動物虐待で初めての摘発
動物虐待で摘発
日本では、動物虐待を行っている人を通報し、行政が命令を出しても、なかなか実刑判決にはなりませんでした。
以下にご紹介するのは、動物愛護法に基づいて告発され実刑判決となった例です。ただ、金額の問題ではないとは思いますが、この違反者が再度虐待を行う可能性もあるわけです。RSPCAのような二度と動物を飼えないような仕組みも必要ですね。地域で動物虐待の実態をもっと明らかにしていくことが、これからの日本が動物愛護先進国になるために必要でしょう。(2003/3/15)(LIVING WITH DOGS)
高遠町の乗馬牧場元経営者、虐待で罰金15万円判決 – 事実認定も半額に/長野
飼育する馬の世話を十分せずに衰弱させたとして動物愛護法違反(虐待)の罪で罰金30万円の略式命令を受けた、高遠町荊口の乗馬牧場元経営者男性(55)=茅野市塚原=が、命令を不服として求めた裁判の判決公判が13日、伊那簡裁であった。藤田昌宏裁判官は虐待の事実を認めたが、被告の病気などを理由に、罰金15万円(求刑同30万円)の判決を言い渡した。元経営者は控訴しない方針。
判決によると元経営者は01年3月上旬から約1カ月間、馬2頭に対し、別の馬2頭の死体が放置され、馬ふんも掃除されない状況で、えさを十分に与えず、栄養障害にする虐待をした。被告側はえさを十分与えなかったことを「伏せの芸を仕込むため。虐待ではない」などと主張してきたが、藤田裁判官は「生命ある動物を苦しめた」「非難されなければならない」とした。一方で、元経営者は病気などで体が不自由▽1頭は比較的、衰弱の度合が軽い――などとして、罰金額は求刑の半分に留めた。
元経営者は95年から乗馬牧場の経営を始めたが01年4月、馬2頭の死体を放置していることが自治体職員らに知られ問題化した。都内の動物愛護団体の告発で同年12月、伊那署が動物愛護法改正(00年)に伴う罰則を全国で初めて適用し、立件していた。
(毎日新聞・2003/3/14刊より)