子犬から訓練

麻薬探知犬 – 子犬から訓練

ワーキングドッグの訓練は、盲導犬・聴導犬・介助犬は1才以降が適性とされています。
それは人との暮らしを身につける時期が必要だからです。1年間、人との暮らしの中で愛情を受けながら社会化を学びます。
しかし麻薬探知犬の場合は、捜索の場所は限られ嗅覚をよりとぎすまされる必要があります。生後三ヶ月からの試みは確かに犬の社会化を考慮し仕事場である環境に慣れさせることを考慮したら素晴らしい優秀な麻薬探知犬となることでしょう。
ちょっと心配なこと、家庭犬としての家の中での愛情あふれた人とのふれあいが不足しないかということです。インストラクターさんの候補犬へのスキンシップや対応の仕方で、この子犬たちが麻薬探知犬をリタイヤしたときに、家庭犬としての穏やかな老後をすごせるように育てていただきたいものです。(LIVING WITH DOGS)


生後3ヶ月から 合格率アップを狙う

薬物の上陸を空港や港でくい止める「麻薬探知犬」を子犬の時から英才教育しようと、東京税関麻薬探知犬訓練センター(千葉県成田市)は今月、生後3ヶ月過ぎのラブラドール・レトリバー3頭を受け入れた。通常は一歳を過ぎてから入所、訓練を始めるが、子犬のうちから環境になれさせることで、優秀な麻薬探知犬に育てる狙い。

同訓練センターは全国の麻薬探知犬の訓練を一手に引き受けており、今回の試みが成功すれば、子犬から訓練する方式に変えたいとしている。子犬として始めて同訓練センターに入所したのは、昨年末に生まれた雄1頭、雌2頭で先週15日にやってきた。

現在の訓練はインストラクターが投げたボールをくわえて持ってこさせるものや、音の出るおもちゃを使って関心を持たせるなど初歩的内容。生後半年を過ぎたころから訓練用につくった手荷物運搬のベルトコンベヤーの上を歩かせるなど徐々に本格的な訓練に近づけていく。

麻薬探知犬は年二回、1〜1歳半のラブラドール・レトリバーを約50頭づつ集めて訓練する。だが飛行機の騒音や、他の候補犬と同じ建物で生活するといった環境の変化についていけず、最初の1ヶ月で半数以下が脱落、合格するのは年平均16頭前後と狭き門になっている。今月やってきた子犬3頭の麻薬探知犬としての合否がわかるのは来年の6月になるが、飛行機の騒音などに物おじしない様子に、インストラクターたちは「麻薬探知犬の素質は十分」と期待。「三頭のうち二頭が合格すれば大成功。出来れば三頭とも合格して欲しい」と願っている。

▲ 麻薬探知犬

大麻や覚醒剤、ヘロインなど6種類の薬物のにおいに反応し、担当者に知らせるのが役割。
全国十一カ所の税関に計百三頭が配置されている。
麻薬探知犬には二種類あり、航空、海上貨物の検査で違法薬物に反応し、その貨物をひっかいて知らせる「アグレッシブ・ドッグ」が七十四頭、主要空港の入国検査場で旅客の携帯品に隠された薬物に反応して横に座って知らせる「パッシブ・ドッグ」が二十九頭いる。
2002年の摘発実績は計約百十件、百十キロだった。犬種は大半がラブラドール・レトリバーで、他はシェパードとゴールデン・レトリバー。

(2003/04/21)(日本経済新聞夕刊より)

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