犬連れキャンプを楽しもう(2)

[2] 様々なキャンプ
 

さて、どんなキャンプ場にいつ、何をしに行きましょう? キャンプの楽しみ方はいろいろあります。テントを張って寝袋で寝る。夏だったら、外で寝ても良いですよね。たき火をして、アウトドア料理をする。近くの湖や川でつりをする。マウンテンバイクを乗り回す。ラフティングに行く。ワンコとハイキングする。海に泳ぎに行く。などなど、目的地とそれぞれの趣味によって様々な遊びができますね。
私たちの場合は、キャンプ目的地選びのポイントは、短い旅(1泊〜2泊)の場合は、比較的近場(で片道2時〜3時間ぐらい)で、空いていそうで、ひたすらのんびりできそうなところです。 

もう少し長い旅では、数箇所のキャンプ地を点々と移動しつつ、ハイキングやつりなどが楽しめるところ基準にして選びます。いつ行くかですが、バンクーバー近郊では4月/5月ごろから平地のキャンプ場なら少し寒いですが空いているのでセーターを荷物に詰め込んで出かけます。もちろんワンコのセーターも忘れずに。大多数の人は7月〜8月にキャンプへ出かけるので、この季節はどこへ行ってもかなり混みます。従ってこの時期は場所選びに苦労します。 
私たちが犬連れキャンプで利用するキャンプ地ですが、主に分けて以下のタイプがあります。

1. 州立公園内のキャンプ場

2. 個人やチェーン経営の私営キャンプ場

3. Ministry of Forest (林業省)管轄キャンプ場

タイプ別の特徴と私たちの利用方法を少し細かく説明します。

1は、私たちが住むブリティッシュコロンビア州ではかなりの数があり、設備も良く整っており、どの公園に行っても一定の質が保たれています。私たちはオフシーズン(4/5月、10月)に限って時折利用します。サイト間は充分にスペースがあり、大抵は間に木々があってプライバシーも良く保たれています。水道、水洗トイレ、薪はどこでもあり、場所によっては温水シャワー、小劇場などの設備も整っていたり、子供のための催し物があるところもあります。常時公園管理人によるパトロールが行われているので、カーステレオをがんがんうるさくかけていたりすると注意されます。また、基本的に公園は禁酒なので、大っぴらに飲んだり騒いだりすることはタブーです。守らない人は退去を勧告され、それでも動かないと警察が呼ばれて連れて行かれます。料金も手ごろ($10〜$20/サイト/日、700円〜1400円)で、キャンプ場の周りにはボート遊びのできる湖やハイキングトレールもあったりするので、家族連れには大人気です。バンクーバーから車で1時間ほどで行けるGolden Ears Provincial Parkなどは、なんとサイト数が340もある大きなキャンプ場ですが、夏の連休は超満員です。週末になってから出発したのでは、入れないことも多いのでお母さんと子供だけ火曜日や水曜日ごろから先に出発して場所確保し、お父さんは金曜日仕事が終わってから合流するなんていう人も多いそうです。近年は、事前予約も一部行うようになりましたが、基本的には早いもの勝ちです。犬連れはもちろんOKですが、自分たちのサイト外へふらふら出行かないように係留しておく必要はあります。キャンプ場内の道路はもちろん自由に散歩できますが、ハイキングトレールによっては犬連れでは入っていけないルートもあります。どの州立公園ももっとも良い立地条件にあり、上記2,3,に比べるとダントツ設備が良いのが利点ですが、いかんせんシーズン中は混むのがネックですので、最近あまり利用していません。

