ムック! お母さんがそばにいるよ

 ムック! お母さんがそばにいるよ

ムック(パグ男の子)は、幼い四ヶ月の頃、掃除の際、立てかけてあったこたつの天板が倒れ、ムックの背中を直撃し、すぐ病院へ連れていきましたが、その病院の対応が悪く、七ヶ月ごろから、足を引きずるようになりました。
違う病院へ連れていき、骨折している骨が神経を圧迫しているため、いずれは歩けなくなるだろうと言われました。

体重を減らし、内服治療を続けましたが、麻痺は進み二歳の夏には 排泄のコントロールもできず、痛みのため眠れないと言う状態になってしまいました。藁にもすがる思いで岐阜大学の家畜病院で診察を受け、骨折している骨を取り除き脊柱を固定する手術をうけたのです。

命の危険もあり、術後の痛みも辛そうで、排尿のための導尿も医師に教えていただき、私が行えるようにしました。

今思うと、その頃の私は、精神的、肉体的にもつらく、悲しい毎日をおくっていたように思います。

手術は成功しましたが、足から落ちた筋肉はもどらず、自己流のマッサージ、立つ練習を続けました。麻痺からくる膀胱炎、結石の治療は、現在も続けています。この2ヶ月、石もなくなりフードでのコントロールだけになりました。

ムックを自分の足で歩く散歩に連れていってやりたいと思い、2年前病院に相談しました。病院ではほとんど扱ったことがないということで、業者さんに問い合わせ、ムックに一番適していると思われる、アメリカの獣医さんが開発したという「K-9WALKINGCART」を見つけたのです。

日本でそれを扱っている業者さんに連絡をしてつくっていただきました。軽くて自分でも後ろ足を動かし、しっぽもあがって散歩を楽しめるようになりました。

おしっこは、一日5〜6回おなかを押してさせています。以前は私の世話が足りないから膀胱炎や結石になったのではと自分を責め、おしっこをさせなきゃというプレッシャーでノイローゼになりかけていました。

ムックの再手術をしたということが、私の精神的な緊張の糸もほぐれ、もう出来ることはやったのだから、後は神様に委ねようと考えたら気が楽になりました。

昨年はリハビリのため低周波治療をしてもらえる病院を見つけ通いましたが、ムックにとって苦痛だったらしく、いやがり方が普通ではありませんでしたのでやめました。今は私が、指圧とマッサージを続けています。

ムックがいずれ歩けなくなるとわかったときムックがほかの犬と触れあえるようにと思い、パグのサークルに入りました。サークルのお友達にたくさん力づけられました、そのおかげで、ムックも私も精神的に随分、支えてもらえたのです。ほんとに感謝しています。

「何故? 安楽死をさせないの?」とか、「歩けないんじゃなんにもならないのに!」と言う人がいます。ムックはとても生きることに前向きでフレンドリーで優しい子です。

ムックの手術の時、家族でたとえどんな姿になってもムックはムックだから大切にしていこうと決めました。犬の一生は長くて15年たらず、その一生を看取る覚悟がないなんて情けない気がするのです。

ムックは、家の中では、妹のなっち(パグの女の子)が大好きで、前足だけでなっちを追いかけて走り回ったり、かみかみし合ったりしています。足が悪くても、健康な犬とまったく変わらないやんちゃなムックです。そんな姿を見るのは楽しいひとときです。

私たちに遊んでほしいときは、洗濯前の臭い靴下や、ぬいぐるみをくわえてきて、ぽとんと落として誘ってきます。

わが家の周囲はまだまだ自然がいっぱいで犬を飼っている人たちは公園に集まらず、それぞれに散歩しています。ムックは、がんばりやさんなので、ちょっと坂があっても歩いていきます。お散歩が大好きなのです。

ムックが安心してねむっている姿をみると、この子達と暮らして良かったと幸わせを感じています。(2000/03/04)

(愛知・C.Nさん Ext_link 覇向飯店)

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