愛する人・愛する犬を失うこと
愛する人・愛する犬を失うこと
人の死と犬の死を同じレベルで語ってはならないと思いますが、この場ではちょっとだけ話させて下さいませ。
わが家の犬の介護をしている間、同級生のMさんのお父さんも何度も危機を乗り越えていました。
毎年2月の第一土曜日に同窓会を開きます。懐かしい学生時代の想い出話に花が咲きます。
みんなご両親が老いて介護をしていたり、子供達はそれぞれ独立したり、私とMさんは、残念ながら子供がいないことが共通点です。
彼女はお父さんの介護で、私は愛犬の介護で、同じレベルではないけど、一進一退の病状にお互いに自然とどちらが先に逝くのかしら。などと話していました。
学生時代、彼女と私の犬の話題は、彼女の家にいた柴犬のツナとうちのクマでした。
ツナは鬼退治をした渡邊綱からの命名です。わが家は三田にありますが、近所に綱坂があります。渡邊綱が老いた母を背負って上がったという坂道です。その坂道を通る時、そう言えばそんな名前の犬が彼女の家にいたなと思い出していました。
愛犬を虹の橋に送り今日は初七日でした。何気なく彼女はどうしているだろうと思い「元気?」のメールを送りました。
お父さんは、4月13日に逝去されたそうです。なんとわが家の犬の1日前でした。
お互いに愛する人・犬を介護していて、なんと揃って昨日今日というように私たちのそばからいなくなりました。
そして、お父さんの柩には、お父さんが可愛がっていた犬、ツナに似たぬいぐるみがお父さんを守るために一緒に入れられたそうです。Mさん、お父様のご冥福をお祈りします。
(2006/4/20)(LIVING WITH DOGS)