多頭飼育現場の悲惨な犬たち
多頭飼育現場の悲惨な犬たち
飼い主の無知で、同じ群の中でどんどん繁殖し、あっと言う間に80頭もの犬となってしまった。不幸なのは犬たち、自然のままといえばそれまでだが、避妊去勢手術を施すことくらい誰かがすすめただろうに。自分たちが食べていくのも困難な状況で、どんどん増えていく犬。満足な食事も与えられず、ひ弱な子犬達ばかり。そして近親交配のために遺伝的な問題も起きる。
1人の人間が養える数を超えてしまったときいつも起こる多頭飼育現場の崩壊である。
このような無知な飼い主は日本にたくさんいる。どうしたら知識を持ってもらえるだろうか?
英国のRSPCAでも、ハムスターを多頭飼育していた女性がいた。その現場にはケージに入ったいくつもの遺骸があった。アニマルポリスの摘発力は強く、その飼い主は二度とハムスターを飼えないように裁判所から宣告される。保護したハムスターは、アニマルポリスによって、管理してリホームされる。
悲しいかな、日本では、一般の愛犬家、愛護団体の方々が汗を流すしかない。ボランティアの人々は、自分の生活もなげうって犬たちを生かそうと奔走している。
琉球新報がこの多頭飼育現場レスキューを取材している。このようにマスコミが事実を社会に知らせていくのは大いに結構なことだと思う。TVのニュースなどでも扱って欲しい。ニュースとするときは、
必ず、守って欲しいことは、
「犬と暮らす方へ、むやみに繁殖をしてはなりません、不幸な犬たちを増やしてはいけません」
というキャプションを必ず付け加えて欲しい。うちの犬が一番とか、芸をする犬とか、楽しい犬番組を作るだけではなく、間違った繁殖をくい止めるための告知も是非して欲しい。
日本の犬や猫の異常繁殖を減らすために是非マスコミも協力して欲しいと切に思う。
今回の多頭飼育現場は、ボランティアの手が入り、どうにか生き残れる見込みがあるが、現状は、飼い主の知識があれば生まれなかった子犬達は、不要犬という呼び名をつけられて動物愛護センターという名の殺処分施設に送り込まれるのである。
沖縄の殺処分数は全国2位だそうだ。地元の保健所がなすべきことは、避妊去勢手術の普及活動であろう。先の仙台市の引き取りを有料化としたように、有料として、得た原資を避妊去勢普及のための啓蒙活動をしなければならないだろう。(2006/3/9)(LIVING WITH DOGS)
犬62匹、飼い主募集中 ボランティア団体奔走
80匹の犬たちを紹介、新しい飼い主になるようを呼び掛けるWishのサイト
ペットの情報ネットワーク「沖縄ペット情報サイトWish!」が「80頭を救いたいプロジェクト」として、犬の引き取り手を探している。80匹の犬は本島内の家庭で飼われていたが、数が増えたために周辺からの苦情が多く、相談を受けたWishが仲介。16匹は新しい飼い主に引き取られた。2匹は死に、残る62匹は飼い主が見つからない場合、3月末に処分されることになるという。WishのMさん(41)は「1匹でも多くの命を救いたい」と呼び掛けている。
犬たちは、飼い主に去勢手術などの知識がなく、家の中で飼われていたため、数年の間に増えてしまったという。近所の苦情も多く、行政が指導に入ることもあった。しかし改善されないまま、この3月末には行政と飼い主の話し合いによって、収容処分される見込み。
Wishは普段、ホームページ(HP)で情報交換する活動をしている。飼い主の友人から相談を受けたWishのメンバーは、ことし1月中旬に飼い主と相談。協力していこうと「80頭を救いたいプロジェクト」として、新しい飼い主探しを始めた。
Mさんらは犬にワクチン注射や投薬などを施し、これまでに80匹のうち46匹を一時保護した。このうち16匹は新しい飼い主が決まったが、子犬2匹は死んだ。
犬たちは栄養状態も悪く、近親での交配が続いたため、緑内障や生まれつき足に障害のある犬も。飼い主以外の人間に対し恐怖心を持っている犬がほとんどで、残っている犬たちの保護に苦労している状況だ。
このため、新しい飼い主が飼えるか不安もあるという。「適正に飼ってもらえるか、事前にアンケートを取り、県内であれば面接などをして確認している」と宮城さん。
Wishの活動を受け、県内をはじめ多くのHPで新しい飼い主や一時保護主になるよう呼び掛けているほか、南風原町内の小学校でもちらしを自主的に作るなど呼び掛けの輪が広がっている。Mさんは「最終的には引き取り処分されてしまう。これまで支援してくれた人たちに応えるためにも、一匹でも多くの命を救いたい」と呼び掛けた。
問い合わせは沖縄ペット情報サイト「Wish!」アドレスはhttp://okinawa-wish.net/
(2006/3/9)(琉球新報記事より)