日本の犬をとりまく人の意識の差

日本の犬をとりまく人の意識の差

現代の日本において人と犬の関係は様々な意識の差でみられると思います。

1.愛し愛されて共に暮らし、一緒に旅をし、一緒に共通の体験をする、最高の関係を築いた人と犬。

このような素敵な飼い主さんが、随分増えてきましたね、嬉しいことです。

2.犬は人の為にあり、番犬としていてくれれば良い。だけど食事も医療もちゃんとしてあげる。でも人と共存とは思えない。

まだまだ、このレベルの飼い主さんは多いです。犬は外、汚い吠える、咬む。この意識をまだまだ変えられない飼い主さん達。おそらく、日本の飼い主さん達の50%は、このレベルかも知れません。でも動物愛護を考えるために、このレベルの飼い主さんが一歩前に進んで下さったらきっと日本は本当の動物愛護国となると思うんですね。

3.犬はただのペット、ペットだからぬいぐるみとおんなじ。あきたら捨てれば良いし、死んだら次のペットは簡単に手に入るから問題なし。邪魔になったら捨てても誰かが拾ってくれるかも。

安易な飼い主で、このような人が一番ペットショップで犬を求めている人です。都内の深夜も煌々としているペットショップで毎日起こっています。

4.犬はただのペット、ペットだからぬいぐるみとおんなじ、でもオシッコもすればウンチもする、ご飯をあげないと死んじゃうし、捨てるのは可哀想だと思う。

犬を単なるペットとしてしか考えていない、しかしこのレベルの飼い主さんは、最初はそうだったけど、犬って、表情もあるし、喜怒哀楽もあるしと徐々に犬が個性ある動物だときがつきはじめている。この飼い主さん達は最初は知識はないけど、犬は大切な命を持っていると気がついて下さる飼い主さん、動物愛護を考えて下さる予備軍の方々だと思います。

5.犬は古代から人の手となり足となり、助けてくれる動物、だけど基本的に人は人、犬はたかが犬。

猟犬の飼い主さんに多くみられるケース。悲しいかな犬は単なる道具としてしか考えていないハンターもいます。ほんとうに犬を愛するハンターは、犬を大事にします。

6.犬はいつも側にいるけど、生まれたら保健所に持っていけば処分してくれる。真剣に犬に命があるなんて考えもしない。

根本的に犬に愛情を持っていない、命の重要性を考えていない人達。この人たちは平気で保健所に持ち込むか、山に捨てます。犬の飼い方は、自然のまま、勝手に孕んで生まれた子犬は殺処分。 
ワクチンって何?狂犬病?って。このレベルの飼い主はおそらく10%くらいいるんでしょうね。だから捨て犬は減らない。
 
7.犬はただの商売の種。産ませて高く売れればそれで良し。

パピーミルや、量産で売りさばくペットショップの経営者は、単に犬は売り物、物でしかないんですね。犬の命なぞ考えないから、簡単に処分します。ひどいときは生き埋めに、袋に入れて川に流す。
犬を売り物として展示販売を行っている限り当たり前のようにいらない物を処分すると言う認識しかありません。近ごろは保健所にもって行って二酸化炭素中毒で殺すよりも、地域の動物愛護者にちょっと耳打ちすれば、里親募集をしてくれるからなんて安易な放棄もする。

8.うちの子は最高、この子の子供をみてみたいと溺愛する人。

バックヤードブリーダーは、自分の可愛い犬の子供が欲しいと1匹は手元に、あとの子達はペットショップに。自分は繁殖で儲けようとしていないから罪悪感も持たず、自分勝手な繁殖を行っていることに気がつきもしないという人です。この手の人が繁殖した遺伝性疾患だらけの犬たちが今たくさんいるんですね。

日本の、犬の飼い主さん達は、1の飼い主さんがたくさん増えてきました。どんな場、最悪と称されたペットショップから迎入れた犬でも、意識の高い飼い主さんは愛犬を真剣に育てパートナードッグとして家族としている方々が増えています。
それは、ペットショップで犬を迎えると言うことが日本ではまだ主流だからですが。本当はペットショップで犬を迎えることを主流としてはならないのです。

確かに、幸せな老後をおくれるような犬たちはたくさん増え、犬のシルバービジネスが急成長しているような状況です。意識の高い飼い主さん達が増えたからこそであって、ペットショップで迎えた犬でも長生きが出来るようになったからです。

しかし、生体展示販売が成り立っている限り、そのような飼い主さんだけではなく、犬で儲けようとするような犬を商品としてしか見ないような人が販売し、知識不足の人が安易に手に入れ、その後の不幸な結果を招くのです。良い飼い主さんだけがもとめるのではないからです。
日本の動物愛護法は、生体展示販売を容認しながら僅かな規制を設けてペットショップでの販売は許可されています。
それは、生体販売を行っているペットショップを営む企業が身勝手な保身策を練り、さもうちのペットショップの犬たちは問題ないかのような差別化を見せているからなんですね。

生体展示販売、インターネットによる販売がまかり通っている間は、捨てる飼い主さんは減らないでしょう。ほんとうに犬を求めたいと思っている方は、ペットショップやインターネット通販などで購入せず、何年かけてもしっかりしたブリーダーさんを探して求めるか、シェルターで誰かが迎えにきてくれるのを待っている犬を求めましょう。

捨てない飼い主さんを殖やすのは、安易に犬を飼えない環境にしなければなりません。

消費者は、ペットショップで犬を求めることはもう止めなければなりません。買わなければ商売は成り立たないのですから。買わないことを徹底しましょう。

生体ビジネスを日本でなくさない限り日本の動物愛護は進歩しないでしょう。

(2005/10/25)(LIVING WITH DOGS)

サブコンテンツ

カテゴリー

このページの先頭へ