勝手に資格? ペット動物販売員

勝手に資格? ペット動物販売員

日本の不思議の一つに、資格さえあればプロ、みたいな意識があります。これまでもろくでもない資格が結構まかり通っていました。まともな資格はもちろん多いですが、堅い資格では、会計士、宅地建物、このような資格はもちろんプロです。また、今風では、フードコーディネーター、カラーコーディネーター、ちょっとおしゃれな資格ですね。特別な資格として気象予報士、等々。本来はその専門性を特化してプロとして世の中で仕事に役立てているのでしょう。
しかし、こんなのおかしい? という資格を勝手に作ってしまった業界があります。

6月17日環境省が動物愛護法の改定の一環として規制の強化を図ると発表しました。
ペットショップへの規制の強化の一つとして動物取扱主任者の設置を義務づけることでしたが、それに対応して全国ペット小売業協会は、ペット動物販売員の独自資格を作ると発表しました(以下)。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/shumi/news/20040625ddm013100053000c.html

ペット動物販売員の独自資格が目指すのは、

・ペット動物の生態や習性をよく知ったうえで飼育する
・購入者に動物を飼う心構えや飼育方法を説明して理解させる
・ペット動物を飼育する施設を設計し、維持管理する

プロのペット動物販売員として、ペット取り扱いの適切な知識を身につけるほか、業界としての社会的責任を負っていこうという意味も込めています。とのことでした。

一見して企業努力をしているように見えるんですけど、何か変だと思いませんか?

環境省の言う「動物取扱主任者」と、全国ペット小売業協会の「ペット家庭動物販売士」は同じもの?
「動物取扱主任者」は誰でもなれてしまうようでは意味がないですよね。ましてや販売の為の「ペット家庭動物販売士」は、「動物取扱主任者」とは別物としないとおかしいですよね。この「ペット家庭動物販売士」どう見ても勝手な資格としか思えません。

まるで、セールスマン資格、サラリーマン資格、誰でもその仕事についたら資格がついてくるみたいなものでしかないですよね。

「動物取扱主任者」は、ペットショップの店員の一人が資格を取得すれば良いとされています。店員が主任者であって、経営者に対してこれはまずいと意見したところで、経営者は社員の進言に同意するかは不明ですよ。もしくは経営者が資格を取った場合、主任者がいるんだからという免罪符になってしまいかねません。

「資格を取るには、2日間の講習会と実技研修を終えたうえで、筆記と実技の試験を受ける。」とあります。

2500件の店舗を有している全国ペット小売業協会の開催する、講習会、試験、資格証の発行、これは最低でも2500人が講習に参加することになります。
今、ペットショップで働いている人は、必ず研修費用を自前かショップが負担することになるわけですよね。
もしも研修の費用が一人100,000円としたら×2500人で、2億5千万円です。

これって協会がグループ内で儲けるようなものではないですか。さすがペットビジネスですね、どこからでも儲かるしくみを考える。

環境省は一般からのニーズで動物取扱主任者を設置するとしたのだろうと思いますが、全国ペット小売業協会が勝手に資格を作ることを、快く了解していたのでしょうかね。ちなみに環境省で開催された「動物愛護管理のあり方検討会」には、全国ペット小売業協会会長は検討委員のメンバーです。これって癒着って言うんでしょうか?

そんな勝手な業界が作った曖昧な資格なんていらないと思います。
それよりも行政が主体となって、逮捕権もあるインスペクターを、市民の協力で設置していくことが求められる資格だと思いませんか?

(LIVING WITH DOGS)

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