レンタルドッグの犬たち
レンタルドッグの犬たち
LIVING WITH DOGS を立ち上げてしばらく経ったある日、読者からレンタルドッグを営業しているお店を教えて下さいとメールがありました。レンタルドッグが始まったのは、その頃でしょう。(97年〜98年) TVのニュースや雑誌に、都内のペットショップでのレンタルドッグの紹介があった頃でした。
その時、LIVING WITH DOGSとしてさしあげたお返事は、「ペットショップの売れ残りのワンが、貸し出されているようですが、ほんとは出来れば飼い主さんが決まってくれればと思います。私自身は悲しく見ていました。いつも同じ犬を借りている方が取材されていましたね。出来れば引き取りたいと、一時的に楽しむのであれば、****に行って見るのも手では?犬にとって、いろいろな人にその日遊んでもらったり、馴れない人におもちゃにされることが良いのか疑問です。そういう子をまたビジネスにしてしまうことも。里親募集でもして良い飼い主さんが見つかればと願ってやみません。」と、その読者の方にお返事をお送りしました。
そして、現在はと言うと、あちこちでレンタルドッグは大流行、また車で移動するレンタルドッグにまで広がっています。
意識の高い読者の方から、何度にも渡って移動レンタルドッグの現状のご報告をいただいておりました。しかし、何か釈然としなかったのです。
それは、何故レンタルしたい人がいるのか?でした。
犬が好きだけど犬を飼えるようなところに住んでいないから。犬は好きだけど面倒な世話はしたくないから。飼ったら責任があるから。犬の医療費も高いし。と、声が聞こえて来るんですね。「飼ったら責任があるから」、じゃあ、だから一時を自分の要求を満たすために犬を扱っても良いとは思えないんです。
一体何故犬と暮らせないと思っているんだろう。と言うのが本音でした。犬と暮らすことは大変なことでしょうか?
かつては、ご近所の犬と暮らしている方とお友達になって、お散歩させていただいたりとしたものでした。私は子供の頃、犬はいつも何頭もいましたが、猫も大好きでしたので実家には猫さんはいないので、ご近所のお宅に上がり込んで、猫さんと遊ばせてもらっていました。
現代の日本人はご近所づきあいが希薄になっているのではと思えて仕方がないのです。レンタルドッグなんて動物虐待だけのものです。
レンタルして犬と触れ合いたいと考える方にお願いです。一時の慰みのために犬を使わないで欲しいということです。これって、まるで娼婦を金で買うようだと思いませんか?
もうやめましょうよ、安易にレンタルドッグなんて借りるのは。そう言う人はAIBOのスイッチを入れれば良いではないですか。
(LIVING WITH DOGS)
Yさんからのメール : 私の職場の市営公園そばの民間駐車場でレンタルドッグ&販売をしてる移動車があります。また、先日は鎌倉・湘南方面に行ったのですが、稲村ガ崎の海岸沿いの駐車場で、やはりレンタルドック車が停車してました。
なんとかしないと、すごい勢いで増えて行きそうな気がするのです。
にわか飼い主が地域に増えるのは、モラルのある地域住民にとっては迷惑な話ですし、もちろん取り扱われる犬達も可哀想です。
移動レンタルドッグですが、昨年の春から気がつきました。
**の●△公園のそばの民間駐車場にワゴン車を日中停車させ、公園で散歩できるようにレンタルしてるようです。
昨年までは車に携帯の番号が書かれていて常時連絡ができるようになっており、一頭ずつケージにいれて箱積みにして移動していました。
今年は、その駐車場に大きな宣伝横断幕までされていて、販売の文字も書かれています。
ヤフーで検索(●△公園・レンタルドッグ)すると、2件ぐらい個人の方の日記として記されています。
利用者のコメントの中に、「借りたダックスが疲れたのか歩くのを嫌がり」と書かれていています。
想像するに、にわか飼い主を嫌がったのならまだいいのですが、ダックスなのでヘルニアを起こしているのかもしれないし、散歩のさせすぎで疲れているのも可哀想です。
犬種の特性(散歩の強弱)など、おかまいなしで貸してる可能性が高いのではないでしょうか?
