<子猫殺し>告白の真意は?
<子猫殺し>告白の真意は?
日本経済新聞に「子猫殺し」を告白したエッセーを掲載した作家がいた。この作家、このような告白をしたら非難されることを承知の上で告白している。
何を言いたいのだろうか?としばらく考えていた。
今日、毎日新聞がその経緯を記事としている。その中で以下の部分にふれてみよう。
「人は他の生き物に対して、避妊手術を行う権利などない。生まれた子を殺す権利もない」との論を展開。「自分の育ててきた猫の『生』の充実を選び、社会に対する責任として子殺しを選択した。もちろん、殺しの痛み、悲しみも引き受けてのことである」と結んだ。
「社会に対する責任として子殺しを選択した」この作家の論理は、人は動物に対して傲慢だから。死について深く考えるようになったそうである。
人は地球上のすべての生物の進退を握っていることは誰もが承知している。
生まれたばかりの子猫を親猫から取り上げ、崖から投げて殺すことに「社会に対する責任として子殺しを選択した」を感じられるだろうか?
いいや、社会に対する責任なんて全くない、ただの詭弁にすぎないのである。
ただ目立ちたかっただけではないのか?ホラー小説作家には自分がホラーじみていなければならないと思いこんでいるのではないだろうか?(2006/8/24)(LIVING WITH DOGS)
<子猫殺し>直木賞作家・Bさんがエッセーで告白
直木賞作家のBさん(48)が日本経済新聞に寄せたエッセーで、自身の飼い猫が産んだ子猫を野良猫対策として殺していることを告白し、波紋を広げている。Bさんはフランス領のタヒチ島在住で、事実ならフランスの刑法に抵触する可能性もある。Bさんは「避妊手術も、生まれてすぐの子猫を殺すことも同じことだ」との趣旨の主張をしているが、日本経済新聞社には抗議や非難が殺到、動物保護団体も真相究明を求めている。Bさんが日経新聞18日付夕刊15面の「プロムナード」に寄稿した「子猫殺し」。「こんなことを書いたら、どんなに糾弾されるかわかっている。(中略)承知で打ち明けるが、私は子猫を殺している」と書き出し、飼っている雌の猫3匹には避妊手術をせず、子猫が生まれると自宅隣のがけ下に放り投げていることを明らかにした。
野良猫対策としての避妊手術は認めているが、「人は他の生き物に対して、避妊手術を行う権利などない。生まれた子を殺す権利もない」との論を展開。「自分の育ててきた猫の『生』の充実を選び、社会に対する責任として子殺しを選択した。もちろん、殺しの痛み、悲しみも引き受けてのことである」と結んだ。
日本動物愛護協会によると、フランス刑法は犯罪を三つに分類、子猫を殺す行為は、中間の「軽罪」(最高2年の拘禁刑)か最も軽い「違警罪」(罰金刑)にあたる可能性があるという。協会は「事実なら到底許されない」と非難、日経に事実関係の調査を求める方針だ。
Bさんは日経を通じて「タヒチ島に住んで8年。人も動物も含めた意味で『生』、ひいては『死』を深く考えるようになった。『子猫殺し』はその線上にある。動物にとって生きるとはなにかという姿勢から、私の考えを表明した。人間の生、豊穣(ほうじょう)性にも通じ、生きる意味が不明になりつつある現代社会にとって、大きな問題だと考えているからだ」とのコメントを寄せた。
日経には23日までに、エッセーを巡って約300件のメールと約60件の電話が寄せられ、多くは批判や抗議だという。在日フランス大使館にも問い合わせが相次ぎ、業務に支障が出ている。
日経社長室は「原稿の内容は、筆者の自主性を尊重している。今回の原稿も事前に担当者が筆者に内容を確認した上で掲載した。さまざまなご意見は真摯(しんし)に受け止めたい」と説明している。
Bさんは高知県出身で、ホラー小説の第一人者。97年に「山妣(やまはは)」で第116回直木賞を受賞した。映画「死国」「狗神」の原作者。7月から毎週金曜日のプロムナードを担当している。(2006/8/24)(毎日新聞記事より)