遺伝性疾患削減の推進には(家庭犬記事その1)


遺伝性疾患削減の推進には(家庭犬記事その1)

 

JKCと言えば、日本最大の畜犬登録団体です。その会報誌「家庭犬」の中に素晴らしい記事がありました。「犬の遺伝性疾患について」です。これまでの「家庭犬」はどちらかと言うとドッグショーがどこで開催された、今後の予定はというような内容しかないものと思っていましたが、血統書発行の団体が、「遺伝性疾患」を記事として取り上げることの大きな意味を感じさせていただきました。
記事は、もちろん日本動物遺伝病ネットワークの陰山獣医師が書かれたものです。
記事の中で、純血種の遺伝性疾患をいかに減らしていくか、外観だけで症状がないからと言ってむやみに交配することは避けなければならない。犬の遺伝性疾患を確実に減らしていくには、主な遺伝性疾患の有無を検査・登録し、疾患の発症のない犬同士、あるいは疾患の発症していない家系(ライン)を選び交配させていくことがもっとも重要です。と陰山獣医師は語っています。

LIVING WITH DOGSが2004年6月に開催したセミナーの折りに、JAHDが行った盲導犬の発症率低下という成果をご発表いただきました。このようなワーキングドッグは団体で管理されているのでDNA検査と同時に遺伝性疾患の検査がおそらく可能だったのでしょう。しかし一般の家庭犬では、検査の普及は思うように進みません。

そこで、一般の家庭犬への検査普及率を高めるには、JKCのような畜犬登録団体が進んで遺伝性疾患を減らす為のシステムを作る必要があると思います。今回の記事はそのような前向きな姿勢を感じさせていただいたのです。

さて、JKCは2003年9月より繁殖する種雄はDNA登録が必須となっています。台雌もチャンピオン犬の場合DNA登録を必要とし、血統書にDNA登録が記載されます。

但し、まだ遺伝性疾患の検査は義務づけられていません。今後、種雄、台雌ともに遺伝性疾患の検査を実施し、その結果もDNAデーターと共に血統書に記載されていくことが望まれます。そして、JKCの登録犬ならば、確実にDNA検査、遺伝性の検査が実施されているというような状況になれば、遺伝性疾患で苦しむ犬たちは格段に減少していくでしょう。JKCが前向きな記事だけに終わらず、実際の遺伝病削減に大きな一歩を踏み出すことを期待しましょう。

(2005/3/4)(LIVING WITH DOGS)

■そこで読者の皆様にお願いです

このような大きな前進を促すには愛犬家、会員の一人一人の声がJKCに届くことが後押しをします。是非、JKCに「遺伝性疾患について」の積極的な取り組みを期待していることを直接、電話やFAXで告げて下さい。

以下のように感想や質問をJKCに是非送って下さい。

●  今回の記事は参考になった。
●  遺伝性疾患削減の取組をJKCも行って欲しい。
●  欧米では診断結果が血統書に記載されているらしいが、日本も記載して欲しい。
●  次回の「遺伝性疾患について考える、その2」を楽しみにしています。
●  どこにお願いしたら検査してもらえるのか。

社団法人ジャパンケネルクラブ 広報課 TEL 03-3251-1060、FAX 03-3251-1846

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