帰国する犬の検疫の準備
帰国する犬の検疫の準備
アメリカ在住の方から、ご相談がありました。日本に帰国する犬は、検疫制度の改訂で、マイクロチップの義務化狂犬病ワクチンを2回接種しなければなりません。また抗体価検査の実施など、平行して行う手続きを、しっかり順番を間違わないようにしなければなりません。一つ間違うと180日の待機となります。
また、欧米ではマイクロチップを装着している犬は多いのですが、世界中にたくさんあるマイクロチップが様々使用されています。日本は、ISO規格のマイクロチップであれば読み取り機があると言ってますが。
基本的なことですが、どこの会社のマイクロチップを装着しているのかが不確かで、不安感を増しているようです。ISO規格のマイクロチップならば全部読みとれる、ユニバーサルリーダーが必要となってくると以前指摘していますが案の定ですね。
相談者の方とのメールを公開いたしますので、海外にお住いの愛犬家の皆様が、帰国する際に少しでも参考となればと思います。
帰国時に必要な基本内容は
●輸入到着40日前の輸入の届け出
●マイクロチップ(ISO規格)による個体識別
●狂犬病不活化ワクチンの2回以上の接種
●血液検査(抗体価の確認)
●抗体確認後の輸出国での180日の待機
世界で犬用のマイクロチップは、以下の記事に掲載しています。
[マイクロチップによる個体識別の普及について]
この記事は、2001年に調査した内容ですが、4社のマイクロチップがあります。現在は、他にもあるかも知れません。
相談者:アメリカ在住です。貴サイトで、マイクロチップの詳しい情報を知ることができました。ありがとうございました。新しくなった犬の検疫制度で、当方のように、アメリカから将来日本に犬を連れて帰る者にとっては、マイクロチップは必須条件になりました。うちの犬は、ブリーダーのもとでマイクロチップを埋め込まれ、これがAVID社のEuroチップであるところまでは確認できました。ところが、ISO規格のマイクロチップは16桁数字だとのこと、ということは、AVID社のEUROチップは、9桁プラスアルファベット一字ですから、この規格ではないということでしょうか?貴サイトで書かれているように、AVIDは、AVID独自のものと、Euroチップの2種を出しています。
日本に連れ帰ったときに、日本の検疫(ISO規格を一応指定)で犬のマイクロチップが読めないと困った事態になりますよね。(海外へ返送だとのことです。)自分で、リーダーを買う必要があるのでしょうか。AVID社のEuroチップが、ISO規格のリーダーで読めるかどうか、日本の検疫でパスするかどうかを、もしも御存知でしたら、お教えいただけますでしょうか?質問に答えていただけましたら、幸いです。
LIVING WITH DOGS:まずは、日本の検疫に直接質問されることをおすすめします。日本の検疫も、昨年の発表から、世界で通用しているチップに対応しなければなりませんから、様々なリーダーを準備しています。
当サイトに記載されている内容犬・猫の検疫制度の改正 には以下のように質問と回答があります。
(質問)
すでに海外でマイクロチップを装着しているが、ISO規格でないマイクロチップである場合、装着済みのマイクロチップとISO規格のマイクロチップ交換を行わなければならないのか?または2つ目の装着の部位を変えることで対応できるか?
(回答)
マイクロチップの装着部位は届出書に記載する必要があるが、マイクロチップの交換までしなくても、輸入者が、そのISO規格以外のマイクロチップのリーダーを用意することで対応は出来るであろう。
この回答を読まれてのご質問と思います。これは昨年10月の説明会での質疑応答からでした。リーダーを持ち込むと言うことは、リーダーを購入してその場で読み取ると言うことになります。
チップは、それ自体はそんなに高額ではありませんが、リーダーとなると高額?になると思います。これはどう考えてもコストが掛かります。それを強要する?この行政の回答には疑問が残るところです。
日本の検疫で、不確かな状況と言うことであれば、新しく、日本で通用するチップをもう一つ埋め込めむほうが簡単だと思います。この方が合理的ですよね。
リーダーを購入するよりは安価ですし、チップが2つ埋め込まれたとしても愛犬にダメージは少ないと思います。
もちろん、これまでに埋め込んであるチップが有効であれば問題ありません。
以下の動物検疫所のサイト内にQ&Aがありました。
Q: 既にマイクロチップを装着していますが規格や番号が分りません。調べる方法はありますか。
A: まずは、マイクロチップを装着した獣医師に照会してください。マイクロチップの規格によっては読取り機が対応していない場合もありますが、読取り機を持っている動物病院で確認してもらう方法もあります。
マイクロチップの装着は、犬(猫)を日本に持ち込む準備に必要ですので、いずれの方法によってもマイクロチップの読取りができない場合は、再度マイクロチップを装着するようお願いします。
というようにこの回答では再度装着も可と言ってます。
相談者:マイクロチップについて丁寧に教えて下さり、どうもありがとうございました。アドバイスをいただいた通り、日本の検疫に問い合わせをいたしましたところ、AVID社の9桁プラスアルファベットは、読み取りをした経験があるので、大丈夫でしょう、という回答をいただきました。
また、AVID社からは、Euro chip からは、ISOコンパティブルだとの回答を受け取りました。(しかし、ISO規格のチップは15桁の数字だとのことですが、Euro chipも、Homeagainも、どちらも10桁の数字とアルファベットからなっています。このあたりが、いまひとつよくわかりませんが。)
日本の検疫の担当女性は、非常に親切で、国際電話にもかかわらず、調べてかけなおして下さいましたが、もっと具体的に、どこのチップが読めるかを、公式に発表してほしいと思いました。
新しい検疫制度も、時間がたてば経験も情報も増え、もっとはっきりしたことが公表されるようになるといいのですが。ほとんどのチップが読める、ユニバーサルスキャナを、検疫側が用意して下さり、それで読めるチップの種類の情報を公開してくれるといいなと思っています。
マイクロチップ埋め込み後、2回の狂犬病ワクチン接種、そしてその後の抗体の血清検査、さらにそこから180日の待機期間という新検疫制度は、日本入国が迫っている場合には、厳しいですね。
早めに行動して抗体検査を受けておかなければ、いざ日本に帰国となった時に、180日間帰れないことになります。
新しいマイクロチップをもうひとつ埋め込むことは、手軽ではありますが、またそこから新たに、狂犬病のワクチンを二回受け、抗体検査を受け(狂犬病の予防接種を、30日間隔で二回打つことは、獣医さんが賛成してくれないと思いますので、安全な期間を待たねばならないでしょうし、抗体検査の結果までは1ヶ月くらいかかるそうです。)180日の待機ということになりますから、海外在住の日本人で犬をつれて日本に帰る予定のある人は、本当にはやめに新検疫制度を知り準備してておく必要があると思いました。
自分の犬のマイクロチップがどこの何か知らない方は非常に多く(私もそうでした)、また、マイクロチップの会社のサイトを見ても、肝心な情報がわかりずらかったりします。(AVIDの場合もHomeagainの場合も、ISO規格コンパチブルとは、どこにもかかれてありませんでした。)
結局、今の時点では、いくつものサイトから情報を寄せ集め、いろんな場所に問い合わせて、なんとか理解する他ないようです。
貴サイトは、本当に参考になりました。また、御回答いただいて、ほんとうにありがたかったです。
私たちのような海外在住で犬を飼っており、2,3年後に日本入国の予定があるというのは、多数ではないと思いますが、これから、そういった私たちの助けとなるような記事も載せていってくだされば、本当に嬉しいです。(2005/7/8)(米国 J.Fさん、LIVING WITH DOGS)