三味線と犬

三味線と犬

日本の伝統楽器として三味線があります。
その作り方は猫の皮を使用していることは、公然のことではありますが、小型犬がそのような業者からレスキューされました。伝統楽器を守ることも大事だとは思いますが、どうも猫や犬たちが犠牲となるのは許せないですね。
合成樹皮の開発もされてはいるようですが、このような伝統楽器の工房は零細なところが多く開発は進まないようです。
以下は、三味線の皮にされそうになったシーズーをレスキューしたマルコ・ブルーノさんとLIVING WITH DOGSで交わした会話です。 (LIVING WITH DOGS)


マルコさん: 9月に3匹のシーズー犬を三味線業者のために犬や猫を違法に集めている人から助け出しました。3匹とも、ひどい状態でした。そして1匹は顎の骨まで折れたままでした。どうせ殺すので、扱い方は乱暴だと思います。

LIVING-WITH-DOGS: 実験動物が少なくなっているので、手当たり次第実験動物用に犬が集められていると言う話は聞いたことがありましたが。三味線用に犬ですか?

マルコさん: シーズーを助け出した**区の下請け業者の言うことはいつも同じです。
「俺のところにおいていかれた、困った!」

LIVING-WITH-DOGS: こういう場合、どこに通報したら良いのでしょう。誰を罰するのか?
今の日本の動物愛護法でどこまでカバーが出来るのでしょうか?

マルコさん: 結局、誰が連れてきたかを証明できなければ、警察も保健所も動いてくれないのが、日本の現状です。
今回のシーズー犬の場合、私は東京の動物管理センター、埼玉、千葉も電話をし、飼い主を探しましたが、駄目でした。飼い主さえ見つかれば、窃盗罪で訴えることができますが。肝心な飼い主が出てこなければ、どうにもなりません。

LIVING-WITH-DOGS: このような不要な犬たちを扱う業者がいるという真実があるわけですね。

マルコさん: もう一つの可能性は、もぐりの繁殖屋からもらったことです。つまり生めなくなった犬には用がなくなるから、自分で殺すのか、このようなあやしい業者に出すのか、二つに一つです。

LIVING-WITH-DOGS: ここにもありましたか、ビジネスの果ての犬捨てが。

そして一ヶ月後、

マルコさん: 良い知らせがあります。エディーとマーフィのシーズー犬が里親が決まりました。お二人とも私がお世話になっている**動物病院の看護婦さんです。
里親になっていただきました看護婦さんたちが友だち同士であり、車で2〜3分のところに住んでいますので、お互いのマンションでご飯食べたり遊んだりしています。
ですから、エディーとマーフィはたびたび一緒に遊んだりできる環境にあるので、涙が出るほど嬉しいです。
もう少しで「三味線」になるところのワンちゃんたちがこうして仲良く生活を楽しんでいると考えると、日本に対して複雑な気持ちになってしまいます。


そこで「三味線と犬」という疑問がおきましたのでちょっと調べてみました。

1. 三味線と言えば猫の皮が一般的ですが、三味線の皮の種類は、猫皮、犬皮、合成皮の三種類です。野良猫は使えません。傷が多く、皮を引っ張ると切れる可能性が高いし、見栄えも悪いです。そのために、飼い猫を盗むか、三味線関係業者たちの手で猫を飼育するしかありません。

2. 猫のおなかの皮を使うのが最上等です。猫は一匹で一丁分しかとれません。非常に高価ですが、その音は本物です。飼育されている子猫が1.8又は2kgになった状態でちょうど良いと言われています。

3. 犬は小型犬の背中の皮を使います。犬の背中の皮を使うため、一匹で数丁分とれます。猫の皮に比べ、音は硬く、少しでも皮が延びて弛むとボコボコした音になります。最近の舞台の音響設備の場合、犬皮の方が音が通り、良い場合があります。そして最近ブームになっている津軽三味線は、大きな音を出す為、もともと犬皮を利用しているそうです。

4. 安い三味線、つまり練習用の三味線は犬皮です。当然、中型犬や大型犬の皮を使えないので、子犬又は小型犬が使われています。

(LIVING WITH DOGS) 

 (東京都、マルコ・ブルーノさん)(2001/11/23)

Ext_link 動物愛護支援の会
マルコさんの「動物愛護支援の会」で三味線になりそこねたシーズーが、もう2頭里親さんを待っています。
三味線と犬後日報告 : マルコさんが三味線加工業者からレスキューした4頭のシーズーは3頭が里親さんが決まり、残る一頭は高齢の為、マルコさんの元にとどまることとなりました。3頭のシーズーは素晴らしい飼い主さんに巡り会い、幸せに暮らしています。ありがとうございました。(2002/02/04) 

マルコさんの本 

犬に尊敬される飼い主(ボス)になる方法 (ハート出版)

「ペットはぼくの家族」 日本のペットは幸せなのかな? (ポプラ社)

「女王犬アレックの夢」 マルコさんとハスキー親子の物語 (ハート出版)

「マルコの東方犬聞録」 日本の犬だけには生まれ変わりたくない (ハート出版)

「幸せな捨て犬 ウォリ」日本とぜんぜん違うオーストリアのお話(ハート出版)

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