Hollyとママのしつけ教室奮闘記12
Hollyとママのしつけ教室奮闘記12
ポートランドもこの数日だいぶ暖かくなり、昨日は華氏70度近くまで(摂氏20度ぐらい)気温が上がったのでMaxとHollyを連れてドッグランに行ってきました。私はドッグランでは14歳のMaxの後を付いて廻っています。大型犬が走り回っているので、Maxにぶつかったりはしないか、またはじゃれてMaxに飛び掛っては来ないかと心配で仕方がないからです。もし突き飛ばされでもしたら、骨折とまでいかなくても弱っている後肢が立たなくなってしまいそうなので。そんなわけですから、ひとしきり遊ぶと私はHollyに“Wait(待て)”をさせてMaxだけ連れてドッグランの見えるところに止めてある車に戻りHollyともう少し遊ぶ間Maxを車の中で待たせることにしています。Hollyは私が車から戻るまで同じ場所で伏せをしてちゃんと待っていられます。
そんなわけで、Hollyはかなり長く“Wait(待て)”ができるようになっていたので、今日の上級クラス4週目では日ごろの訓練が役に立ちました。今日は、6)の“座れと伏せのコマンドに待てを加える”と7)の“呼び戻し”を合わせて練習しました。
まず部屋の端に犬を連れて行き、“Sit”と“Wait(待て)”のコマンド。飼い主は背中を向けて部屋の反対側の端まで歩いて行き、振り向いて“Come”で呼び戻しをします。犬が途中に落ちているおもちゃや、ローハイドなどに引っ掛からずに飼い主の所に真っ直ぐきて座ったら合格。Hollyはローハイドにちょっと引っ掛かりそうになりましたが、私の“Leave it(放っておきなさい)”で気を取り戻して私のところまでやってきたのでホッとしました。ポーチュギーズウォータードッグのBosco、ゴールデンレトリーバーのLibby、それにチョコレートラブの雌の方のDutchessは皆“Come”は上手に出来ましたが、“Wait(待て)”のコマンドは日ごろ練習していないらしく、飼い主が背中を向けて歩き出すと付いてきてしまいました。“Wait(待て)”は本当に便利なコマンドなので、“On your bed”と同様うちでは毎日使っています。
次に“Stop”を教える第一段階として、今日はリードをつけて店内を歩きながら時々“Stop”と言って犬を止まらせてご褒美をあげ、“Stop”が“止まれ”を意味することを教えました。第二段階は来週に持ち越しです。
さて、次が大変でした。座れや伏せをさせてから“Stay”の状態でインストラクターがすぐ脇を松葉杖を付きながら歩き回るのです。Hollyは放浪犬時代か、以前の飼い主に箒などで虐待を受けた経験があるのでしょう。うちに来たばかりのころは、箒を見せただけですくんでしまい、新聞紙を丸めたものでさえ恐がっていました。最近は慣れたせいか箒で怯えることはなくなりましたが、この松葉杖ははじめての経験で、インストラクターが2m以上離れていても吠えまくりました。ショッピングカートがすぐそばを通ってもなんともないのに、松葉杖は私がついても恐がって逃げました。よほど辛い経験があったのでしょう。“まずは松葉杖に慣らすことから初めましょう。”とインストラクターの提案で床に置いた松葉杖の近くにご褒美を置いてだんだん近づけていき、とうとう鼻で触れるところまできました。その間ご褒美は沢山あげなければなりませんでしたが、まずは成功。こうして一つ一つ恐怖心を取り除いていくことが大切なんですね。レスキューの犬たちには多かれ少なかれある種の心の傷を受けています。この傷を癒せるのは新しい家族の忍耐と愛情しかないように感じました。
さて、レスキューといえば、今日もPetSmartの店内には“Adopt me (僕/私をもらってください)”と書かれた赤いベストを着た犬達が沢山いました。気に入った犬を見つけたら、その犬と一緒に過ごす時間をしばらく与えてもらえるらしく、隣接した公園にベストを着せたまま散歩に連れていっている人たちも見かけました。その一人に“この仔をアダプトするの?”と聞いたところ“ええ、それで今この仔のことをもっとよく知ろうと思って。母もレスキュー犬をもらったんだけど、その仔が自分のうちができたことをとっても感謝しているんですって。私も母もレスキュー以外に犬を飼うことは考えられないのよ。”と言っていました。私がこのペットショップが気に入っている理由の一つがまさにこの“Think adoption first(犬を飼うならまず里親になることを考えましょう)”を勧めているからなのです。
さてトレーニングのほうは、来週はイースターのため、再来週はインストラクターが休暇を取るので二週間続けてお休みになります。うちでしっかり復習するつもり。忘れるとHollyがしっかり催促してくれるので、助かります。