引退の麻薬探知犬

引退の麻薬探知犬

人のために働く麻薬探知犬ですが、年老いた今も麻薬探知犬訓練センターで暮らしているそうです。温かい家庭の中で最後を迎えさせてあげたいとは思いますが。この犬、引退の直後に膀胱癌を患い、リタイアウォーカーの元に出せなかったそうです。
盲導犬にはリタイアウォーカーが存在しますが、麻薬探知犬の場合、元の飼い主さんか、職員が引き取るようです。
はたして、この犬が暮らした懐かしい環境で最後の時を迎えることの方が良いのか?
たくさんの人達に見守られているようですけど、でも出来たら、最後のハンドラーさんの自宅で看取って欲しいと思います。家族のぬくもりを一度でも良いから味合わせてあげたいと思うのは無理でしょうかね。

これまでたくさん仕事をしてくれてありがとう!元気に老いてくれてありがとう!

ちなみにドイツのワーキングドッグ、警察犬や探知犬はハンドラーの自宅に暮らし、一緒に出動します。

日本の場合は、まだまだそこまで至っていないんですね。

次に生まれてくるときは、仕事をしながらもお家では家庭犬としてぬくぬくした暮らしが出来ると良いね。
(2006/6/14)(LIVING WITH DOGS)


麻薬探知犬:後輩見守る老犬「ラック」号 引退から4年、訓練所で暮らす /千葉

◇後輩見守る老麻薬探知犬、ラブラドルレトリバーの「ラック」号
麻薬摘発のため成田国際空港などで活躍している麻薬探知犬が生活する「麻薬探知犬訓練センター」は成田市三里塚にある。中庭で真っ黒の老犬が4〜5人の職員に囲まれ、なでられたりブラシをかけてもらっていた。ほおは垂れてはいるが、つやのある毛は気品がただよう。ラブラドルレトリバーの「ラック」号(オス、13歳)。人間なら80歳を優に超えるという。約60頭の実働犬・訓練犬に交じって同センターで生活しているただ1頭の退役犬だ。
◇2度の手術、乗り越え
探知犬は1歳時に4ヶ月の訓練を受けて選抜される。適格とされるのは2〜3割で8歳くらいで引退するのが一般的だ。退役後は担当したハンドラーの実家や、職員などの家に引き取られて余生を過ごす。
しかし、ラックは引退直後、膀胱(ぼうこう)にがんが見つかり、2度の手術を受けた。「長いことないかもしれない。そうすれば引き取ってくれた人にも悪い」と、同センターで生活させることになった。
ラックは約7年半の現役生活で3人のハンドラーに仕え、同空港などで数件の摘発に貢献した。ケージに入れておくと、通りかかる人にほえたりしたという。初代ハンドラーの氏家正安・監視官は「元気いっぱいで我の強い犬だった」と振り返る。
95年にラックは、同空港でコカイン約2.3キロを摘発する手柄を立てた。バッグのにおいをかいだ後、鼻を押し付けたまま周囲をぐるぐると回り始め、普段と異なる動きに気付いた氏家さんが、他の職員に連絡したという。
「私にとってもラックにとっても初めての手柄だった。えさを普段よりも多くあげました」
引退して4年。今年に入って足腰が弱くなり、歩くのがやっとの時もあるが、その他の健康状態は良好だ。
探知犬時代の激しさは今はもうない。黒い老犬はかつての学び舎(や)で後輩たちを見守っている。(2006/6/13)(毎日新聞記事より)

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