盲導犬は家庭犬よりも長生き!
盲導犬は家庭犬よりも長生き!
以前、LWDメーリングリストで盲導犬は短命?という話が出、その後、様々な観点から、盲導犬の実働年数を参考に、本当は盲導犬の方が長生きではないかと2002年に記事として書いたのを思い出しました。
盲導犬は協会から、良質なフード、定期健康診断、ワクチンの接種を確実にされていますから、健康管理はしっかりされています、だから交通事故や癌などの病気でない限り突然死は少ないのです。ですから家庭犬よりも盲導犬の方がむしろ長生きすることは当然なのかも知れません。
長生きする盲導犬が多いことは、その老後を見守る人が必要です。北海道盲導犬協会は老犬ホームがありますが、一般的にリタイアした補助犬達はユーザーさんの元にそのままいるか(この場合次の盲導犬は貸与されません)、パピー・ウォーカーさんの元に戻るか、またはリタイア・ウォーカーさんの元で老後を暮らします。
今日は、リタイア・ウォーカーさんにスポットをあてたいと思います。
12歳でリタイアする盲導犬を家族として迎えることは、大変な覚悟を必要とします。
家族に迎入れてから、家族としてなじむまで、これまでの仕事をしていた犬のプライドの尊重、信頼感の創成、安心感、そしてすぐに来る要介護の状況です。
どれだけこの子の最後を安らかに送らせてあげられるか、その労苦は限りないでしょう。
わが家は家庭犬でしたが、愛犬の最後はとても悲しくつらいです。そのつらい最後を何度も見守っている方々には、本当に頭の下がる思いです。一冊の本をご紹介しましょう。
毎日のなにげない暮らしから介護の姿、老いた犬達を温かい目線で撮り続けた写真から愛が伝わってきます。
最後のパ−トナ−(盲導犬を引退した犬たち)
西田深雪・西田章
幻冬社文庫
犬の寿命って?
盲導犬は長生きできない?
盲導犬を引退した犬たち
(2006/7/24)(LIVING WITH DOGS)
<盲導犬寿命>平均13歳…ペットより1歳以上長生き
全国盲導犬施設連合会(塩浜良夫会長)が盲導犬の平均寿命について初の全国調査をしたところ、「約13歳で、ペットより長生き」という結果が出た。盲導犬は忠実に働く姿から「ストレスのために短命」と誤解されがちで、使用をためらう視覚障害者もいるという。同会は「短命、かわいそうという俗説をなくし、健康管理が行き届いている真の姿を知ってほしい」としている。
調査は、加盟する全国8カ所の盲導犬訓練施設を対象に実施。育成した盲導犬のうち、1975年3月〜今年4月に死んだ盲導犬413頭の平均寿命を算出したところ、12歳12カ月(11カ月以上12カ月未満)だった。死んだ年齢は15歳が70頭と最も多く、次いで14歳の68頭。最高齢は17歳で5頭いた。
一方、飼い犬は東京農工大大学院の林谷秀樹助教授(獣医学専攻)らが02年8月〜03年7月に死んだ3239頭を調べたところ、平均寿命は11.9歳で、盲導犬の方が1歳ほど長生きだった。
盲導犬は、訓練後に2歳から働き始め、約10年の活動後、リタイアしボランティア宅などで過ごすのが一般的。同会の下重貞一さんは“長命”の理由として、「ワクチン接種やフィラリア予防の投薬がようやく普及してきたペット犬に比べ、盲導犬は仕事の性質上、常に清潔や体調などの健康管理が行き届いているからでは」と分析している。
「盲導犬訓練施設年次報告書」によると、今年3月末の国内の実働盲導犬数は952頭。
(2006/7/24)(毎日新聞記事より)