犬(戌)という名の付いた地名

犬(戌)という名の付いた地名

犬(戌)という字を使った地名はあちこちにあります。今年は戌年ですから、ちょっとこだわってみましょう。
おそらく、人と犬との出来事が由来となっているんでしょうね。

・犬山:愛知県犬山市、福井県大野市犬山、富山県黒部市犬山、横浜市栄区犬山町
・犬山城:愛知県犬山市
・犬塚:栃木県小山市犬塚、茨城県江戸崎町犬塚
・犬飼:大分県犬飼町、兵庫県篠山市犬飼、兵庫県香寺町犬飼、奈良県五條市犬飼、熊本県矢部町犬飼
・犬吠埼:千葉県犬吠埼
・戌茂内:福島県安達郡白沢村
・戌渡:茨城県稲敷市
・犬吠森:岩手県紫波郡紫波町

犬鳴山温泉:大阪府泉佐野市
   犬鳴山の地名の由来:
   まんが日本昔話から
   名前の通り、「犬が鳴く山」だそうです。

   昔、猟師が犬と一緒に狩に出かけたときのこと、猟師が獲物を取ろうとすると犬が吠えて動物が逃げてし
   まう。その日はまったく仕事にならず、怒った猟師が犬の首を刀で撥ねてしまっそうです。
   そして、後を振り返ったとき、大蛇が猟師を襲おうと狙っている処を、殺されて首だけになった犬が大蛇に
   飛びかかって退治したというお話です。
   その後、猟師は犬を弔うために出家してお坊さんになったとか。そんな伝説のある山なんですよ〜。
   昔から犬と人は共に心通わせ、共に暮らす存在だったんですね。


・犬島:岡山県犬島

岡山の犬島についてちょっと興味深い記事がありました。学問の神様、菅原道真の愛犬ルーツ?だとか。(2006/5/11)(LIVING WITH DOGS)


おかやま大研Q:岡山の犬島、名前の由来は 菅原道真の愛犬ルーツ? /岡山

◇信仰今も 花こう岩製の置物人気
岡山市東南端の西宝伝港から定期船で約8分。穏やかな海に、白っぽい石と青々とした木々のコントラストが美しい同市唯一の有人島「犬島」が浮かぶ。瀬戸内の島々には変わった名前のものも多いが、犬島には何かいわれがあるのだろうか。今年は「戌年(いぬどし)」。島の歴史や伝説、現状を聞いた。
■住民は80人
花こう岩でできた「犬島」は、複数の島の総称。約4キロ四方の範囲に犬島本島と犬ノ島、沖鼓島、地竹ノ子島、沖竹ノ子島などがあり、総面積は0.85平方キロメートル。犬島本島に約50世帯、約80人が暮らす。
名前の由来となっているのは、犬ノ島の小高い丘の上にある高さ3.6メートル、周囲15メートルの巨大な石「犬石様」。お座りをした犬そっくりの形で、いつのころからか住民が信仰してきたという。犬ノ島には化学工場があるが、同島外からの通勤者だけで住民はおらず、関係者以外は立ち入れない。ただ毎年5月3日、犬石様の祭りの日には渡し舟が通り、多くの人が行き来する。
犬石様にまつわる伝承で最も知られるのが“学問の神様”菅原道真とのエピソード。901(延喜元)年、大宰府に流される途中で嵐にあった道真は、どこからか聞こえる犬の鳴き声を頼りに岸辺に船をこぎ寄せ、命が助かったという。声の主は道真のかつての愛犬。死んだ後に島に流れ着いて石となり、主人を助けるためにほえたと言い伝えられている。
■再発見の会□
犬島は採石と産業で栄え、大阪築港が始まった1897(明治30)年ごろの全盛期には約6000人が暮らしていた。だがその後は徐々に人口が減り、37カ所あった採石所は現在1カ所。幼稚園と小中学校も91年までに閉じられ、島から子どもがいなくなった。
島の将来に危機感を持った雑貨店経営、Aさん(62)は、島に伝わる遊びや歴史を調べるようになり、00年には歴史愛好家ら7人で「犬島再発見の会」を結成。島に関する資料は地元にほとんどなかったが、会で調べると清少納言の「枕草子」に、「犬島」という表記があることが分かった。
■平安時代、一条天皇が大事に飼っていた猫に皇后・定子の飼う犬がかみ付いた。それを見た天皇が怒り、「犬島へ流し使わせ」と犬を島に流したと記されている。この犬島は「京都を流れる川の中州」という説もあるが、Aさんは「犬島が皇室と縁があった可能性がある」と期待を込める。

桃太郎伝説が伝わっていることも分かってきている。「でも岡山の桃太郎ではなく、香川県の『讃岐桃太郎伝説』なんですが……」とAさん。桃太郎の家来になった犬は航海術にたけていて、鬼ケ島の動きを見張るなど鬼退治に功があった。犬はほうびとして島をもらい、それが「犬島」と呼ばれるようになったという。Aさんは「まだ研究中だが、犬島に長い歴史があることは確か」と話す。
■活性化へ
住民の6割に当たる約50人が70歳以上と、超高齢化が進む犬島。少しでも多くの人に足を運んでもらい活性化につなげようと、島ならではの取り組みをしている。

99年にはキャンプ場もある犬島海水浴場がオープン。海岸近くには倉敷芸術科学大など県内外6芸大の学生が制作した、個性的な石の彫刻を並べた。材料はもちろん、島産の花こう岩だ。在本さんは「島に芸術的な作品がなかったのでうれしい」と目を細める。石のアートでおしゃれな雰囲気が漂う海水浴場は、若者を中心に注目度も高い。
水分を吸いにくく風化が進まないなど建築用として重宝される一方、その硬さゆえ芸術用には不向きと言われてきた花こう岩。島では同会が中心となり、今年4月から犬の置物を制作、販売している。モデルは「犬石様」だ。
3サイズで2000〜7000円するが、可愛い表情などが人気を呼び、現在約20人が予約待ちの状態。手作りのため量産できないなどの課題はあるが、Aさんは「島の魅力が詰まっている。改良を重ねていきたい」と話す。
「戌年」のせいか、元気を増しているような「犬島」。夏には、海を満喫しに再訪したい。
(2006/5/10)(毎日新聞記事より)

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