームが犬の最終住居であって欲しくないです。飼い主の元で息をひきとること、これが終生飼養なのです。
老犬と暮らす飼い主さん、病気と闘っている犬と暮らす飼い主さんは、自分の腕の中で最後を看取ろうとされています。
もしもお兄さまご夫妻が負担に思い、貴方が引き取れない場合以下のようなこともあります。そうなって欲しくはありません。あと生きてもおそらく、1〜2年でしょう。その間、苦に思いながらの介護では飼い主も犬もけして幸せとは言えません。
ちまたには犬が年老いたので保健所で殺すという馬鹿な人間もおります。それだけはおやめ下さい。保健所での死は苦痛を伴う残虐な死です。
あとほんの数ヶ月、長くても2年でしょう。その介護が出来ないという事であれば、ここで切ない文章をお送りしましょう。
●「犬と分かちあう人生」(アーク代表エリザベス・オリバー氏著)から
「ある獣医さんが、…もし犬が階段をのぼれなくなったら安楽死させてあげようと、決めていて…実際にそうなった時、彼は犬を一階に移しました。そして、もしこの犬が失禁してしまうような時が来たら、安楽死させようと決め…。 さらに食べ物に興味がなくなったり、食べられなくなったら…。 でもその犬は死ぬまでちゃんと食べていました。 セミへの私の思いもこれと同じでした。もしセミが苦しむようになったら、躊躇しないで決定しよう、と。しかしセミはおだやかに、老兵のごとく消え去りました。」(P127)
(オリバーさんは、場合によっては動物の安楽死を肯定しています。ここで、セミとはある駅前でオリバーさんに拾われた紀州と秋田とのMix犬のことです)
●鷲巣月美氏著より抜粋
安楽死の実際 – 飼い主はどうすべきか? (「ペットの死その時あなたは」)
人の場合延命治療を拒否する尊厳死は認められていますが、薬物により患者を死亡させることは認められていません。しかし動物医療では時として安楽死に最後の救いを求めなければならないことがあります。
…
最終的な判断は飼い主です。出来れば社宅から一般住宅に引っ越ししてでも、この子を引き取り最後を看取っていただきたいです。
この相談者からはお返事を待っていましたがありませんでした。この年老いたシェルティーとご家族の皆様のお幸せをただただ祈るばかりです。(2001/04/01)(LIVING WITH DOGS)
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