オランダから見た日本の動物愛護 (1)「夢で見た光景」がまさか現実とは

オランダから見た日本の動物愛護

「日本の動物愛護」を憂えて下さるオランダ在住のご夫妻からコンタクトがありました。

ご夫妻が何故、日本の動物愛護を憂え、そして今の活動の起源となったか、きっかけからご紹介しましょう。(2012/9/2)(LIVING WITH DOGS)

(1) 「夢で見た光景」がまさか現実とは

とても暑い日本の夏でした。暑さで喉は渇き、お腹も空かせていて、やせ細っている子ばかりでした。目の前には白い大きな扉のある広い部屋がありました。
部屋の中はクーラーが効いていて、とても涼しくたくさんの冷たい水とおいしそうなご飯がたくさん置かれていました。顔の見えない男が、彼らを呼びます。
「おいで、おいしいよ、涼しいよ」と、彼らはその男の言葉を疑う事なく喜んで中へ入っていきました。

部屋の中は彼らでいっぱいになりました。突然、重たい鉄のドアは閉まりました。
彼らはお互いのことを話していました。「飼い主にいらないと言われたんだ」
「なぜかわからないけど、捨てられたんだ」

お腹を空かせていた彼らは、勢いよくご飯を食べていました。そして満足していたのもつかの間。

クーラーの電源は切られ、あっというまに部屋の中は灼熱地獄にかわりました。みな、空になった器から水がでてこないかと必死に鼻を器に押し付けたりしていました。

次の瞬間、天井からガスが噴出してきました。犬猫達はもがき苦しみはじめました。

犬猫たちは苦しそうに言っていました。

「パパ、これだけはして欲しくなったのに〜」「あんなに優しくしてくれてたのに〜どうして?」「こんなふうにされるなら生まれたくなかった」

次の瞬間、私の夢の中の犬猫たちは人間へと変わりました。苦しみのたうちまわり、横たわる人間たちでした。

「父さん、母さん、どうしてこんなひどい事をするの」「これだけはやめてって言ったのに」「生まれたくなかった・・・許さない、絶対に父さんも母さんも許さない」

そして、次の瞬間、その人間たちと共にアウシュビッツの光景にかわりました。

私はとてつもない苦しさと恐怖で目が覚めました。今まで味わったことのない、苦しさです。

息をするのもやっとでした、声を出すことさえできませんでした。死ぬ苦しさが容易に想像できるほどでした。息ができない苦しさ。私の全身から酸素がなくなっていく苦しさ。頭に血がのぼるというのでしょうか。横に寝ているオランダ人の主人を起こそうと必死で何度かタッチし、ぐっすり眠っていた主人も私の異常さに気づき起きてくれました。

それは、まるであの子たちの苦しさを味わったような気がしたほど苦しかったのです。
脳が破裂するのではないかと思うほどの苦しみを感じました。全ては夢の中見たことでした。

現実の世界へ戻り、強烈な苦しさから開放されて、すぐに私は主人と共にグーグルに「動物 ガス」を入れました。
するとそこにヒットしたのはYOUTUBEにアップされていた動画。
私が夢の中で見たその光景がそこにありました。

犬達がガス室でもがき苦しみ、窒息死で殺されていくところを。思いだすと、とても恐ろしいのです。今までガス殺処分という事は聞いたことがありました。でも、実際に見た事はありませんでした。「どんな風に、どのようにして?」

この夢を見てから、かわいそうだなと涙を流し悶々とする日々がはじまりました。やがて日常の生活を繰り返し、また悶々とする。その繰り返しでした。

何か私にできないのかなとは考えていましたが、オランダに在住の私に、日本で残酷に扱われているかわいそうなペットや動物達へ何ができるのか。

あの苦しみを夢で味わってしまったので、何もせずにはいられなくなりました。

そしてまずはWEBサイトを利用して、オランダの殺処分ゼロの方法を日本に広めたいと思うようになりました。

オランダも動物先進国ドイツ、オーストリア、スイスと同じように、昔からガス殺処分を行うという考えを持たない素晴らしい国なのです。見習っていけば、必ず日本にだってできるはず。学ぶことがたくさんあるはず。

その為には一人でも多くの日本人にこの殺処分の事実と、殺処分ゼロの国の事実を知ってもらう事。この衝撃的な夢が私のきっかけです。

そして、2012年1月1日、オランダで日本の動物たちの権利向上を目指すNPO法人を立ち上げました。(2012/9/2)(Animal Rights For Japan (AR4J)

サブコンテンツ

カテゴリー

このページの先頭へ