動物孤児院 (34)2007年のトレンド「殺処分になるはずだった犬猫を引き取る」というスマートな行い
2007年のトレンド
「殺処分になるはずだった犬猫を引き取る」というスマートな行い
帰国するたびに、親の介護と同時に気になるのは、もちろん動物保護の活動のことです。実家では私一人で老親の世話をするので、なかなか家から出られないのですが、それでも2時間ほどならだいじょうぶ。こないだは、Oさんが主催している「里親募集」の集まりに行って、テント作りを少し手伝いました。
この里親募集の催しは毎週日曜日にあるのですが、知名度は高いようです。15匹の子猫たちに新しいファミリーが見つかり(大きめのが、2匹残っていましたが)、ゴルフ場で生まれたという子犬1頭も子供が3人いる家族に引き取られていきました。
Oさんが言うには、子犬は100%引き取り手が見つかるのに、めったに、その催し場に連れてくる人がいないということです。子犬を「見つけた」OR「拾った」人が連れてこなければならないわけで、そこまで面倒見のいい人はあまりいないということでしょうか。それと、子犬は確実に引き取り手があるという事実を知らないのかもしれません。「どうしたら、要らない子犬を連れて来させられるかなあ」と、Oさんは頭をひねっています。どこかで誰かがこの催し場の存在を知らないまま、捨てられた子犬たちを殺処分するために管理センターに持って行っているとしたらと、考えただけで苦しくなります。
帰国中に、動物保護に奔放している人たちから、辛い事実がどんどん耳に入ってきて、ときには眠れなくなることもあります。
ちなみに、実家のある市では、ペットショップで売れなかった犬たちが管理センターに連れて来られて、殺処分になっています。
ペットショップは個人の利益のために経営され、そこで売れ残った犬たちが市の税金で殺されているこの矛盾。昔から疑問に思っていました。「最後の最後まで誰も買わなかったら、このヨークシャーテリアや、ダックスフントたち、どうなるのかなあ」と。世にも恐ろしい名称をもった「ドリームボックス」というブラックジョークとしか思えないあの鉄の箱に閉じ込められて、窒息死させられていたのですね。
ディレクターの知人は、ペットショップから持ち込まれた「大きくなりすぎたために商品価値のなくなった犬たち(シェルティーや、ミニチュアシュナウザーがその日、殺されました)を目の当たりにして、ショックだったそうです。
彼女は、「この現実を見てください!」と、意欲的にドキュメンタリーを制作しています。
また、Kさんは、殺処分寸前の犬たちをできるだけ救おうと、引き取り手の可能性のあると見込んだ犬を預かり、新しい里親を探します。
捨てる神あれば拾う神あり・・・ということでしょうか。
ここドイツのように、「一切殺さずに、動物孤児院で引き取って、引き取り手を探す」というシステムがあれば、どんなにいいでしょう!それを実行して、うまくいっている市も、ついに日本に登場したとのことで、そのシステムが全国的に広まる日を夢見ています。
要するに、新しく引き取りたい人の数が、見捨てる人の数を上回ればいいのです。或いは同数であればいい。ドイツにも捨てる人がいるけれど、拾う(救う)人が大勢いるのですから。ただ、それには、犬猫の数をこれ以上増やさないことが、必要条件になると思います。
2007年以降のトレンドを作りましょう。
*知的な人間が求めるペットとは、殺処分になるはずだったペットたち!*