崖っぷち犬のその後

崖っぷち犬のその後

あの犬は今、あれだけマスメディアで騒がれて、貴重な尊い命を繋ぐことが出来ましたが。そして3週間たった今、人の手から物を食べるまでになりました。
しかし、その後もあの崖の公園では子犬達が段ボール箱に入れられて捨てられているそうです。

飼い主の一人一人が自己責任で飼い犬の終生飼養を徹底出来れば、また避妊去勢手術をしていれば、望まれない子犬は生まれてこないのです。
この崖っぷち犬を通して、徳島県の動物愛護への関心が高まっていけば良いと願っていましたが、簡単には行かないのでしょうかね。(2006/12/21)(LIVING WITH DOGS)



「崖っぷち犬」 捨てられる予備軍、何匹も 徳島

「あの犬」は徳島市の隣町にある県動物愛護管理センターにいた。
生後約7カ月のメス。名前はまだない。でも、職員の間では「あの犬」で通っている。
11月22日だった。JR徳島駅から西約4キロ、眉山(びざん)の地上50メートルの崖(がけ)で動けなくなり、消防隊員が張ったネットに足をばたつかせながら飛び込んで助けられた。救出作戦は計11時間に及んだ。
それから3週間後の今月13日。管理センターの職員を驚かせた。
衰弱がひどくおりの中でずっとうずくまっていたが、この日午後、初めて外に出てきたのだ。担当の女性職員がペット用の小さなチーズを差し出すと、小刻みに震えながら、鼻を近づけパクッと食べた。頭をなでても逃げなかった。
野良犬で人に慣れていないうえ、人間で言えば10代後半の思春期に当たる過敏な「乙女」。女性職員は「人間に近づいてくるなんて大きな進歩です」。保護時の体重は7.7キロだったが、「体が大きくなった」という。 「こっちに姉妹がいるよ」。男性職員が隣のおりを指さした。

同じ茶色の毛並みのメス。体格もほぼ一緒。救助劇の6日前、崖のさらに上の斜面で、消防署員にひっそりと保護されたのだという。「姉妹だと思う。一緒に崖を下りようとしたのだろう」と、男性職員は推測する。

現場の崖を訪ねた。近くの小さな公園に、野良犬が5、6匹。中型犬が多く、体が汚れ、毛が抜けて皮膚が見えている。

「人がえさをやるからどんどん増える」。毎日、公園を散歩するという男性(70)が教えてくれた。10匹以上いることもあるという。

徳島保健所は救助劇の後、公園周辺をパトロールして計15匹の捨て犬を保護した。すべて段ボールに入れられていた子犬だった。「崖っぷち犬」の予備軍だ。同保健所の久米明徳さん(44)は「あれだけ騒がれた後なのに、なぜ分かってくれないのか……」と嘆く。

保健所や飼い主から管理センターに持ち込まれた犬は、早ければ7日で殺処分される。

「あの犬」には、引き取りたいと全国から計100件余りの申し出が来ている。「前に飼っていた犬に似ている」「お土産屋の看板犬にしたい」――。

犬の「広報係」を務める管理センター事業係長の山根泰典さん(45)は、その一部にこう返事を出した。「お近くの施設にも保護された犬はたくさんいます。その犬たちを助けてください。絶対この犬である必要はありません」

04年度に全国の施設で殺処分された犬は9万3985匹。保護された犬のうち、引き取られるのは1割にも満たない。

「あの犬」はおりの中で年を越し、1月の譲渡会で「姉妹」とともに新しい飼い主が決まる。
http://www.asahi.com/national/update/1219/OSK200612180083.html
(2006/12/19)(asahi.com記事より)

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