もしも虐待の現場に出会ったら
もしも虐待の現場に出会ったら
LIVING WITH DOGSに、虐待現場に遭遇したんですけど、どうしたら良いでしょう。という問い合わせが結構あります。
「近所にこんな犬がいます。可哀想でみていられません。どうにかならないでしょうか?繋ぎっぱなし、ご飯もろくに与えられていない、お散歩なんて全くしている様子がない。炎天下、雨ざらしです。だれかが助けてくれないかと思います」
LIVING WITH DOGSは、そのようなお便りのお返事には、以下のように書きます。
まずは、その犬は飼い主の所有物であること、食事が与えられていることで、法律的には虐待とはみなされない場合が多いこと。
それをふまえた上でこの犬を助けたいという気持ちが本物かどうか、ご自身が、自ら一時預かりをする覚悟があるかを確認します。本当に、この犬を責任を持って助けたいと思っているのかをです。
「こんな犬がいますが、私は助ける事は出来ないけど、誰か助けてあげて下さい。」このような通報は身勝手なものです。
本当にその動物を助けたいと思われるのなら、メールを送る前に自分の問題として考え、まず自分が率先して動いていただきたいと思います。
「犬を保護してやりたいがどうすればよいか教えて欲しい」とか、「保護するためにこうしようと思うが手を貸してもらえないだろうか」そのようなメールであれば、出来るだけのアドバイスは可能でしょう。
本当に救い出したいのであれば、誰かに委託するのではなく、まずはご自身が行動しなければ救えません。
そして、
1.その犬が居住している環境を写真で記録しましょう。
2.地元の保健所や警察に、ご自身の名前をしっかり名乗って通報しましょう。
3.その犬の飼い主さんとコミュニケーションを図り、お散歩のボランティアを申し出てみて下さい。
4.犬の住環境を飼い主さんの了解を得てきれいにしてあげましょう。
5.徐々にこの犬の飼い方は虐待であることを飼い主さんに知らしめて行きましょう。
6.飼い主さんが放棄を決定してくれるように仕向けて下さい。
このような手順で、納得してくれるような飼い主さんだったら、問題なくレスキュー出来るでしょう。
しかし大半の飼い主は無関心、変に意固地になります。
飼い主さんが、納得しなかった場合は、明らかに虐待を受けていて弱り切っている犬を、その場を見て見ぬ振りをすることが出来るでしょうか。その場の判断で、この犬を助け出せるかが決まります。
すべてを写真で記録しながら、一刻も早く病院に入院させる必要があるでしょう。救えるのはあなただけです。
ただ、通報すれば助かるなんて夢の話です。自分がこの犬を助けたいと思うならば、そして、あなたが一歩踏み出せば、きっとたくさんの人が応援してくれるでしょう。勇気を持って手を差し伸べることが必要なのです。
(2005/4/15)(LIVING WITH DOGS)