2のタイプですが、実は私たちはBC州では一度も利用したことありません。”高い、狭い、汚い”と悪名たかい私立のキャンプ場は、多くは州立公園の近くにあり、州立公園キャンプ場からあふれてしまった人たちが、「えーここまで来たのに、空いてない! しょーがないから隣で我慢しよう」としぶしぶ利用する場所です。只の野原だけで、トイレと水へのアクセスがあるぐらいでこれといった施設はないようなところが多いようです。犬はだめだったりOKだったり色々だと思いますが、”またあそこの私営キャンプ場に行きたいね”という人に出会ったことはありませんから、最初から避けておくべき場所のようです。その他にキャンピングカー、トレーラー利用者向けのトレーラーキャンプ場というのがあります。全米にネットワークを持つ大手フランチャイズKOAなどでは、トレーラーを横付けして上下水道、電気、TVアンテナなどをつなげて利用できるしくみなっています。

アメリカ、カナダでは定年退職した夫婦がキャンピングカーで全米横断旅行するというの長年人気で、年間を通じて多くの人が利用しています。各地で会員割引などもあり、共用スペースでは他のキャンパーたちと色々と情報交換できたりと、ちょっとしたシニアのコミュニティーになっています。犬も連れて旅行している人も多いようです。カリフォルニアに旅行した時、一度この手の場所に泊まりましたが、すべてアスファルトでテントを張るようなうまい場所がなくて、唯一みつけた地面の場所にテントを張ったのですが、実はそこは花壇だった(花は植わってなかった)ようです。やっぱり住生活が完備の大型キャンピングカー向きだなーと思いました。

3は、私たちがもっとも良く利用するものです。写真1は、典型的な林業省管轄キャンプ場の様子です。林業省が管轄するキャンプ場は、もともと木材の切り出し、あるいは植林のために林業就労者たちがかつてキャンプ設営した場所を一般向けに公開しているものです。従って大抵は山の中で、がたがたと未舗装の林道を走った先や、さらにハイキングトレールを数時間のぼったところににあることが多いです。設備はいたってシンプルで、据え付けの木製ピクニックテーブル、たき火用の穴、原始的なトイレぐらいです。車でそのまま乗り付けられるところもありますが、歩いて荷物を運び込まなければならないほうが大多数です。ゴミは自分で持ち帰り、水は近くの川があれば良い方。

以前は無料でしたが、近年有料になり年間$20ぐらいの登録料と利用者の多いところではさらに1回$5ぐらい支払います。やや不便な場所にあることから、例え夏場の連休でもどうにか場所確保できる確率が高いので、私たちはもっぱらこの手のキャンプ場を利用しています。犬連れで来ている人が圧倒多数(多くは大型犬ですね)で、犬を放している人もいますが、キャンプ慣れしている人達&犬達が多いので、迷い込んできても直ぐに呼び戻してくれます。

写真2(左上)と3(左下)は湖の周りの浜辺でキャンプしているときの様子です。州立公園のように常時管理人が駐在しているわけではありませんので、無法地帯となりがちで飲んで騒いでいるグループとか、カーステがんがんなんていうこともあったりするのが短所です。モトクロスバイクやATBなどで山をうわんうわん走らせる人もいたりします。あんまりうるさいと、「うるせーよー」と怒鳴るひととかもいますけど、それでもうるさい人とかもいますからねー。したがって家族連れは少ないようです。これらのキャンプ場がある場所は州立や国立公園ではないところで、crown land(国有地)と呼ばれている場所です。

BC州の場合、いったん市街地や農村地帯を離れると私有地というのはほとんどないので、みんなの土地ということでしょうか。従って、共同利用が基本ですから、牛の放牧、林業、鉱山開発、狩猟など複数の目的で利用されます。各々の活動は場所によっては許可やライセンス制になっているのだと思います。特に林道では、がたがたの道を切り出した木材を満載した巨大なトラックが全速力で走ってきたりとか、牛の大群が道を占拠していたりとか思わぬシーンに出会うこともあります。牛の放牧地では、特にうちのはちこは牛の糞の上をころがり回ることが大好きなので、要注意です。
ワンコ用シャンプーも忘れずに荷物に積み込むことにしています。小川の水で洗うのはとっても冷たいですが。
(2001/01/06)

第3話

( バンクーバー、Kさん)

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