あるお散歩での出来事
あるお散歩での出来事 いつもと違う時間帯にお散歩にいくとこれだから嫌になる。近所で評判の「犬繋いでおけおじさん」に遭遇してしまったのだ。本日の怒髪天突状態はお散歩中に起きた。 このおじさん、ゴールデンをつれて夫婦でお散歩をしておられた。河原の土手でこのゴールデンはウンコをして、おじさんはスコップで芝を掘り返しウンコを埋めておられた。 放置ウンコは問題だが、養生中の芝にウンコを埋めるのも行政のやり玉のもとだと思うが、そんなことで怒っていたら胃がもたんからワシは無視して通り過ぎようとした。 その時、このおじさんのゴールデンがエースにご挨拶しようと鼻を近づけてきた。別になんということのない光景なんだけど、ゴールデンのリードを持っていた奥様がいきなりゴールデンのオケツにリードでしばきを入れたのだ。 えっ? たんなる挨拶なのに? おじさんがワシに「犬はつないでおけ」って怒ってる。ちょっと状況がワシ掴めなかった。 「にいちゃん、犬は繋いでおけ。犬同士ケンカしたらどないするねん」 「えっ? ケンカなんかしないけど…」 「犬のことやから、何があるかわからん。犬は繋いでおけ! そういう決まりやろ」 何の決まりか知らんが、この決まりという言葉でワシはまた胃をキリキリと痛めることになる。 ワシが犬は挨拶しようとしただけなのでケンカしようとしたわけじゃないし、ワシの犬はたんに歩いていただけでおじさんには何も迷惑かけてないことを説明してたら、このゴールデン、さらにエースと遊びたがり首輪がすっこ抜けて、川の中でヌートリアに興味を持っているエースのところに一目散にかけていっていまった。 奥様は、阿鼻叫喚の叫び声でゴールデンを呼ぶが、このゴールデンどうも呼びが効かないみたい。嫌がるエースに遊ぼう遊ぼうとしている。 しかたないのでエースを呼ぶと、ゴールデンもエースにつられて戻ってきた。 「おっさん、犬を繋いでおけっていうより、自分の犬をちゃんと飼ったらどうや。あんたとこの犬は挨拶の仕方も知らんやんか。年中リードで縛ってるからや」 「ウチの犬は学校いれたんや」 「おっさん、犬のしつけは自分でするもんや。あんた犬のことで他人に頭下げたことないやろ。頭下げるんが嫌やからルールに固執してるだけやないか。学校いれても訓練士の言うことしか効かんのはあんたが犬のことを何も考えてないからや。この犬は賢い。でも、おっさん、あんたが馬鹿やから呼びが効かんねや。おっさん、あんたが犬を学校にいれる気持ちは、なんでも他人の問題にしてまう気持ちがあるからや、なんでも他人のせいにする。ワシの犬がノーリードで何をしたか言うてみぃ」 「それでも、犬は何をするか解らんやろ、昔散歩していてワシの犬が噛まれたことあるんや」 「おっさんとこのゴールデンは、挨拶のしかたもまだできん子供みたいや。体が大人やのに挨拶できんから他の犬に嫌がられたんやと解らんか?自分の犬が信用できんことが問題や。あんたが学校いったらどうや」 このやりとりを遠めで見ていた近所の犬飼いの人が後で教えてくれた話によると、このおっさんすぐに「犬をノーリードで散歩させてる奴がいる」と行政に電話をいれるそうだ。 善良なる罪だ。このおっさんは果たして犬を飼っていて楽しいのだろうか?他人に頭を下げることはこのおっさんには許しがたい罪なんだろう。 |