犬の求め方
犬の求め方<インターネット通信販売について>
ペットショップで犬を求める人がまだまだ多いのが現状ですが、近年インターネットで犬を求める人が後をたちません。
ペットショップでの店頭販売は陳列での虐待など、もう日本のペットショップで生体を販売しないで欲しいと願っていますが、以下の記事で、獣医師の言葉にもドイツでのペットショップでの店頭販売は虐待であることから自主規制となっていることを明らかにしています。なかなか規制が進まないのが日本の状況ですが。
ではインターネットを通じて購入する場合について考えてみましょう。
ある知人から、インターネットでカニヘンダックスの仔犬をみつけ購入したという報告を受けました。私は、その時に、もうすでに手元に来ている犬なので、不安要素は敢えて言えませんでした。
その後、この飼い主さんは、購入したサイトで、どうも問題が起きていることから、このブリーダーは怪しげだったということを感じたようです。ちょっと目覚めて下さったかもと思い当方はその飼い主さんに仔犬の求め方について語りました。
この子は、偶然にも、しつけもしっかりしていますので、とても良い子に育っています。しかしあくまでもラッキーだったということを話したのです。
「この子の場合はまぐれといっても過言ではないんですよ。実態は、ひ弱な仔犬を迎えてしまったり、病気で即亡くなってしまったり、遺伝性疾患がある場合もある。遺伝的な疾患をクリアしている両親犬から産まれているかの確認もしなかったでしょう?実際にブリーダーの元で飼育状況をしっかり自分の目で見、様々な確認を行わないと、迎えた仔犬にこれからの成長過程で何が出てくるか判らないんですよ」と話しました。
飼い主さんは、インターネットの通信販売でただ犬の写真だけで決めることの怖さをこの時に初めて判ったようです。
インターネット通販の場合、安易に自分の犬の子供を産ませてみたいという理由でなんの検査も受けずに、繁殖を行ったバックヤードブリーダーが非常に多いのが現状です。このような繁殖はブリーダーとは言えません。
インターネットでブリーダーを探すという方法は現在の純血種を求めるということでは有益な手段の一つでしょう。しかしあくまでも最初のキッカケがインターネットであるということで、安易にインターネット通販で犬を求めては危険であるということをもう一度確認して欲しいのです。
インターネットで見つけたブリーダーで、この人ならば本当に大丈夫かは、自分の目で見て、また繁殖に対する理念をしっかり聞いて、このブリーダーならばと思えるまで安易に決めないことです。何度もブリーダーの元に足を運び、飼育状況、両親犬の飼育環境を見、両親犬の性格を知り、この犬たちで何回の繁殖を行っているか、また犬種毎の遺伝的な問題をクリアしているか。
そして事前に迎える仔犬の犬種特性をしっかり勉強し、知識を持った上で、何人ものブリーダーに会って、最終的にこのブリーダーの作出する犬ならばと判断できるまで探し続けて欲しいと思います。
もしも、不健康な犬を手に入れてしまったら、飼い主さんも愛犬も悲しい暮らしを10年以上おくらなければならないからです。犬の一生をしっかり見守って行くためにも最初が肝心です。
(2006/2/3)(LIVING WITH DOGS)
ペット通販 増えているインターネット利用
今年は戌(いぬ)年。ペットフード製造会社などでつくる「日本ペットフード工業会」の統計によると、04年の犬の飼育頭数は実に約1246万頭(推計)。総務省が03年にまとめた15歳未満の国内年少人口(推計約1790万人)に迫る勢いだ。ペットの入手方法も時代を反映し、最近はインターネットの通信販売利用が増えているという。ネット通販について、仲介会社「A」を経営するIさん(27)に聞いた。
◇価格、成育環境に利点
◇届くまで不安も「事前に自分の目で確かめて」
Iさんは大手ペット通販会社の代理店を経営していたが、今年1月に独立。それまでの経験を生かし、自分が信頼するブリーダー(繁殖家)の犬を紹介している。Iさんによると、ネット通販と店頭販売の大きな違いは価格。ブリーダーと客が航空貨物便などを通じて直接受け渡しするため、維持費のかかる店頭販売に比べて半額程度という。
価格だけでなく、Iさんは成育環境も指摘。「ネット通販では、購入者に届く直前までブリーダーの元で健やかに育つ」と話す。
ヨーロッパ各国のペットショップを視察した社団法人「日本動物福祉協会」調査員で獣医のYさんによると、例えばドイツでは店頭販売をしていない。良好な環境の維持が難しいため、ペットショップの組合が自主規制しているという。ドイツでは、憲法にあたる基本法にも、02年の改正で動物保護が明記されている。
一方、ネット通販ではペットが届くまで自分で状態などを確認できないマイナス面もある。「届いた後にイメージと違ったら」と不安な人もいるだろう。Yさんも「ネット通販では飼育状況も分かりにくい上、兄弟でも性格は一匹ずつ違います。何年も付き合うには相性も大事。写真だけでなく、必ず自分の目で確かめて購入を」と注意を促す。
この点についてIさんは「希望があればブリーダーの見学に付き添います。実際に関東や九州から岡山市内まで見にくる人もいて、大事に飼ってくれるのだろうと、こちらも安心します」と話す。購入後も犬が生きている限り、しつけや病気に関するアドバイスを続けているという。(2006/2/3)(毎日新聞記事より)