ワーキングドッグの幸せ

ワーキングドッグの幸せって

人の為に働く犬は、盲導犬を代表とする身体障害者補助犬でしょう。
補助犬以外にも、てんかん予知犬、人の腫瘍を感知する犬、災害救助犬、警察犬、麻薬捜査犬、クマを追い払う犬、牧羊犬、橇犬、猟犬、と人の為に働く犬はたくさんいます。

ナショナルジオグラフィックは私の大好きな番組ですが、今日はそこからワーキングドッグについてお話ししたいと思います。

日本では、おもにペットとして存在しているグレートピレニーズは、ピレネー山脈地域で羊を守る犬として人のパートナーとして働いています。
アメリカでピューマに家畜を襲われるという地域での実話です。
虐待され、捨てられたグレピレを牧場の山羊たちを守る犬として、リトレーニングしている映像でした。
この犬は、虐待を受けていたため、人を信じていません。相棒のグレピレと共に暮らしながら、少しづつ社会化していきました。
初めて牧場でオフリードにしたときは、山羊を追いかけてしまい、相棒のグレピレに阻止されていました。これではまずいとオンリードでのトレーニングが始まったのです。
山羊たちを敵と見ないように、同じ家族であることを、この犬は学ぶために同じ水場で水を飲み、同じ場所で一日過ごし、牧場の隅から隅までを飼い主さん(牧場主)と巡って勉強します。
そして、もうそろそろオフリードにしてみても良いかなと、実施したんですね。この子は、山羊を襲う相手とはしませんでしたが、一緒に遊びたいという行動がみられました。
レスキュー団体の女性は、「この子は山羊を追わなくなったし、これから牧場を守る犬に成長して行くでしょう」一歩進歩しましたが、山羊を守る犬としては、まだまだです。映像はそこで終わってしまいましたが、レスキューされた犬が、生き甲斐を持って仕事を覚えていく段階を、とても素晴らしいことと思いました。
そして、この子が今後幸せな生涯をおくれると安心したのです。

また、アメリカでは、偽造通貨を発見する犬がいるそうです。この犬は、おそらく警察犬でしょう。ハンドラーとの絆は素晴らしく、この犬がリタイアするときは、ハンドラーのペットドッグとなるそうです。

ニュージーランドには、牧羊犬としてボーダーコリーが有名ですが、ニュージーランドで独自に進化したハンタウエイと言う牧羊犬がいます。
牧場で仕事をする犬ですが、ナショナルジオグラフィックでは鹿を放牧する牧場で働くハンタウエイが紹介されていました。
見事なハーディングです。そして飼い主さん(牧場主)は愛犬の素晴らしい働きを、嬉しそうに語っていました。この犬、飼い主さんといつも一緒で、飼い主さんが仕事をする場には必ず側にいます。

かつて、ニュージーランドを訪問した時、何度も羊の群を追う犬たちと牧童の姿を目にしましたが、犬たちが生き甲斐を持って働いている姿は感動的でした。

以前、ドイツの犬たちの様子をNHKの番組で紹介されていたことがあります。戦争で犠牲になったジャーマンシシェパード、そして現在の警察犬の様子でした。
現在のドイツの警察犬は、お仕事はもちろん完璧にこなしていますが、仕事を離れる場は、なんとハンドラーの家に同居しているんですね。

日本の警察犬は、一生、コンクリートのケージの中です。命を全うして供養されてはいますが、どこかむなしさを感じてしまいます。猟犬はというと猟のために社会化なぞ必要なしと考えているハンターが多いのです。家の中で人と一緒に暮らしても、猟犬はいざとなればしっかり仕事をします。そしてむやみに鶏や飼い犬を襲うことはしないでしょう。毎日の暮らしの中で自然に身に付く襲ってはならない仲間を認識するからです。
ワーキングドッグだから、人の為に働く犬であるからこそ、もっと人と一緒に暮らせば、互の理解が深まるのではなんて思うんですね。
(2005/4/14)(LIVING WITH DOGS)

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