コロとの暮らし(2) – 妹プリンとの出会い

コロとの暮らし(2) – 妹プリンとの出会い

コロは、いい子でしたが、困った癖がありました。
それは「噛み癖」です。出会った時から、手を出すと強く噛んでいた子でした。でも、その時は、悲しいストレスからくるものと気にも留めませんでした。術後、歩き、走り回れるようになったコロ、これで噛み癖も良くなるかな?とも期待しましたが、前にも増して多くなっていきました。
しつけ教室に行く事も考えましたが、ハンデのあるコロは行っても無理だろう。可哀想な子だから仕方ないのかと自分自身納得させていました。強く叱る事も出来ずにいたのです。でも、そんな考えがきっとコロを傷つけていたのかもしれません。
「どうしてボクを見てくれないの?ボクは可哀想じゃないんだよ!」と言っていたのだと思います。つい「可哀想・・・」が頭をよぎってしまいます。

もし、コロの友達としてもう一匹迎えたら、考えもまた変わるんじゃないか?
「もっともっと側にいて遊んでよ」と言う寂しがりやのコロのためにも良いのではないか?でも、体の弱いコロに、健康な子は負担にならないか? 色々と悩んだ末、思い切って、妹を迎える事にしました。
当時の家族の話題も、コロを通して、今まで深く考えなかった不幸な犬達のことを話すようにもなりました。出来ることなら妹は保健所などからと考えてはいたものの、現実に、死に直面している子達の中から、この子をと選ぶことなんて出来ないと思ってしまいました。
結局、妹はショップから同じパグを購入する事にしました。それが妹プリンです。
プリンが来てからというものの、困り果てていたコロの噛み癖がピタリと止まったのです。

私も、2匹になってコロを可哀想と思っている暇もなくなり、健康なプリンと同じに扱うようになった事も良かったのでしょう。コロはだんだん穏やかな顔になっていきました。
「だって、ボクお兄ちゃんだもんっ!」と言いたげに。
私は、コロとの散歩が大好きでした。
5〜6歩行ってはペタンと座り込む、の繰り返しでしたが、この散歩のおかげで、満天の星空を眺めたり、子供時代にも見つけられなかった「蛍」を見つけて感動したりと、今まで気づかなかった事をコロはたくさん教えてくれたように思います。(蛍の話は、もし良ければWeb「コロの部屋2」をご覧下さい。)

コロとプリン、2匹一緒の散歩もまた楽しかったですよ。私がコロ、息子がプリンと散歩をして、コロはいつものように、のんびり散歩ですから、プリンたちは、ず〜っと先を行ってしまいますが、私たちが見えなくなると心配してプリンは息子を引きずって走って戻って来ます。それを何回も繰り返して・・・笑。
コロといて、傷つくような言葉はありませんが、皆の視線が「足の悪い子をなんで抱いてあげないんだ」と言う風に感じたことがありました。
でも、抱く事は簡単ですが、ゆっくりでもいい、休み休みでもいい自分の足で歩く事をさせたかったのです。筋力をつけるためにも、抱く事はしたくありませんでした。
嬉しい言葉はよく聞きました。散歩途中いつものように座り込んで(長いと5分くらい座り込んでます)私も一緒に座り込みコロと話していると、近所の方が「ゆっくり休んで、がんばって歩いて行きなさいよ」と、コロの散歩ではよく励ましの言葉をかけられたものです。

コロは、プリンが来てからと言うものの、本当に誰からも好かれる優しいいい子になりました。足を治してもらった病院のスタッフさん達は、もちろん大好き!病院に行くと必ず診察室に向かって、「ボクまた遊びに?来たよ〜っ!」と吠えたものです。
そして、出会う人にすべてに愛想良し!!! 遊びに来た友達の膝にちゃっかり乗っちゃうコロでした。そんなコロを見て、いつかCAPPなど、ふれあいのボランティアに行けたらな〜なんて考えていました。まず、地元の愛犬クラブに入ろう。丁度これから暑くなる季節・・・秋になったら・・・秋になったら頑張ろうね。まさか、これが私の深い後悔につながるとは思ってもいませんでした。

コロが残してくれたもの

(2001/06/25)(新潟県・M.Yさん Ext_link おしゃべりパークウ)

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