沖縄で犬ブルセラ症

沖縄で犬ブルセラ症

人畜共通感染症であるブルセラ症が沖縄で確認されました。
これまで何度か日本国内で発症していますが、今のところ人に感染したという例はないようです。
発症した犬達は、繁殖場の犬達でした。日本では即殺処分とはなっていないようですが、100%効果のある治療法がない為、海外では殺処分される場合が多いようです。

今や、犬の流通は国内であればどこからでも買うことが出来ます。充分な健康診断をせずに買われた犬達がこのような感染症を持っていることもありますから、安易に繁殖に手を出さないことでしょう。
(2006/7/25)(LIVING WITH DOGS)


県内でも犬ブルセラ症確認 注意呼びかけ

23日に那覇市の自治会館で開かれた第37回県獣医学会(主催・県獣医師会)で、家畜衛生試験場の又吉正直主任研究員(獣医学博士)が、県内で初めて犬ブルセラ症が確認されたことを発表した。2005年10月から06年1月にかけて、少なくともプードル、パピヨン、ヨーキー、チワワの8頭の犬ブルセラ症が確認されている。外国では殺処分される事例も多いという。又吉主任研究員は「人への感染で重症になった例はなく、神経質になることはないが、獣医師にも疾病を念頭に置いて検査してほしい」と訴えた。

犬ブルセラ症は、細菌性の人獣共通の感染症。1962年にアメリカで初めて確認されて以来、南米やヨーロッパなど世界各地で確認されている。国内では、1972年と03年に静岡県で発生した。県内では中部の犬繁殖施設で、今回初めて確認された。
流産した犬から娩出された胎児で薬剤感受性検査や抗体検査なども実施され、又吉主任研究員のほかに、県家畜衛生試験所の屋富祖昇さん、高木和香子さん、くどう動物病院の工藤俊一さんも調査に携わった。
犬ブルセラ症の症状としては、妊娠45日から50日での流産や不妊、睾丸(こうがん)炎などがある。交配のほかに尿やペット同士で鼻をこすり合っても感染するという。県内で犬ブルセラ症が確認された犬は現在、治療が順調に進んでいるというが、又吉主任研究員によると「諸外国の例から言っても犬ブルセラ症に100%効果のある治療法がない。治療でよくなるが、場合によっては再発する可能性があるため、感染が見つかった場合、殺処分をすることが多い」と話した。
今回確認された犬ブルセラ症の感染の原因については、菌の汚染を受けた県外の雄犬からの交配による可能性が考えられると推測されている。又吉主任研究員は「インターネットで犬を他府県から気軽に買える時代になった」と話し「一回の流産でも症状が出たら動物病院で検査してほしい」と注意を呼び掛けた。
(2006/7/24)(琉球新報記事より)


ブルセラ病
人は広い罹患動物のブルセラ属の菌から感染し、狩猟や職業、愛玩動物あるいは食品を介して感染します。愛玩動物に限ると犬のブルセラ病があります。原因菌はB.canisと呼ばれる菌です。人では発熱や関節痛など非特異的な症状を示します。犬を集団で飼育している施設では感染が急速に拡大しやすいといわれています。犬の感染率は2〜3%と推定されています。感染は経口・創傷感染です。
<予防治療法>
再発しないように完全に治療することが必要です。B.canis感染で流産した犬は菌血症を起こしやすく、尿中に菌を排出し、感染源となります。(急性ブルセラ症の治療(成人)は、600〜900mg/日のリファンピシンと200mgのドキシサイクリンを6週間投与する方法等で治療されます。慢性疾患では再燃率が高いため抗菌薬は複数を組み合わせ長期間投与する必要があるとされています。集団飼育施設では血清反応で抗体陽性犬を隔離・淘汰し、陰性のもののみを収容するなどの注意が必要です。感染防止上は動物のブルセラ症のコントロールが必要です。
(徳島県 ブルセラ病ってなに?から一部引用)

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