山梨の発作予知犬

山梨の発作予知犬

発作を事前に予知する犬として先日てんかん発作予知犬をご紹介しましたが、日本にも、発作を20分前に予知できる犬が紹介されました。
このユーザーさんは、広く、このような病気を知ってほしい、また犬がすばらしいパートナーであることを知ってほしいと明らかにしたものです。
勇気ある公開だと思います。
障害を持つ方が社会へ積極的に出ていくことを少しでもチャンスを増やそう、勇気を持って社会に交わろう、ユーザーさん(由佳さん)は病気を乗り越えての社会参加、ボランティアに参加しました。同じ病気を持つ方にもたくさんの勇気を与えてくれた公開だと思います。発作予知犬たくさん活躍して欲しいですね。
(2006/1/4)(LIVING WITH DOGS)


ベストパートナー:山梨・犬ものがたり/3 発作予知犬のフューチャー /山梨

◇障害者の未来開く
「今の由佳(ゆか)さんなら大丈夫。フューチャーもいるから」。04年10月25日、電話口から聞こえる主治医の励ましを聞き、精神障害2級を持つ甲斐市の主婦、天野由佳さん(39)は新潟入りを決意した。
2日前、新潟県中越地震が起き、被災地の惨状を映すテレビにくぎ付けになった。水がないため人工透析を受けられず生命の危険にさらされている患者がいると知り、いてもたってもいられなくなった。一方で発作も気になり「行けるわけないか」と葛藤(かっとう)の末にかけた電話だった。
フューチャーは5歳のオス。全国で唯一ともいわれる発作予知犬で、ストレスでパニック状態になる境界性人格障害という病気の発作を20分ほど前に予知する。
由佳さんがフューチャーと出会ったのは00年7月。生まれて間もなく飼い主が飼いきれずに役場に届けたのを、ペットとして引き取った。生後4カ月ごろ、発作が起きる20分前になると由佳さんにじゃれついたり周りをうろうろすることが続き、予知の能力があることが分かった。以来、由佳さんは発作の不安にさいなまれなくなり、薬を服用する回数も減った。
いざ新潟へ。29日、フューチャーと乗用車に乗り込み、夫秀一郎さん(43)の運転で出発した。車内のフューチャーは、両耳が横を向き、どんな音でも逃さないといわんばかり。話しかけても尾も振らず、いつになく緊張した様子だった。
翌30日。新潟入りすると建物はゆがみ、道路は波打ち寸断され、被災地区に入るのも困難。家屋も多くが倒壊し、精神的なダメージを負った住民も多かった。由佳さん夫妻は小千谷市の集落を回り食料や薬を届けたり、健康状態に不安のある被災者がいないか確認するボランティアをした。
フューチャーは由佳さんから離れず、車中で1頭で待つ時は戻った由佳さんに心配でたまらない様子で飛びつき、においをかいだ。普段とは違う緊迫状況で活動する由佳さんを必死に支えた。帰宅途中の車内では、ひどく疲れた様子で後部座席でぐっすり眠った。
現地で由佳さんを見かけた小千谷市の農業、川井雄二さん(51)は「障害があるとはとても思えなかった。自分が同じ状況だったらボランティアに行けたか疑問。本当にありがたかった」と話す。「やり遂げたのはフューチャーのおかげ」と由佳さん。
抗不安薬の影響で筋肉が弛緩(しかん)し、関節や靱帯(じんたい)に負担がかかる。フューチャーも未来永劫(えいごう)生き続けるわけではない。不安はあるが、誤解されやすい精神疾患を正しく理解してもらえるよう実名で広く世間に伝えたいと考えている。
「フューチャーは私に未来をくれた。私もフューチャーとともに、同じように障害に苦しむ人に未来を与えたい」。フューチャーは、開かれた社会への扉を開ける希望にもなりつつある
(2006/1/4)(毎日新聞記事より)

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