「地域猫と猫おばさんの現状」地域犬は有りえるか?
「地域猫と猫おばさんの現状」地域犬は有りえるか?
猫おばさんというと、公園でコンビニ弁当のトレーにドライフードをバラバラと、水、缶詰は蓋を取っただけで放置して猫に餌やりをしている。その後は散らかり放題。そんなイメージがあります。実際に10年ほど前は、わが家の近所の猫おばさんはそんな状態で野良猫にご飯をあげていました。
近所には三井倶楽部の広い庭があり、猫がたくさんいたのですが、しかし、ここ数年、そのような野良猫を見なくなりました。
地域猫として給餌しながら、避妊去勢をすすめていく活動が始まったのは、「ねこだすけ」さんから送られてくるメールでかなり以前から知っていましたが、現在の新宿区の地域猫の事情をシンディままさんがお話くださいました。
地域猫の活動を、では犬で実施出来るかと言うと、とても難しいと思います。
かつてアテネでオリンピック開催に際して、町に住む野良犬を捕獲して避妊去勢手術を施し、ワクチン接種後、地域に戻すということがありました。捕獲の時の記事が残っていないので不確かですが、トラブルの犬もあったようで動物虐待では?という抗議もありました。実際に何頭かは殺処分となったようです。
アテネの祭典の裏で野良犬対策の真偽
しかし、おとなしい性格のよい犬は首輪をつけられ元いた町に戻り、以前と変わらない暮らしをしているようです。おおむね成功だと思いますが、影には犠牲になった犬もいたということを忘れないでいましょう。
さて、新宿区の地域猫が住民とボランティアさんの協力体制で安全に暮らせるようになったのは素晴らしいです。おそらく日本でも革新的な地域猫活動だと思います。このケースを見本に東京都のハルスプランの関連として、あちこちの地域猫体制が考慮されているようです。素晴らしい一歩を作った新宿区に感謝ですね。
(2006/4/12)(LIVING WITH DOGS)
わたしの住まいは東京都新宿区にありますが、新宿区では「ねこだすけ」さんと協働して「猫を殺さない、増やさない、共存する」という地域猫活動に力をいれており、その結果猫おばさんたちをも取り込んで、地域の住民とも大変うまくいっている東京都認定のモデル地区が4箇所できています。
雨の日も風の日も、雪の日も灼熱の日も、待っている猫たちのために通ってえさをやり続ける猫おばさん。
結果、猫が集まってくる、糞尿が臭う、食べ残しが汚い、次々と出産して子猫が増える、というのが、従来の猫おばさんのイメージだと思います。
しかし、地道に保護と去勢避妊を続けながら猫たちにえさを与え、子猫は里親募集をし、費用は自腹、もしくはバザーの収益金で賄っている、本当に頭の下がる猫おばさんもまた、たくさんいるのです。
行政と一体になって猫問題を解決しようと言う動きに猫おばさんはかかせない存在です。
そして猫が嫌いな人、猫で困っている人の発言の中に解決の糸口を見つけることが、地域猫問題では大切になってくるのです。
各町内会で対応は違いますが、たとえば、猫にえさをやる時間と場所を決め、糞尿と食べ残しは必ず清掃する、ということを条件に町会長さんから認定バッジをもらって胸につけ、堂々とえさやりをしている猫おばさんがいます。去勢避妊は町会で募金を集めているところもありますし、区からの補助金(飼い主のいないオス猫に5000円、メス猫に9000円)も支出されます。
こうした流れの中で神田川上水公園も地域猫の認定地区として認められ、東京都が無料で猫たちの去勢と避妊をしました。(現在認定地区が予定数に達したのでこの制度は終了しています)さらに、犬立ち入り禁止の看板も取り除かれ、真の意味で犬、猫、人が一緒に利用できる公園のモデルがスタートしました。
わたしたちは公園サポーターになり、月に一度、公園の清掃をしています。
行政側の窓口との話し合い、ねこだすけさんの強力なサポート、地元の町会役員の協力、犬の飼い主、えさやりさんのすべてがゆっくりとではありますが、足並みをそろえながらここまでこぎつけたと思います。
(2006/4/12)(東京都 シンディーままさん)