子牛を襲う犬
子牛を襲う犬
石垣島では、台風の前になると繋がれていた飼い犬が放たれ、台風が過ぎ去った後、犬たちは集団で子牛を襲うそうです。9月に24頭の子牛が噛み殺されています。その損害額は960万円にもなるそうです。
石垣島での昔からの犬の飼い方、といえるのかもしれませんが。かつては、台風時に我が身を守ることだけで精一杯だったことから、犬も自分で自分を守れと、放されたのでしょうか。
40年〜50年前の東京でも夜になると犬を放し、勝手に散歩させるような飼い主さんがたくさんいました。しかし、交通事故に合う犬が増えて、自然にそのような飼い主さんはいなくなりました。
でも日本の地域によっては、いまだに夜放すような飼い方をしている土地もあるかもしれません。
たとえば、他の島では、台風時番犬として飼われている犬たちを、どのようにしているのでしょうか?
石垣島だけに、このような飼い方があるのかとっても不思議です。
かつての家屋は確かに強い風雨で危険だったかもしれませんが、しかし現在は、台風に強固な建物も増えています。
しかし基本的なことは、「犬は外、そして繋いで飼っている。」外飼いの犬がそのように放たれるのでしょう。
台風の度に襲われる家畜、そして襲った犬は殺処分と二重の悲劇を呼びます。
まだまだ、石垣島の犬に対しての見方は、「犬は汚い、咬む、吠える」なんでしょうか?
このような被害を出さないためには、放さない飼い方にしなければなりません。
普段からの犬の飼い方を改めないと、いざ台風だから、家の中に犬を避難させようとはならないでしょう。
石垣島の飼い主さんたちが、普段から犬も一緒に家の中で暮らしてみれば、台風の度に放すこともなくなるでしょう。
また、自治体の登録方法にマイクロチップを導入していくことで、犬の保護者に、放して子牛を襲った責任を問うことができます。子牛を襲ったら弁償しなければならないとなったら放さなくなるでしょう。
(2005/9/28)(LIVING WITH DOGS)
飼い犬が子牛かみ殺す/石垣
石垣市内で9月に入って、放し飼いされた犬(徘徊犬)に子牛が襲われる被害が相次いでいる。10日から22日までに9件、24頭の子牛が犬にかみ殺された。県八重山福祉保健所によると、被害額は約960万円。被害にあった畜産農家は「大事に育てた子牛を殺された損害は大きい。一体誰に責任をとってもらえばよいのか」と憤慨。獣医師らは「飼い主のマナーが問題」と指摘している。
徘徊犬による被害が集中したのは、八月末に八重山地域を襲った台風13号以降。同保健所の宮城国太郎獣医師によると、石垣市内では以前から台風時に飼い主が飼い犬を放す慣習がある。「農場や工事現場の番犬として屋外で犬を飼う人の中に、台風時は『つないでいるとかわいそう』として放す人がいる」と説明する。
同市宮良で牧場を営むNさんは13日朝、牧場を訪れたところ子牛1頭に小型犬3頭が襲い掛かっているのを発見した。子牛1頭が死に、2頭が重傷を負った。3頭の犬は捕獲された。
被害額は50万円近くになるが、農家共済で支払われる被害補てんは5、6万円程度という。「あと5分、発見が遅かったら残る2頭も殺されていた。ぞっとする。襲われた牛は成育が悪くなり、商品価値が下がる。大損だ」と、頭を抱えた。
石垣市内ではこれまでも野犬による家畜被害が発生しているが、今回捕獲された犬の多くが首輪をしており、飼い犬と家畜被害の関係があらためて裏付けられた形だ。
放し飼いにされた犬は3、4頭で集団をつくり子牛を襲うが、犬の多くは体高40センチ以内の小・中型犬と小さいことも分かった。宮城獣医師は「人懐っこい小犬が集団で体格が倍以上もある子牛を襲う。捕獲された犬に引き取り手はなく、ほとんどが殺処分される。問題なのは犬ではなく飼い方のマナーだ」と徘徊犬も被害者であることを強調した。(2005/9/28)(沖縄タイムス記事より)