取り扱い業の届けをしてるのかも疑わしいですよね。
昨年、真夏の夕方、ワゴン車が日光を遮蔽もせず目いっぱい犬達をのせて目の前を走り去りました。
どうやってアプローチすればいいのか、時々考えてます。まずは、写真に収めたいのですが・・・。
鎌倉の由比ガ浜の駐車場でも同様の移動レンタルドッグ車が駐車されてました。
なんだか、嫌な予感がします。
だって車一台でどこでも移動できるのでしょうし、それなりの場所で借りる側も安易に借りることができますものね。
移動レンタルドッグですが、HPを見つけました。今回出向いた時には駐車場には車は、なかったのですが、堂々と看板や垂れ幕がかかりHPを紹介してました。
駐車場の状況の写真も撮りましたので、次回添付します。嘘か本当かもわかりませんが、まことしやかに資格などを記載しています・・・が。
うがった見方をしているからなのでしょうが、レンタルに紹介されている犬達の様相はあまり幸せそうでもないし、健康そうでもない気がしました。
いつの写真だかわからないけど、ハァハァしてますし・・・。暑いのかな?
ためしに借りる側の都合には、あってるのかもしれませんが・・・。
借りられる犬達にしてみれば、犬慣れしてない人間に時間単位やお泊りで構われるなんて苦痛なんじゃないでしょうか?
しかも1時間の散歩どころか、1日に何度も散歩する必要はない犬種もいるようだし、抱っこの仕方に注意してヘルニアを心配しなきゃならないダックスが多いようですよね?
LIVING WITH DOGSさんのおっしゃるとおり、私も含めてですが現代は隣人との付き合いが下手になってきてます。
レンタルを考える人たちも、ご近所や親戚、友人の動物を借りたり、ご一緒させてもらったりすることができれば、今ほどのペットブームですからチャンスはつくれるはずですよね。
でも、お金だして借りたほうが便利なんですよね。確かに便利なんだけど本当は「生命」を簡単にレンタルできること事態に問題があると気がついてくれるといいのだけど。
レンタルスキー、レンタルサイクル、レンタルペット・・・。
自転車やスキーじゃあるまいし、施設の隅で「命」をレンタルするなんて・・・。
取り扱い業に規制がないままでは、レンタルペット業は増えて行くのではないでしょうか?
それこそ、旅行の時だけ同伴させることも可能ですよね。
アニマルセラピー(老人施設や保育園など)と称することもできるでしょう。
私が湘南で見かけたのも、ワンボックスカーでの移動レンタルドッグでした。
レンタルドッグは、くやしいけど今の時代には、とても馴染みやすい事業だと思えます。
レンタルする人々のマナーなどあてに出来るものではないし、公園にまぎれてしまえば区別もつかないでしょうし、犬飼いへのバッシングも強まる一方でしょう?
いったい、どこを絞り込んで啓蒙活動を始めればいいのでしょうね?
私としては、飼い主達のモラルが大事なのはわかっていますが、まず動物取り扱い業をなんとかして欲しいと思ってしまいます。彼らの存在が、モラルのない飼い主を増やしていると思うからです。
先日、私は真夏の日中の移動レンタルの実態を目の当たりにして発奮し、行政に連絡をしました。
**保健所は連絡を下さるとのことでしたが、結果的にはいただけていないのが残念です。
けれど、ずっと更新されてなかった問題の「●△ふぁみりー」のHPに変化がありました。
トップページに夏季のレンタルについての変更と、営業内容、また方針についての説明がされています。
毎年、夏季営業は自粛していたと書かれていますが・・・それは、疑わしいです。
理由としては、昨年も何度か日中の営業を見てましたし、私の仕事帰りに帰路に向かうレンタル車と何度も遭遇しているからです。
実際、先日も30度を越える中、営業なんかしてるから私が通報したわけですから。
とにもかくにも、今のタイミングでの営業時間の変更となれば行政からの指導があったのだと推測できますよね。
結果的には、根本的な問題解決にはつながらずブラインドされてしまったのかもしれませんが、WAN達が炎天下で働かされることが減ったのかなと思えば、少し安堵できます。
昨年の私は何もできなかったけど、私の中に少しの変化があったとしたら、それは日ごろからLIVING WITH DOGS さんとお話させていただいたり、先日のセミナーの参加がきっかけになったと思います。とりあえず、経過報告させていただきます。
(2004/09/04)(京都府、Yさん)